32/32
灯宮義流って人が死んだ話 (灯宮義流、2009/05/01)
https://ncode.syosetu.com/n7904g/
○あらすじ
いつか人は死ぬ。生前葬っぽくしようとして「あれ、生前葬ってどうやるんだっけ。と悩んでいるうちに、彼は死んでしまったのかもしれない。
○感想
陶淵明の自祭文というべきものだ。いや、これほどまでに自分で自分を弔う文章というコンセプトが共通した作品はない。軽い感じの文章に、どことなく俯瞰した見方と自嘲がある。
この事実とも虚構ともつかない雰囲気、夢の中での空想にも似た感じがある。夢を見ている間はそれが本当のことだと思い込んでいるのに、現実に目覚めたあとではなぜあれを現実と思い込んでいたのだろう……というあきれ。
こういう風にただ流れていくだけの月日にどうやって終止符を打ちたいか、生きて行けば必ず何かしら考えることがあるはずだ。死はいつ来るか分からないし、自分が望む感じに死ねるとも限らないので、こういう感じに死を手のひらに載せて自分の物としていたい気持ちも分からないではない。でもやはり、創作者としては最後まで創作と共にいられて逝けるのはある意味幸せなんだろう。それに苦しみながら生きているというわけではないのならだよ。明確なオチのない話だが、だからこそとりとめのなさが時代の古さのおかげで懐かしく感じられるのだ。




