53泊目 「負けてらんないのよ!あんたたちに!」
「これで……ラストぉ!」
鈍い音を立ててミュウの戦斧がウッドテラーの頭を叩き割る。
魔物寄せのエサを一箇所に置き、誘き寄せられた魔物をまとめて一網打尽にする。
一対一で苦労していた一下層の時が嘘みたいに感じられるぜ。
今では魔物の群れが現れたとしても、落ち着いて対応ができる。
「この階層は魔物が多いねえ、一気にレベルも上がってきた気がするー! 戦闘にも慣れてきたかな。いやー、ブランクがあるとはいえ、最強最高の賞金稼ぎ、ミュウちゃんは強いねえ!」
自画自賛をしているミュウを無視して、ニュウとオイゲンは倒れたウッドテラーを見ながら何やら話し込んでいる。
「この木みたいな……というか、まさに木そのものにしか見えないヤツはやっぱり食べられないんですの?」
「そうさなぁ、コイツは調理のしようが無さそうだな。多分煮込んでも焼いても土の味が出て来るだけだ。調理以外には何か使えそうではあるんだが……」
うーん、と顎に手を当てて考え込むオイゲン。そこへ更にエルも加わった。
「この魔物は練金魔法に使えそうです。土の魔力を多く秘めてるので、栄養剤とか乾燥剤はもちろん、威力の高い爆弾にも変身させられそうですね」
そういいながら、ウッドテラーの表面をナイフで削ぐエル。
「あ。すごい! 核が傷ついていない! これは相当な魔力を秘めています……! 貴重過ぎる素材がここで手に入るなんて……!」
エルが手にした球体状のそれは、淡く金色に光っていてとても綺麗だった。
エルは嬉しそうにウッドテラーの核をカバンにしまい、アイ・デューサの触手フライを一口齧った。




