第21話 ~シュウの暇な日々~
ちょっと休憩
解放……と言う事になっている街中を軍列に混じって移動している。
「ほらシャキッとしろ半死人」
「その半死人を戦場に出したのは誰だよ」
なぜか皇帝の隣で……。輜重部隊の荷馬車の中じゃ駄目か?
「なぁ、エド」
「具合が悪くなったか?」
「聞いても良いか?」
「いいぞぉ。このエドword様に何でも聞きなさい」
皇帝は広い胸を反らす。
「夫婦ってなんだ?」
「スルーかよ」
「俺は彼女に相応しいかな」
「聞けよ」
「夫婦を見た事が無いから解らないんだ」
「ま――」
「本も矛盾した事ばかり書いていて役に立たないし」
「やっほー?」
「きちんと夫をこなせているのかな」
「っくしょい」
「おい、ちゃんと聞いてくれよ」
「貴様に言われたくない」
エドに無理やりこの位置につれて来られたがとにかく体がだるい。
「俺きちんと彼女に甘えられているかな」
「……」
だるいってもんじゃない。ダルダルだ。
「一緒に居ない俺は、駄目な夫かな?」
あ、タルタル食べたい。くるくる目が回るじゃないかぁぁぁ。
目的の政庁に着くと阿呆はぶっ倒れた。すまん。だが、貴様が用意したこの花道で、貴様が隣に居なくては意味が無いだろう?
「こいつの嫁にどんな目に遭わされるかな」
そこに考えが行きあたった時、膝ががくがくと震えた。恐怖を覚えながら南方のアヴァリス帝国本国への備えをヴェイド将軍に指示した。決戦に敗れたとはいえ未だにアヴァリスの勢力がある地域を攻略し、ネミス国内の掌握に向かう部隊の選抜と編成を行う。加えて、バードックへの備えを万全にするためにソン将軍との協議を行う。それらの合間にネミス国内の治安維持の為に警察、行政の順に予定の現地組織を立ち上げる。そして全体に齟齬が来たしていないか本国からの報告と指示、調整と急変した事態対処への事後報告をこなしていた。可能な限り戦死者の家族へ送る手紙を最優先に書いて。
「お~い! シュウ! 手伝ってくれ~!」
日給10フォリスの男が複数の理由から半泣きで責務と仕事をこなす中、名前を呼ばれた男は散歩をしていた。同行している法務官に対して、
「アルマさんの香り、ここまで届かないかな」
と春の心地いい東風を感じながらのろけていた。
「まったくです。私の妻の香りもここまで届かないでしょうか?」
その法務官も、一時の平和に頭のネジが外れたのか、のろけていた。腹が立つから万力か何かで絞めてやろうか。
バルト軍の軍服がちらほらと歩くなかで露店の間を抜けて行く。バルトからの安く豊富な物資が海上経由で流入し、街は活気づいていた。街の喧騒と人混みに酔ったシュウは法務官に声をかけ、裏路地を見て帰ろうとした。表路地ではなく、裏路地でこそ文化と暮らしを知る事が出来るからだ。裏路地の汚さは生活水準とそれに伴う道徳の低下を示す事が多い。
「大将! 金おくれよ」
そして予想通りにゴミが転がり、痩せた子供たちが者をねだる姿を見て、役人たちに降りそそぐであろう苦労の連続が思いやられた。
「社長さん社長さん何か恵んで」
その声を法務官と共に無視して通り過ぎると「ちぇ、この貧乏人が!」との声がした。バルト国の公僕どもが貧乏なのを、彼らはまだ御存じないのだろう。現在彼らの賃金は、上も下も最低賃金すれすれの時給制だ。時折出来高に応じてビミョーな臨時報酬にありつける。贈り物の受け渡しは例外なく認められないため、働かなければ……生き残れない。
「否定できませんな」
「まったくです」
