貴族たちからの
剣を選んだ翌日から通常の授業が始まった訳だが2人は、特に魔法を使えないソフィアは[貴族]からイジメを受けるようになっていた。アリス様からは毎回のようにイジメられている。
例えば、大食堂の入り口を氷で封鎖されて入れなくしたり、移動教室でも同じ事をされたが常にビクトリアが側にいるので火魔法で氷を溶かしすぐに中に入れた。とは言え、アリス様は姑息な事はしないが他の[貴族]の中にはソフィアとビクトリアの教科書や筆箱を隠したり捨てたりし、ソフィアのノートには暴言が書かれていた。しかし、そう言った際にはすぐオリビアが2人に教科書を見せてくれたりペンを貸してくれたりした。
そう言った様子をソフィアを入学式の日に一目見た時から恋におちたルーカスはソフィアとビクトリアをイジメている他の[貴族]たちに止められない自分に怒りそうになっていた。
ルーカス「リドルさんたちどうしよう…」
ある日、ついに限界になってルーカスは同じ部屋のアランに相談をした。
アラン「俺は何もしないよ。」
ルーカス「えっ⁉︎」
アランは、ビクトリアと同じ部屋のシャーロットと婚約関係を結んでいるのでシャーロットが2人のご飯に水魔法で水をかけたりソフィアが座る椅子を濡らしているため波風をたてる訳にはいかなかった。でも、ルーカスが気になっているソフィアたちのこともどうにかしたいと思っている。
アラン「でも、リドルさんのことが好きなお前は止められなくても守ったらいいんじゃないか」
だから、アランは親友にそうアドバイスをした。
ある日。ソフィアがトイレに入っていると先にトイレに入っていてソフィアがトイレに入ろうとしたタイミングで個室から出てきたシャーロットに水魔法で頭から水に濡れびしょ濡れになってしまった。
その時間は放課後だったのでどうにかなり、ソフィアは寮の前にある大木に腰掛けて服を乾かしながらさすがに涙が溢れてしまい膝を組んで顔を覆った。
ルーカス「誰にやられたの?」
ふいに声がして顔をそっと上げれば心配そうな顔をしたルーカスがしゃがんでソフィアの目の前にいた。
ソフィア「ボーフォート伯爵子息様?」
ソフィアは、なぜ彼がこんな場所で自分を見つけたのか分からなかった。ルーカスは、ソフィアが自分の名前を知っていることが嬉しかった。
ルーカス「大丈夫。僕がいるから。」
ひとまずルーカスは、ソフィアの涙を拭った。まだ何でかは分からなかったがソフィアもとりあえず「ありがとうございます」と眉を下げながらも微笑んだ。
ルーカス「僕がリドルさんを守るから」
緊張しながらもソフィアを抱きしめたのでルーカスは少し震えていた。ソフィアは、とにかく驚いたがルーカスの中があたたかくて泣きたい感情がスーと消えていった。2人はソフィアを探していたビクトリアがソフィアを見つけてくれるまで他愛もない話をしていた。
その日の夜。お風呂から戻ってきたシャーロットに勉強机の椅子で膝を組みながらビクトリアは静かながらも強い口調でシャーロットを問い詰めた。
ビクトリア「今日、ソフィーに水かけた?」
シャーロット「別に。」
そう言ってシャーロットはお風呂道具を片付けてビクトリアに背を向けてベッドに向かった。
ビクトリア「ソフィー、アンタなんかには絶対、負けないから!」
その言葉に一瞬、立ち止まったシャーロットだがすぐにベッドに入ってビクトリアに背を向けて寝始めた。入学から数週間経ったが同じ部屋ながらこの2人はずっとお互いに背を向けたままだ。
一方のソフィアとオリビアの部屋では2人が楽しくオセロで対戦していた。2人はオリビアが最初から壁が無くさらにたびたび助けてくれるので出会って数週間とは思えないほどの距離感になっていた。




