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第2章・第3話 出会い再び

かくして、二人は客船上にいるのだが、肝心の手紙の差出人は見当たらない。

それもアイナの不機嫌を加速させている。


「よお、久しぶり、元気だったかい、アイナ、エリサ」


背後から気安く声をかけられ、人造人間ホムンクルスの錬金術師その人か?!と身構えて振り向くと、背の高い男性二人組がにこやかに手を振っていた。

「……え?誰です…?……まさか軍部のかたがた?」

アイナのみならず、エリサも思いっきり不審な目を向ける。


「違う違う、俺はディータ、こっちは弟のアルノー。君らの隣の国の者で、医者を目指してる、数か月前に会っただろ?」

にこやかに挨拶をする男性と、やれやれとため息をつく弟。

「ほら、兄さん、やっぱり忘れられてただろ」


アイナたちの隣国の出身のディータとアルノー。

医師を目指し、知識を求め、近隣の国々を尋ね回っている兄弟。

数か月前にアイナたちの元に来て、多少の関わり合いができた…はずだったのだが…。


「だろうなあ、とは思っていたけどさ、でも声かけたくなるじゃないか」

ディータはアルノーに、笑って応じた。


「僕らは、ずっと寝続けていたエリサの件や、その垂兎の件で、少し縁があった者だよ」

アルノーが仕方なしに説明を重ねる。


エリサは、しばらく、んーーーー??と考えて、そして、ようやく、ああ、と手をぽん、と打った。

「あの時の。その節はお世話に…」

と深々とお辞儀をする。

「いえいえ、こちらこそ貴重な資料をありがとう」

ディータも笑いながら礼をする。


「で、どうしたんだ?」

と、アイナとエリサが先ほどまで見ていた大道芸らしきものへと視線を移した。


「あの芸人がどうかしたのか?」

「あの細長いリスのような生き物、未知の生物と言っていたのですが、動く範囲が狭いというか…何かおかしな感じがするものでして」

と答えるエリサ。

そうなのか?とディータはアイナを見た。

しかし、アイナはリスのような生き物と青年をにらむように見ながら、またもや、うーん…、とうなるような声であいまいに返事をするだけだ。


「ねえ、エリサ、アイナの機嫌がとても悪いように見えるけど、何かあったのか?」

前に会った時は、頼りない笑みばかり浮かべていた彼女が、今回は、不機嫌さを隠そうともしていない。

アルノーがこっそりとエリサにささやくと、困ったように眉を下げた。

「ええ、やっかいな相手というか、苦手というか、そんな相手から手紙を受け取りまして…」

と呟きつつ、エリサは、その場に座り込んだ。

「あれ?どうした?」

と心配そうに声をかけるも…


「ZZZZZZ」


エリサは、すやすやと一瞬で眠りについていた。

“ああ、そういえば…、たくさん睡眠をとらなくちゃだめなんだっけ”

アルノーは、少し遠い目をする。


そんな雰囲気を察したのか、アイナが振り向き、おやおや、とエリサを簡単におんぶした。

その様子があまりにも自然であり、あまりにも軽々と背負ったため、兄弟は、意外と力あるんだな、と変なところに感心した。

「すみません、もうそんなに時間が経ってましたか」

と、エリサに声をかけ、では失礼しますね、とディータたちに軽く会釈をして、自分たちの客室へと下がっていった。


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