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47泊目 海老の造形をじっと見つめてみよう

「海老の匂いがするー!!」


 突然背後からミュウの大きすぎる声が聞こえ、その内容は今まさに俺が頭の中で考えてたことと一緒だった。

 そう、闇羽虫の緑色の液体は、海老の出汁のような何とも言い難い最高に美味しそうな香りがするんだ!

 ムチョ=ムッチョといい闇羽虫といい、気味が悪い虫のような見た目をした生物は海老のエキスでも体内で生成してるのか……?

 というか、海老だって見慣れているからそうは思わないだけで、実際よく見るとすごく気持ち悪い見た目をしていないか!?

 ……やっぱり、見た目でその食材の味を判断するのは良くないな。

 全ては食べてみてから、だ!


「おい、ミュウもこっちにきて一緒に魔物の下処理でもするか? ほぼ海老だぞ!」


 気分が乗ってきた俺がミュウに声をかけると、


「いや、いい」


 という簡単すぎる返答が返ってきたのだった……。


「あの、私もお手伝い、してみたいです!」


 背後から声がして振り向くと、何やら気合が入った顔で鼻息を荒くしているエルの姿があった。


「手伝ってもらえるのは嬉しいが、大丈夫なのか? 魔物の下処理は結構エグいぞ?」


「……大丈夫です! 皆さんにお世話になりっぱなしも心苦しいので、私に出来ることなら全部してみたいんです。それに、何か練金のヒントにもなるかもしれないし……。料理と練金は似ていますしね」


「そういうことなら、お願いしようか。オイゲンに何をすればいいか聞いてみてくれ」


 はい! と元気な返事をして、エルはオイゲンの元へと駆けていった。

 手を止めてミュウとニュウの様子を見てみると、2人は薬草の仕分けをしながらも明るい様子でおしゃべりをしている。

 香ばしい海老のような香りが漂う中で、魔物に対する拒絶感も薄れてきたようだ。

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