29泊目 空腹は止まず。
「ピギャァッ!!!」
ミュウの斧が頭に命中し、小さなゴブリンはすぐに動かなくなる。
やはり魔物の数は多く、その分体力の消耗は激しい。
「もう、香炉とかどこにあるのよー!! 全然見つからないし、無駄に広いし、食糧も少なくなってくるし、斧の切れ味も落ちてきちゃったよう……」
「確かに、結構な距離を探索してきましたが未だ香炉は無し。食糧が尽きてきたとしても、入り口まではもう相当な距離がありますわ…」
ミュウとニュウが言うように、メンバー全員が食べ続けているわけだから、食べものが無くなるペースも早い。
1週間分の食糧を持ってきたと言うのに、残りは僅かだ。
一度補給に戻るにしても、この広大なダンジョンから出て、また降りて来なければいけない、というのはかなりの無駄な労力だ。
というか、今いる場所から2下層に上がる階段までの距離も相当なものだ……!
勿論、即座にダンジョンの外へ出る便利な道具、なんてものはこの世界に存在しない。物語でよく見るあの魔法道具? は一体どういう仕組みなんだ……?
おっと、話が逸れてしまった。
とにかく2下層まで戻るにしても、そこへ至る道のりで食糧が尽き、空腹状態でスタミナが枯渇、そのまま魔物にフルボッコにされて斬滅……という未来まで微かに見えてきたぞ……!!
こうして考え事をしている時にも、刻一刻と食糧は減っていく。
もしかしてこれ、絶体絶命、ってやつなんじゃないか?




