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赤の空  作者: 岩
旅の道連れ
9/53

7.

 とりあえず、次の町まではそのまま進むことに決めた。


 けれどマナファナは、ソノリアにそう告げたわけではなかった。これはマナファナの旅で、ソノリアは勝手についてきているだけなのだ。邪魔に思うのはやめたけれど、かといって大歓迎しているわけではない。マナファナはひとりでいい、と思っていたし、それは概ねその通りだった。それがわかっているからか、ほかの理由からか、ソノリアも特になにも言わない。


 荒野だった。見果たす限り赤茶けた地面で、遠くにかすかに黒っぽくへばりついて見えるのが、次の町だった。振り返っても同じように、後にした町が遠くにかすんでいた。


「僕ら以外誰もいない、みたいだね」


 ふと思いついたように、ソノリアが言った。どうでもよさそうだった。


「‥‥町の外はどこもこんなもんだろう」


 マナファナも、どうでもよさそうに答えた。


「人間が町に閉じこもっているのは分かるけどさ、ほかの生き物とかってどうしているんだろうね?」


 一面の荒野だった。草の一本も風に吹かれない、ただ土だけの。風は吹くし雨も降る、けれど萌え出ずるものはない、荒野しかなかった。


「‥‥世界の怒りに触れたんだと」


 脚だけは目的地に向かって動いている。ぽつりとマナファナは呟いた。


「え?」


「世界の気に障ったんだとさ、人間が。それでこの空が始まったんだと、聞いた。

 それならほかの全ては、人間の巻き添えを喰らったんだろうさ」


 そして空を仰いだ。赤い空、気が滅入る、血の色の空。


「誰も空の下に生きているんだから」


 動く者のない世界。夕焼け色の昼間、ただ歩いていく。

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