文化祭
今日は2学期の始業式。
来週の火曜日には文化祭が行われる。
なごり惜しいが授業で使用されるので、昨日で視聴覚教室を明け渡し、また俺たちは活動場所を失った。
でもいい。
展示と飾りつけの準備は万端だがら。
週が明けて月曜日は文化祭の前日。
授業は午前中でカットされ、午後はクラスの準備に当てられる。
クラス展示も思っていた以上にいいものになった。
担任の先生の指示のもと、机を寄せたり積み上げたり運んだり。
そして作った展示物をみんなで考えながら配置していく。
女子たちに勧められて、真奈美が黒板に絵を描いている。
「上手いね、さすが漫研だね。」
なんて褒められて嬉しそうだ。
「真ちゃんも描けよ、漫研だろ。」
なんて言われるが、俺は絵は描かない主義だから。
クラスの準備も無事に終わり、次は漫研だ。
漫研の展示場所は多目的教室。
真奈美と一緒に入ったら、副部長と萌がすでに飾りつけを始めていた。
まずは、自分の発表を壁に貼る。
そして飾りつけに合流。
やがて全員がそろい、代々部長に受け継がれる「漫研マニュアル」の文化祭のページに従って、入口の受け付けの設置や机の配置など、手分けをして準備が進められる。
部室に保管していた部誌が運ばれる。
受け付けの机の上に10冊ほど積み重ねて、減ったら随時補充することになっている。
やること自体は多くないのでほどなく終了。
後は明日の当日を待つだけだ。
そして、ついにやって来た。
文化祭当日が。
クラスの方は、ものができ上っているから終わったも同じだ。
40人いるから、30分ほど番をしたらすぐに交代になる。
2,3人でやるから話していたらすぐに時間が過ぎる。
待ち合わせをしていた時間と場所で真奈美と落ち合う。
真奈美と他の展示を見て回る。
久しぶりのデートみたいだ。
並んで展示を見る距離が近い。
俺もぐっと近寄って肩をくっつけながら見た。
一通り見て回ったら、俺も真奈美も漫研の客の入りが気になって仕方がない。
そのまま多目的教室に向かう。
みんなもそうみたいで、一応、受け付けの当番の時間は決めてあるが、それ以外の時間もほとんどみんなが集まっていた。
お客の入りはそこそこだが、展示を興味深そうに見てもらえるのが嬉しい。
部長が言うには去年より盛況らしい。
「いいのができてるね。」
前部長が入ってきた。
「香月先輩。」
みんなが前部長を囲むように集まる。
俺は受け付けの当番だから残念ながらそっちに行けない。
前部長とは本当に久しぶりだというのに。
部長と副部長にねぎらいの声を掛ける前部長。
「志保ちゃん、澪ちゃん、頑張ってるね。今年もすごく充実してるね。志保ちゃんも、すっかり部長の顔になっちゃって。」
「いえ、私なんてまだまだです」なんて返事しながらも照れて嬉しそうな部長。
その後、俺たちの発表を一枚一枚、長い時間を掛けて見てくれた。
「感動を伝えたいか。いいテーマだね。すごく伝わったよ、みんなの熱い思い。部誌も厚いね。あっ、これシャレじゃないから。みんなやる気まんまんだね。いいわ、とっても。漫研もしばらくは安泰だ。」
少し雑談して、前部長は出て行った。
その後、今年の春卒業したというOGが3人で見に来てくれた。
部長たちが1年のときの3年だ。
部長と副部長が対応する。
いろいろと説明する。
「・・・そう。いいね。展示も部誌も私が部長やってたときよりも気合入ってるわ。志保ちゃん、澪ちゃん頑張ったね。」
部長も副部長も嬉しいだろうけど、俺たちも嬉しい。
「香月ちゃんにも会いたかったけど、3年だしね。ここには入り浸らないか。」
OGたちが帰っていく。
OGたちと入れ違いに、部長へのご褒美がやって来た。
「志保のは?」
なんて聞いちゃって。
頬を染めながら
「これ。」
なんて指さしちゃって。
「へぇ、上手に書けてるじゃん。」
なんて褒めちゃって。
「えー、そうかな。」
なんて恥ずかしがっちゃって。
見てられない
俺たちとしては副部長バージョンや咲良バージョン、美鈴バージョンも見たかったのだが、それはなかった。
気付かれないように上手くやったみたいだ。
楽しい時間は早く過ぎるもので、やがては片付けの時間になる。
クラスに戻らないと。
片付けが始まる。
あれだけ長い時間を掛けてつくったものも、片付けるのはすぐだ。
解体してひもで縛って指定された場所に捨てに行く。
机も戻して、短いホームルームがあって解散。
真奈美と漫研の片付けに行く。
1組は、まだホームルームをしていたから先に行く。
自分の発表の模造紙を壁からはがす。
持って帰ってももう見ないだろうけど、ゴミのように捨てたくない。
結局持って帰ることにした。
片付けが終り、漫研の文化祭も終わった。
なんて、哀愁に浸ってる暇はない。
明日は体育祭だ。
この後、やらねばならないことが待ってる。
文化祭と同じくらいに気合が入る。
なんせ、俺たちは「チームマンケン」で部対抗リレーに出るのだから。
伝統的に毎年参加していると聞いた。
だから、今年も参加するのは当たり前だとも。
6人の選手でチームを組むのだが、部長と副部長は「私たちはもう歳だから」と逃げたので、俺たち一年生だけでの参加になってしまった。
でも出るからには一位を取りたい。
メンバー紹介。
元野球部の俺。
野球ではレギュラーをとれなかったが、脚には自信がある。
元バレーボール部の由衣。
小さいころから走るのだけは早い。
これを言ったら怒られるが。
元卓球部の真奈美。
本人が言うには、走るのは普通くらいだとか。
美鈴はなんと元陸上部。
しかも短距離が専門。
萌は元剣道部
見た目は早そうだが、早くはないらしい。
咲良は元書道部。
運動はダメで、リレーなんてみんなの足を引っ張るから出たくないと最後まで言っていた。
みんな何かの部活をやっていたが、俺と同じで中学まででお腹いっぱい組だ。
この後、作戦会議だ。
これまで文化祭に全力投球だったから、リレーの話なんて全然できていない。
走順も決めないと。
何か、すごく楽しみになってきた。




