chappitre 26 : prto 2
エルフィオール:この圧を感じるか?
ナインディル(誇らしげに):ドワーフは圧など感じん。我らは何も恐れぬからな。あとはあの将軍を討つだけだ……奴は必ず、同族の怪物どもと同じく、名誉もなく逃げ出すだろう。
将軍の一瞬の隙を、皇帝エレンテスは逃さなかった。彼女は跳躍し、その喉を切り裂こうとする。
だが、稲妻のような速さで一人の人物が割り込み、彼女を吹き飛ばした。
激昂した彼女はすぐさま斬りかかるが、男は指一本でその剣を止めた。
誰も、その出現を目にする暇はなかった。
荒々しい動きで、彼はエレンテスの剣を空中へ弾き飛ばし、続けて腹部へ強烈な蹴りを叩き込み、彼女を十メートルほど後方へ吹き飛ばした。
軍全体、そしてドワーフとエルフの皇帝たちは、衝撃のあまり凍りついたように動けずにいた。
トロル将軍(嘲るような笑みを浮かべて):
「紹介しよう。プロト皇帝第二号だ。お前たちが見る、最後の人物になるだろう。」
将軍はその姿を、魅入られたように見つめていた。
彼が実際に戦うのを見るのは初めてだったが、オーク皇帝が彼を送り込んだという事実が、将軍の胸をざわつかせる。
トロル将軍(不安げに):
「よく来てくれた。お前のおかげで、この害虫どもをついに始末できる。
オーク皇帝に、永遠の栄光あれ。
プロト皇帝第二号(冷静に):
「皇帝から伝言だ。」
トロル将軍:
「ほう?」
プロト皇帝第二号:
「お前は解任だ。もはやお前も、その軍も必要ない。」
将軍は困惑した表情を浮かべる。
次の瞬間、プロト皇帝第二号は間合いに踏み込み、腹部へ強烈な拳を叩き込んだ。
衝撃は凄まじく、将軍は血を吐き出す。後退しながら、黒く濃密な邪悪のエネルギーを解き放つ。
トロル将軍(咆哮して):
「俺をそんな簡単に始末できると思うなよ!」
彼は棍棒を力の限り握りしめ、叩きつけようとする。
だが、黒い雷が右腕に落ち、棍棒は粉々に砕け散った。
将軍は後退し、無数の棘をプロト皇帝へ放つ。だが彼は巧みにかわし、一直線に突進する。
プロト皇帝は地面すれすれまで身を沈め、破壊的な威力の蹴りで将軍を吹き飛ばした。
トロルは宙へと打ち上げられる。
プロト皇帝は右手を掲げ、巨大な黒き雷のエネルギーを出現させる。
将軍は棘を呼び戻し、エロリアスの甲殻――最硬の金属――がその身を覆う。
プロト皇帝が攻撃を放つ。
その衝撃はあまりにも凄まじく、両軍は耳をつんざかれ、呆然と立ち尽くした。
将軍の鎧は全身にひびが走る。
空中で、将軍は周囲を見回す……プロト皇帝の姿が消えていた。
次の瞬間、背後から恐るべき圧迫感を感じる。振り返ると、巨大な手が開かれ、押し潰さんと迫っていた。
トロル将軍(絶叫して):
「機会があった時に、お前を殺しておくべきだった!」
掌が腹部に叩きつけられ、胴体が砕ける。
さらに雷のような蹴りが頭部を打ち抜き、頭蓋が地面へと転がった。
プロト皇帝は歩み寄り、その頭を足で踏み潰す。
だが振り向いた瞬間、怒りに燃えるエレンテスが、刃を突き出して突進してくる。
プロト皇帝第二号(冷静に):
「お前は死ぬ。」
彼は斬撃を受け止め、左腕でその体を貫き、心臓を引き裂いて引き抜いた。
エレンテスの身体は崩れ落ち、血の水たまりが広がっていく。
怒りに呑まれたエルフィオールは、神聖なるエルフへと変貌し、凄まじい力を放つ。
稲妻のごとき速さでプロト皇帝第二号の前に現れ、両腕を拘束し、天を裂くほどの一撃を叩き込む。
プロト皇帝は巨大な岩へと叩きつけられ、岩は衝撃で粉砕された。
エルフィオールは妻のもとへ駆け寄り、膝をつき、腕に抱き寄せる。
瓦礫の中から、黒い雷に包まれたプロト皇帝が立ち上がり、圧倒的な力を放ちながら歩み出る。
そして二人を、静かに見下ろした。
Naindirは斧を掲げ、叫びとともに突撃した。後ろにはドワーフの戦士たちが続く。恐怖は一切ない。彼らは一斉に駆け出した。
プロト・エンペラーはNaindirの攻撃を軽々とかわし、そのまま軍勢へと襲いかかる。致命的な俊敏さでドワーフたちを斬り伏せ、黒い雷の球体を放ち、五十人近くをなぎ倒した。
Naindirは二本の斧を投げつけるが、プロト・エンペラーは素手でそれを受け止める。
NAINDIR(驚愕して)
「俺の斧を止められた者などいなかった……今まではな」
プロト・エンペラーは斧を振り回し、立ちはだかるドワーフたちを次々と斬り裂く。
倒れていたElfiorが立ち上がり、叫ぶ。
ELFIOR
「奴を殺せ!」
エルフ軍がドワーフと合流し、総攻撃を仕掛ける。だがプロト・エンペラーは、まるで屠殺場のように彼らを蹂躙する。
Naindirの前で、彼は斧を地面に投げ捨てる。それは明確な支配の意思表示だった。
PROTO EMPEREUR 2(嘲笑して)
「これが斧の使い方だ、ドワーフ」
Naindirは言葉を失う。仲間たちの肉片が地に散らばり、ドワーフとエルフの血が混じり合い、赤い絨毯のようになっていた。
その前に、Naindirを守るようにElfiorが立つ。
ELFIOR
「俺がお前の相手だ! 覚悟しろ!
