19.世界で一番美しい人
世界で一番美しい人はどんな姿をしてると思うか。それは人それぞれだろう。だが、俺はこんなに美しい人を見たことがないと思った。
金色よりの薄い白色の髪。先生のように真っ白というわけでもない。緩い巻き髪で、フワフワしている。新緑を彷彿とさせる緑色の瞳。少しだけ土で汚れていたが、それさえも肌の美しさを引き立たさせる。
「目を覚ましましたのね」
DWMに入って見たものがこの美少女だ。しかも膝枕されてる。誰か、俺の混乱を理解してくれ。
素早く頭を持ち上げて、美少女から距離を取る。驚いたのか、綺麗な目をまん丸にしている。それ、目が落ちそうだからやめてくれ。
うっす汚い部屋のうっす汚い長ベンチに座っている美少女。元々はきらびやかだっただろうその服は、ところどころ千切れ茶色く汚れていた。
「助けてくださって、ありがとうございます」
彼女は目を伏せながら、微笑む。って助けたって何?···もしかして、あれか、この子はスキル使ったときに感じた子供か!で、先生が助けたいう訳か。先生、人助けしてたの?なんか、魔王計画とか立ててスイマセンデシタ。
「あなた方のおかげで、私は大事には至りませんでした」
「そ、そうですか。それは良かったです」
目を反らしながら、答える。大の大人がみっともないだって?仕方がないだろ!目の前にいるのは美・少・女なんだぞ!美少女!この俺が人に対して、めっちゃ綺麗とかいっちゃうくらい美人さんなんだぞ。しどろもどろになるに決まってんだろ!
美少女はすくっと立ち上がると、スカートをつまみ、屈伸するように挨拶する。意外にも俺より背が高い。ちょっと傷ついた。
「はじめまして、私の名前はシンシア・エアレブルと申します。シンディとお呼びください」
「俺はカカオです。冒険者をしています」
「では、あの方も?」
「あの方?」
「貴方にそっくりな····」
あ、先生のことか。なんて答えたら良いんだろうか。先生です、なんていったらおかしいよな。先生は魔物だ。人のNPC自体、魔物に友好的かどうかなんてわからないし。いや、ギルドの掲示板にも討伐依頼書もたくさん貼ってあったから、敵対的なんだろう。魔物よりは人にしておいた方が今後、活動するには有利な気がする。兄弟?いや、双子にしとくか。顔似てるし。だけど、俺が兄だけどな。だって、俺の方が長く生きてるもん。そこは俺の意地だ。弱いくせにとか、僕の癖にとか言うな!
「俺の双子の弟です」
「弟さんだったですか。では、彼にもちゃんとお礼を言っとかないといけませんね。····弟さん、貴方をここに寝かせて、どこかへ行ってしまったんです」
「そのうち戻って来ますから、気にしなくても大丈夫ですから」
適当に嘘ついたが、これで大丈夫か?
「それで弟さんの名前も教えてくださりますか?」
「あ、っと、それは···」
なんて答えればいいんだ?ステータスでも主人の名前は先生表記だしなぁ。
人型スライム、スライムのボス、白髪、激強、主人、先生、湖、百合、ツル。トライム、イムス、はく、つよし、シュージン、セセイ、うみ、ゆりつる。関連したものを適当に繋げてみて一番しっくりきた名前を呼んでみた。
「ユーリール···です」
うん、それっぽい。何となく名前っぽい。百合とツルを足しだけなのに。勝手なことしてるけど、先生に怒られるかな?