さて、これは福祉部の仕事だが、ここの担当であファルトマンはいずこに? 多分表の方で宣伝やら説明のビラ配りやら何やらをしているのだろうが、街に彼らが入ってすでに6時間、バルトの水準からすれば遅い。十分に資金も人員も割けるはずだ。長期的に構えて現地の人員でも雇う気だろうか。道路建設と衛生部が人手不足だからあまり大々的にやらないで欲しいが……まぁ、エドもスタッフも優秀だから上手くやるだろう。
「旦那ぁ。奴隷はいかがですかぃ」
戻ったら軍の施設科にでも現地採用の取り決めに関して何か来ていないか聞いてみよう。施設科は現在“勤務時間ってなんだ?”状態で、一日24時間活動、勤務時間20時間で踏ん張っている最中だから暇な方だ。多分誰か知っているやつが居るだろう。「非公式なら許可は要りませんからな」「「はっはっは」」そんな事を法務官と話していた。
「旦那ぁ。奴隷はいかがですかぃ」
レポートとしてまとめるために二人で検討しつつ裏町の様子をメモし――
「おい聞けよ!」
「は?」「え?」
法務官も俺と同様の癖があるみたいで親近感が湧いた。
「てめぇ、軍服着てるからってなめんじゃねぇぞコラ!」
法務官は法服だが、親しみ易いようにと、地味で安くて頑丈な制服にしたので奴隷か何かと勘違いされたか? ベテランの彼の服は幾度もつぎはぎしているし。
いつの間にか10人程の蜥蜴男どもに囲まれていた。目つきと身ぶりと人数から察するに、押し売りだろう。ヒトに混じって差別を働いた者が多い有翼人種への、生き残りたちの報復だろうか? それとも単に彼らが“ヤ”のつく人というだけだろうか。
生存権と市民権が法制度上別物として扱われるバルト国では、奴隷も市民も皇帝も、一つの肩書として扱われている。奴隷は政治に参加できず、税を納めなくてもよい。私有財産に厳しい制限が設けられ、市民には有る各種権利が無い。翌年以降に税金を支払う事が必要だが、申請すればいつでも市民権を得られる。
以上の理由で奴隷にも各種の規定や申請が必要であり、意外と“ご主人様”をするのも面倒なのだ。妻には本当に迷惑をかけた。で、恐らく
「聞いてんのかこら? あん?」
その法律が施行される前に売り払おうという魂胆なのだろう。さて、面白くなってきた。下手に出てみようか。
「ど、奴隷は、間に合っていますぅ」
エドが聞いたらこう言うだろう。「ショタっ子の本領発揮だな」と。あいつ机の角に小指ぶつければ良いのに。
「痛って。俺も疲れてんな。ちょっと気晴らしに街に出てみ「陛下次の会ご」ああ。すぐに向かう」
俺の支給品の一張羅と杖をついて歩いているのを見て、与し易いと見たらしい。
「おい、ならこの女を買ってくれないかな。金貨十枚でどうだ? ん?」
“キッ”と睨みつけてくるその視線は実にドSそうな有翼人(様 by作者)だ。羽がフワフワそうだ。美人ではあるがまぁ、妻には及ばない。足かせと首輪が無くて笑っていればとても綺麗だろうに。まぁ、妻には及ばないだろうが。それにしても金額がぼったくりである。
「どうせお前の様なやつは女に相手にされない童貞なんだろう? この女は調教済みだし、もちろん生娘だ」
さて問題です。これまでの人種政策に関して不問に付す事を公表している以上、彼女が敗戦の混乱にまぎれて無理やり奴隷とされたとしても文句は言えません。どうしたら明らかに怯えている目の前の女性を救えるでしょうか。最速の回答はこちら。
「な、なら、これで勘弁して下さい」
ソリドス金貨6枚を差し出す。結構な額だ。
「まぁ良いだろう。アンタ賢いよ。良い買い物したな」
受け取った。よし。俺は杖を捨て、帰ろうとする交渉役の肩を鷲掴みにした。となりの法務官に聞く。
「法務官! 軍政下においての奴隷売買に対する罰則は?」
「軍政下において人身売買は禁止されております。罰点1で財産の没収とむち打ちです」
