31.にゃんにゃんおいで
「ふわぁ」
大きく口を開けて、あくびする。あれから寝過ぎて1時間も寝てしまった。
カカオ君は小屋の床に転がされていたので、体を起こして回りを見渡す。
隣には乾いて山になっていた洋服があった。あのウィルの風で乾いたのか。乾燥機か何かな?
俺は自分の分を引っ張り出して、今着ているものと交換した。ウィルの風のせいか、ひんやりと冷たい。それでも汚れや生臭さも消えていた。
他の洋服も新品同様とまでいかにしても、始めに見たときよりマシになっていた。この世界には、洗濯機は必要無いんだなと一人で関心する。
洋服の山を畳んで、分類事に順番に置いていく。分類はサイズでは無く、種類別にしている。ついでに、先生やシンディさんが着れそうなものも分けておく。大きい上着はストレージにしまってあるベルトで絞めればスカートみたいになるし、ズボン系はウェストと裾に紐が付いているもの辺りが着られるだろう。
こんなに考えても俺のセンスは壊滅しているから格好良くはないだろうと断言できる。友人がそっと目を反らして、お世辞を言うくらいだからな。あのときは、本当に恥ずかしくて居たたまれなかった。笑われたなら怒れるところだが、お世辞を言われて棒読みの感謝の言葉しか言えなかった。
先生やシンディさんにも同じことやられると、多分物凄く傷つく。落ち込んで、これが出来なくなってしまう。それは流石に避けたい。
全て片付け終わり、いらない洋服をストレージに突っ込み、先生達の着替えはテーブルの上に置いておく。
体を伸ばして、気合いを入れる。
「出来ることも確認しなきゃな」
せっかく、エリマキをテイムしたんだから試さないとね!他のゲームであれば、コマンドとかで選択も出来るんだけどっと。
「取り合えず、呼べば来るかな?···エリマキ、おいで?」
数分待ったが出てこない。んー、どうすんだろ?
「おーい、おいで、おーい、エリマキ!」
何回か呼んでみたが、それでもダメだった。召喚の呪文とか?
「我、汝を呼ぶものなり。来たれ、我が従僕者、エリマキ!」
は、恥ずかしぃぃぃ。こんな思いしたんだから頼む来てくれぇぇぇええ!俺は厨二をとっくの前に卒業したんだ!····とは、言ってもここんとこぶり返してる気が····。いや、そんなことはどうでもいい!とにかく来てくれ、エリマキ!
でも、来ない。しょうがない、次!
「おいで~おいで~エリマキちゃん~」
歌ってみた。ついでにターンも決めて、ポーズ付きだ!ハハハッ、どうだ、喉元過ぎればなんとやらだ。
これも無理だったがな。
「···もしかしてまだ呼べない?」
テイマーのレベルが足りないとか、愛情度が足りないとかなのか。あり得そうだ。
そうなると、エリマキが来たときに餌付けして貯めないと。スキルの餌付けもあるし、上がりやすいだろう。これ、テイムした意味。とかなんとか文句言いたいが、グッとこらえる。ここで耐えれば、きっと極楽浄土がある!
「じゃあ、あの宝石はストレージに入れておいた方が良いのか?」
ネコババってちょっと気が引けるが、既に使ってるし一回も二回も同じことだろ。
木箱の上に登り、宝石を選ぶ。エリマキは黄色い物しか食べていなかったので、黄色だけを拾いながら考える。これってエリマキにとってはおいしいんだろうか。魔物にとっては宝石が餌?となると、職種の魔物使いは金持ちがなるものなんだろうか。それとも、もっと簡単に手に入れられるのか?
「洞窟とか鉱山とか探索した方がいい?」
取り合えず、街に行って必要なものを用意して、先生もいるし特攻?待て待て待て。先生が助けてくれるとは限らない。今のところ先生は俺の側にいられるが、ずっととは限らない。先生がいらないって言ったらそれまでだし。それにシンディさんもいるし、置いていけないよな。俺より強いとかそういうのは置いておいて、女の子を一人にするというのは違うと思う。
「あー、後で考えよう」




