表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/105

64泊目 「大丈夫、って言葉は5割大丈夫じゃないのよー!!」

「何だ、何が起こった!? みんな、無事か……!?」


激しい耳鳴りの中、出来る限りの大声で叫ぶと遠くの方からぼんやりと仲間達の声が聞こえた。

それに混じり、近くで巨大な何かが倒れる音と、それと同時に


「わぁっ……!!」


という短いエルの叫びも聞こえてきた。


「エル! 無事なのか!? 無事なら返事をしてくれ! くそっ……どうなってる!?」


目の前はまだ白い光に包まれていて、何も見えない。その上、耳鳴りも未だ治まりそうにない。

何が起きているのかがわからないまま、必死に声を張り上げる。


「……ユートさん! そちらは無事ですか!? 私なら大丈夫です! 無事です! ヴァロールからも解放されました!」


エルの声が薄くと聞こえてきた途端、安堵感から一瞬張り詰めていた気が解けた。

けれど、状況が全くわからない今、油断は即命取りとなる。

俺はパンッ! と音を立てて自分の頬を強く叩き、そして目をこする。


少しずつ白い光が晴れてきて周りをなんとか認識できるようになってきた。

そしてまず、近くで横たわっているエルが目に飛び込んでくる。


「おい、エル! 大丈夫か!? 動けるか!?」


俺は即座にエルに駆け寄り、その身体を支える。


「ーーッ!! すみません。元気、なんですが、ちょっと骨をやっちゃったみたい……ですね」


俺の顔を見てエルは無理矢理作ったような笑顔で微笑むが、その表情はとても苦しそうだ。

ひとまず命の心配はなさそうだが、それでも重症なのには変わりない。

いつまでも魔物やヴァロールが生息しているここにいるわけにもいかず、まずは全員で撤退をすることが最重要課題だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