「よし。この取引において人身売買に必要な書類を作成しなかった。これは?」
「はい。罰点2で市民権取得の禁止と強制労働が科せられます」
彼らは固まっている。面白い。俺が政治基盤を構築していた頃、エドがお忍びで悪党退治に出ていたと言うが、その理由が解る気がした。もっとも、あいつは俺より上手く立ち回るだろうが。
「さて、合わせるとどうなる?」
「死刑です」
「そういう訳だ。着いてきて頂こう」
不良リザードマンたちがキレて俺達に襲いかかって来た。
「祈れぇ(何にだ?)、悪党どもぉ(お前がな)」
仕込み杖から抜き身の刃を引き抜き切り伏せ、やっとまた使えるようになった魔法で叩きのめしなぎ払う。久しぶりだが、殺しの訓練をしてきたものとしてこない者の差は歴然としていた。
「ははは。トカゲがゴミの様だ」
僅かな時間で叩きのめした蜥蜴どもの処理を後に任せ、俺は裁判にかけられた。エド曰く「あのど阿呆!」とのことだったが、まぁぼろくなるのは俺だけだから良いじゃないか。
そして俺は鞭で100回打たれた。
「ひと~つ」
ビシィッ――の音がトラウマになりそうです。背中から血を流してようやく解放された俺はエドに呼び出された。
「一旦帰って嫁に叱られてこい」
仰せに従って帰ろうとした所、「忘れものだ」と売買は取り消しになったはずの羽付き女の子が付いて来た。
「おい、商取引は無くなったんじゃ?」
「今作戦への報償だ。受け取れ」
「また嫁がキレ――」
「それも含めて叱られてこい!」
「ウィ」
何か風当たりがきつい気がした。それに久しぶりに嫁に会うのに気が重い。その原因は背中の開いたダボダボの服に身を包んで着いて来た。彼女が顔を真っ赤にしてもじもじと話す姿は中々に来るものがあるのだろう。俺には関係が無いが。
「助けてなんて言ってないんだけど?」
「申し訳ないけど、荷物運ぶのを手伝ってくれないですか?」
「……仕方ないわね」
彼女は慌てた様子で俺の荷物を奪い取った。いくつか落とした。ドジっ子か? ドジっ子なのか? 遂に作者もやる気を出したか? 新キャラだるい症候群が完治したか?
「何見てんのよ!」
「いででででっ」
ちょっ! 駄目ぇ! そこは駄目ぇ! 鞭打ちの傷が開いちゃうからぁ!
「ギャー」
「あ、ごめん」
彼女の落とした荷物を持ちながら本国へ移動す為のターミナルへと向かった。こうして一歩一歩地獄へと近づく俺。
「そういえば、君、名前は?」
「ルナ」
「ルナかぁ「気安く呼ぶな」よく似合ってると思う」
「へ? あ……そう」
馬車に荷物を放り込んで乗っかり、のこのこと音を立て家に向かう。『10日後に帰る予定だよ~』と手紙を出しておいたが、順調に帰れるだろうか。陸路だから大丈夫たと思うが。
「俺はシュウ。シュウ・トレヴィルだ。とにかく家に来てもらうよ」
「ふん。男ってやつは……汚らわしい!」
「ちがっ、ちょっ! 執事に住む所と仕事先を痛いっ見つけてもらっ止めてっうだけでっっ痛」
俺は着く前に死ぬかもしれません。聞きしに勝る翼人の凶暴さだ。
「ふん。変なことしたら殺すから」
「しま」
「はあ!? あたしに魅力が無いって言いたいの!」
まだ“しま”しか言って無いのに。何言っても地雷だよこの子。歳を聞かなくて良かった。
「じゃぁ、その魅力的な羽、触ってみていい?」
とたんに顔を真っ赤にするルナ(妻のおかげで女性慣れしてきた)を無視して触ってみた。この時俺は地雷を踏んだ事に気が付いていなかった。
「あっ」
「痛かったですか?」
「別に」
「とってもふわふわで、とっても柔らかいですね」
「うん」