お前の剣を、お前自身の血で染めてやる!」
彼は剣を抜く。祖先から受け継がれた、古代のオーラが剣身から溢れ出す。戦いが始まった。
プロト・エンペラーから放たれた二つの黒い雷球を、Elfiorは剣に吸収し、そのまま撃ち返す。爆発が起こり、粉塵の雲が立ち込めた。
プロト・エンペラーが強力な一撃を準備したその瞬間、Naindirが右側から二本の斧を手に突進する。
Naindirの黒雷が、彼に高速回避を可能にしていた。
帝国側の二人が戦場に立つ。
Naindirは腰から水筒を取り出し、一気に飲み干す。すると体が膨れ上がり、筋肉が隆起し、速度が跳ね上がった。
周囲では再び軍勢同士の戦闘が始まる。
PROTO EMPEREUR 2(冷酷に)
「その変身で助かると思うな。
俺はまだ力の四〇%しか使っていない。
時間の無駄だ。貴様らが弱いことを証明してやる」
彼はエネルギーを集中させ、衝撃波を放とうとする。
Elfiorは即座に軍に後退を命じ、自身の前に陣取らせる。
エルフの防壁が展開されるが、次の瞬間、破壊的な衝撃波が襲いかかった。
進路上のすべてが消し飛ぶ。
多くのエルフ騎士とドワーフが命を落とした。
生き残ったのは、わずか百名ほどの重傷者だけだった。
息を切らした二人の皇帝は、事態の深刻さを悟る。
ELFIOR(覚悟を決めて)
「もう一度あの衝撃波を放たれたら終わりだ……
俺は魔法を使う。だが、命を落とすかもしれない。
この術は、仲間たちを安全な場所へ転移させるものだ」
NAINDIR
「俺は民のためなら死ねる……そして、お前の民のためにも。
時間は俺が稼ぐ。皆を救え」
その言葉に心を打たれ、Elfiorは集中し、呪文を唱える。
ELFIOR
「ELFI-LOW」
Naindirは前へ出て、プロト・エンペラーに斬りかかる。
だが彼はそれをかわし、一直線にElfiorへと突進する。
右手を振り上げ、Elfiorを貫こうとしたその瞬間――
ポーションの効果により強化されたNaindirが二人の間に割って入り、その一撃を受ける。
彼の体は貫かれる。
それでもNaindirは、プロト・エンペラーの腕を掴み、全力で締め上げた。
最後に、ひとつの想いが脳裏をよぎる。
――「我が息子よ……ドワーフの誇りを、託したぞ」
術が発動する。
生き残ったエルフとドワーフたちは、彼の犠牲に涙を流しながら、光の中へと消えていった。
Naindirは崩れ落ち、瀕死の状態となる。
Elfiorは血を吐き、膝をついた。
プロト・エンペラーが近づき、仮面を外す。
二人の視線が交差した。
ELFIOR
「……お前だったのか……」
PROTO EMPEREUR 2(憎悪を込めて)
「俺は決して許さない。
俺に与えられたすべての苦しみを」
ELFIOR
「……すまなかった」
PROTO EMPEREUR 2
「エルフ、ドワーフ、妖精の時代は終わりだ!
覚えておけ、俺よりも遥かに強い存在がいる。
――そして今こそ、お前は完全に死ぬ時だ!」




