43泊目 天国から地獄へ
四下層に着くと、そこは一方通行の道が続いていた。
横道も何もない、魔物も出ない、攻略するにはあまりにも簡単すぎる構造だ。
ただただ通路として使われている、といっても良いだろう。
空腹も感じず、魔物との連戦もないダンジョンがこんなに心地の良いものだなんて……!
そのまま道なりにしばらく歩くと、階段があった。
特に何のトラブル……どころか、魔物との戦闘すらもなく五下層へと到達だ。
そして驚くことに、五下層も四下層と同じような通路が続いていた。
これまでの苦労から考えると、拍子抜けしたような気持ちになる。
これはもしかして、六下層も同じような作りになっていて、地上に近い場所だけが広い、とかそんな感じなのか?
だとしたら、十三下層まで楽勝で駆け抜けられるな!
仲間達とのんびり談笑しながら歩いていると、下へと続く階段を見つけた。
余裕を持った、何ならピクニックを楽しんでいるような気持ちで階段を下るとーーーー
そこはまた、地獄の始まりだった。
六下層に足を踏み入れると、強烈な空腹が俺たちを襲った。
そして、四下層や五下層とはまるで違うだだっ広い空間がそこにはあった。
「ちょ、嘘でしょ……。これ、また香炉がどこかにあるってこと?」
「間違い無いですわね……。さっきまで満腹だったというのに、この空腹感……。」
「てか、このフロア、広すぎねぇか? こりゃ香炉を探し当てるのも時間がかかりそうだぜ」
「うう……おなか、へりました……」
突然の難易度上昇に仲間たちも不安気な様子だ。
さっきまで楽に進んできた反動もあり、士気の低下も激しい。
けれどここを突破しなければ最下層に辿り着くことはできない。
どうにか突破を目指して進もう!
「オイゲン、食料はあとどのくらいある?」
「そうだな、ここにきてまた消費が激しくなることは間違いねぇからな……。この階層がどのくらいの広さかにもよるが、次の階層までは持たなさそうな気がするぜ」
「ということは、また食料を調達しながら進まなきゃ行けない、ってことだな!?」
「その通りだ坊ちゃん!! また魔物を食わなきゃいけねぇってことだ!!」
2人で顔を見合わせて笑っていると、ミュウが呆れた様子で言った。
「あんたたちねぇ、どうしてそんなに嬉しそうなのよ……」




