7.
とりあえず、次の町まではそのまま進むことに決めた。
けれどマナファナは、ソノリアにそう告げたわけではなかった。これはマナファナの旅で、ソノリアは勝手についてきているだけなのだ。邪魔に思うのはやめたけれど、かといって大歓迎しているわけではない。マナファナはひとりでいい、と思っていたし、それは概ねその通りだった。それがわかっているからか、ほかの理由からか、ソノリアも特になにも言わない。
荒野だった。見果たす限り赤茶けた地面で、遠くにかすかに黒っぽくへばりついて見えるのが、次の町だった。振り返っても同じように、後にした町が遠くにかすんでいた。
「僕ら以外誰もいない、みたいだね」
ふと思いついたように、ソノリアが言った。どうでもよさそうだった。
「‥‥町の外はどこもこんなもんだろう」
マナファナも、どうでもよさそうに答えた。
「人間が町に閉じこもっているのは分かるけどさ、ほかの生き物とかってどうしているんだろうね?」
一面の荒野だった。草の一本も風に吹かれない、ただ土だけの。風は吹くし雨も降る、けれど萌え出ずるものはない、荒野しかなかった。
「‥‥世界の怒りに触れたんだと」
脚だけは目的地に向かって動いている。ぽつりとマナファナは呟いた。
「え?」
「世界の気に障ったんだとさ、人間が。それでこの空が始まったんだと、聞いた。
それならほかの全ては、人間の巻き添えを喰らったんだろうさ」
そして空を仰いだ。赤い空、気が滅入る、血の色の空。
「誰も空の下に生きているんだから」
動く者のない世界。夕焼け色の昼間、ただ歩いていく。