あれ? おとなしくなった。これを利用して道中のあちこちで紛争を引き起こす彼女を静かにさせた。彼女のおかげで、ため込んでいたヘソクリが無くなった。困ったものである。家に着いてほっとしたのもつかの間、発情した顔の妻が待ち構えていた。
「シュウさん! おか――誰? その女?」
声のトーンが1オクターヴほど急降下し、さらに棘が生えた。裸エプロンで包丁を握りしめている。何だこの威圧感は? いやボケてる場合じゃないな。それに後ろにいるルナも道中より声が低い。
「ねぇシュウ、何? この変態女?」
とにかく嫁さんに説明をしよう。
「アルマさん、あの、こちらルナ。遠征先で知り合った人で、こっちで仕事でも手伝ってもらおうと思って」
「仕事なら私が手伝います」
声が低い。逃げたい。逃げちゃだめだ。逃げ――。
「これからは有翼人の言葉と文化を知る事も必要で――」
「国の通訳に任せればいいじゃないですか」
妻の笑顔に別の何かが宿っている。
「彼らの言葉を話せる人間は少ないから、彼女に直接居てもらった方がいいんだ。そう言えばメイドの――」
「ジョセフさんと一緒にフィアの所に行っていただきました。お金に余裕は無いですから。また二人きりですよね?」
うふふ。と笑う妻に怯える俺。お、お、追い出された!?
「だからシュウ、この女、何?」
「妻です」
「あ。2号ちゃんね」
「違――」
俺の言葉を遮り妻が話しだした。
「あなたにもすぐにいい仕事と住む場所を紹介してあげますね」
「仕事に必――」
今度はルナが話しだした。
「ふん。“さん”付けされてることに気が付かないのかしら。胸のでかい淫乱エルフは違うわね」
「ちょっ――」
抗議しようとしたが、妻に脇へと突き飛ばされた。むぅ。んなあんてモノじゃない痛いっ。床で悶絶する俺。その間も攻防は続いた。
「まぁ彼には私が居ないと駄目ですから。あんたみたいな女の出る幕はありません」
「ふん。それにしては彼と(自主規制)してないんじゃない? 彼、相当溜まっているみたいじゃない」
「遠征のせいです。そんな事も解らないんですね」
「まぁ200歳以上のオバサンエルフじゃ仕方ないか。ヒトとエルフだと勝手にエルフだけ気持ち良くなるらしいからね」
「ぐっ」
「それに、彼、私の羽を触ったのよ。私、もうシュウと結婚するしかないわ。安心して。私達の邪魔をしなければ、別館を建てて底に住まわせてあげる」
喧嘩売る気満々だよ~。止めて~。暖かい季節は妻がむやみに好戦的になるんだから~。「むぎゅっ」ふ、二人に踏まれた。一歩踏み出した片足が背中の上に乗っている。傷が開くじゃないですか。
「何ですか? そのごわごわの羽でシュウさんをたぶらかしたんですね。シュウさん、今助けますから」
「胸がでかいだけの下げマンに言われたくないね。胸と一緒にさっさと引っ込みなよオ・バ・サン」
妻のこんな姿を見たくなかった。背中の痛みと心痛で泣いた。
「誰か……助けて……」
誰も助けてはくれなかった。一通りの戦火が交えられた。二人とも泣くに至ってなんとか再起を果たした俺に、アルマさんからこれまでの諸々を含めた怒りが降りそそいだ。
「もう嫌です! 耐えられません! どうしていつもこうないんですか!? どうして誰にでも優しくするんですか!? どうして私を必要としてくれないんですか!? 私と一緒は嫌ですか? 私じゃ嫌なんですね! もう良いです! 出てって下さい。知らない女とどこにでも行けばいいじゃないですか。早く出てって! 出てけぇ」
家から叩きだされました。
「これからどうするの?」
「謝る」
いくら呼んでも出て来てくれない。「アルマさ~ん」「ごめんなさ~い」「開けて下さ~い」開かない。「アルマさんだけですから~」開かない。「アルマさ~ん」
後ろから聞き覚えのある声がした。
「何やってんの?」
「フィリッポスさん……実は……」
一通り話した所、彼女から大変なお叱りを受けました。
「あのねぇ、羽って……胸揉んでるのと一緒だよ。(中略)どうせ玄関のカギは開いているだろうから、家に入って土下座してきな」
行ってみた。開いてなかった。
「……開いてませんでした」
「あらら。……今回は相っ当に起こってるらしいね。まあとりあえず家に来なよ。そっちの子も何とかしないと。だろ?」
「お願いします」「ふん。厄介なん(もがもが)」
彼女の口を塞いだ。フィリッポス女史を怒らせると後に待ち受けるのは前人未到の恐怖だ。それから3日間、太陽の出ている間、家の玄関前で土下座した。通りすがりの人や周りの人は“自業自得”だと言って笑っていた。3日目にエドから急な呼び出しがかかった。前線に逆戻りだ。傷が治らない。
4日目からシュウさんが来なくなった。何かあったんじゃないかと心配で心配で心配で心配で――
「そんなに心配なら早く許してやんなよ。旦那も体弱いんだから」
家のシュウさんがお世話になったフィリッポスさんはそう言いました。
「あの、家の人は……」
「そんな情けない顔しないで。陛下に呼ばれて前線に戻っただけだからさ」
頭を軽く叩かれて、「とりあえず入んな」と中に招き入れられました。白い丸テーブルとセットになった、綺麗な椅子がありました。家じゃこんな良い椅子を手に入れるのは無理です。まぁ、足の悪いシュウさんはこの椅子じゃ駄目で、家じゃ使えませんから、うらやましくないですけど。建物全体も、華麗さはこの屋敷の主人に相応しい物ですが、シュウさんは暮らしにくそうです。こんな所に居たんだ……。
「シュウが暮らしにくそうだって考えてるだろ?」
「いえ、その、別に」
席に着くとシュウさんの嫌いなコーヒーが出されました。
「あのヘタレの――馬鹿にする気は無かったんだすまない――事を許してやれとは言わないけどさ。理解してやんなよ。あのへなちょこ――今のははずみで、ごめんなさい――理解してやれるのはアンタ位のもんだからさ」
「わかってます」
「あいつに悪気は無いんだ。アンタもその辺は分かってんだろう。ただ女難の相が出てるだけだって事ぐらい」
「はい」
「寝言でアンタの名前ず~っと言ってたんだから。熱が出てんのに」
「え?」
「ん? エルフが気付かなかったとは言わせないよ。背中の傷が化膿していたじゃないか――連れてきた女がずっと看病してたけどね、ありゃぁ嫁患いだよ」
「私のせいだって言うんですか」
「ああ。家庭を顧みない唯の善人。そんな事、とっくに知ってたんだろ。たまには爆発するのも良いけどね。長引かせたら駄目じゃないか。あの手の男はさ、こんなご時世だし、死にかねない」
「シュウさんは大丈夫です。必ず私の所に帰って来てくれます」
「たいした自信じゃないか。血のつながった家族も居ない、住んでた所ももう無くなった。その上帰る場所から拒絶されたんだ。死ぬよ。アレは」
自分でも血の気が引いて行くのが感じられました。私、自分で帰る場所になるって言っておきながら、彼を。
「そういや、あの男、忘れ物をしていたね。お茶とか言ってたけど、アンタ、これ、届けるかい?」
シュウさんの忘れものを受け取ると知り合いで馬を持っている人の所へ向かいました。
「行ってきます」
「感謝の言葉ぐらい言っても良いだろ~? お礼のお土産忘れんなよ~?」
シュウさんシュウさんシュウさんシュウさんシュウさんシュウさん……。
「ま、嘘も方便ってやつかねぇ」
決戦戦略から総力戦に切り替わる時の話です




