もやもや
環境維持ロボの状態で長老に会えれば何か出来ることがあるかもしれない。
とはいえ、ラテーシア家にだって魔力の強い者はいる。
彼らに治せない病ならキョウの出る幕はない。
とにかく、この環境維持ロボの状態で、長老に一目会いたいと思っていた。
長老はいるだろうか?
それにしても――。
キョウは不思議な気持ちで花壇を見ていた。
そこはさっき夢で見たお花畑だったのだ。
やはり、さっきのは夢じゃなかった?
だが、髪が戻ったことの説明がつかない。
花畑を見ていると、どうも、うずうずするようなもやもやした気分になる。
花畑の部分から何かの力を感じる。
誰かが呼んだのか、地の底から何か力や意志のようなものを感じる。
――なんだ?これ?
キョウは目をぱちくりさせ、それらを凝視しようとするが視えるものでもないようだ。
この前裂けてた結界のようでもあるが、こんな場所に結界はない。
その日は、もやもやしたものを感じながら帰るキョウだった。
* * *
次の日――
砂漠のど真ん中で、魔法陣を描く女が一人。
暑いの中、黙々と魔法陣を描いている。
彼女の額からつうと汗が流れ落ちる。
ふと、それを彼女は手で押さえた。
化粧が崩れないか心配だった。
顔は厚化粧、指には長い付け爪、長い引きずるような衣装。
そう、まさに彼女のいで立ちは魔女だ。
名前はエニモス・マーシュ。
魔女と称される一族の末裔だった。
ふうと息を吐くと、エニモスはまた自慢の魔法の杖で砂の上に魔法陣を描く。
ここに泉を湧かせるため、集中しせっせと魔法陣を描くのだった――。
*
「まだか」
それを見やり、苛立たし気につぶやいたのは長老だった。
ラテーシアの屋敷に幽閉されているはずの長老は極秘に脱出し、ルウの地の外で水脈を開くため躍起になっていた。
長老は、エニモスから少し離れた所、屋根付きのテントの日陰から彼女の様子を見ていた。




