10.ボスは青色
休憩を挟みつつ、監視役のスライムをポコポコしながら、うろから見える景色を堪能している。落ち着いて観察すると、結構綺麗な場所なんだよ。
水面が木漏れ日で反射していたりとか、木々に巻き付く蔓とユリのような花とか、そよ風で揺らめく草原とか、そこで跳ねてる色とりどりのスライムとか。なんか、幻想的って感じがする。
湖に突っ込まれた癖に体は濡れていないので、土が泥になって引っ付くことはないし、時々土ぼこりが舞っている以外は、心地好い環境だ。昼寝したくなってくる。ゲームの中だと、時間が勿体無いし、昼休憩の時にでも昼寝しよ。
うろに近づく青色のスライムに気づく。緑色のスライムは青色のスライムにスッと道を譲った。俺もポコポコしていた手を止める。あ、もしかして、こいつがスライム達のボスなのかな?なんかそんな感じがする。
青色のスライムが俺の目の前で止まると、グッとへこんだ。そして、ぷるぷるしている。え、もしかしてこいつ、力を貯めてる?ちょっと待て!ここは逃げる場所はないんだって!
俺は左右を見渡すが、やっぱりうろの中は狭く、避ける場所もない。
バチーン
青色のスライムが飛んだ。反動をつけたおかげで凄いスピードで顔面に当たる。俺はその衝撃に耐えられず、後ろの壁にぶつかった。
「うがっ」
また、瀕死状態に陥った。これ、パターンか。なれてきたぞ。案の定、口の中に草を突っ込まれ、立ち去る青色のスライム。
慣れてきたのは慣れてきたが、泣いても良い?スライムに弄ばれる俺って、いったい何なの?
青色のスライムは、外で跳び跳ねている。威力は俺を攻撃した時よりも強い。青色のスライムはもしかして、俺が死なないように手加減でもしてくれていたのか?そう考えると、凄くカッコいいような気がする。スライムなのに!····先輩、いや先生って呼ばせてもらいます!
先生はどのスライムにも一目置かれているらしく、何かしら譲渡されている。草だったり、虫だったり、ゴミだったり、色とりどりのスライムが持ってきた物を渡されている。ピトッとくっついてスイーッと中のものが動く様は見ていて飽きない。
物をもらった先生はポヨンポヨンとしながら、木の上に持っていく。そこに先生の家があるのか?うろの中からでは確認できなかった。
数分すると先生は軽々と木から降り、また物を渡され、木にのぼるという事を繰り返していた。
ピコンっ
スキルが生えた音が聞こえたので、ステータスを開く。
スキル取得可能欄に増えたのは、《観察》だった。先生を観察してたからか?
《観察》の取得条件は、一定時間、生物や植物等を見つめ、生態系の一部を確認する。なるほどな。俺がこうして、じっとしているのにも意味があるわけか。本当にDWMって細かいところまで設定してあるよな。ここまで来るとゲームのあらを探したくなるぜ。
てか、取得可能なスキルがどんどん増えていくのに、レベルアップしない。Lv.2がこんなに遠い事ってあるだろうか?いや、無い。····はずなんだ。俺がおかしいだけで、カカオ君がぽんこつ過ぎるだけで。
はぁ、他の人ってどうなってんのかな。2日目だからLv.10までいってんのかな。それともLv.20とか?攻略組とかは、いってそうだよな。Lv.20とか想像つかないんだけど····。えっまじでどんなんだ?もしかして、未だにLv.1は俺だけだったりして。
魔物だって、未だにスライムしか見たこと無いし、他にどんな魔物がいるんだろうか。ドラゴンとかいるのかな。もしかしてそのうちテイムできたりして。まぁ、今のままじゃ、夢のまた夢のままなんだけど。まずは、モフモフだ。早くモフモフをテイムしたいぜ!
あーっと、そろそろお昼だ。今日はなに食べようかな。お茶漬けでいいや。さらっと食べてきて、部屋でゴロゴロしよう。




