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光を感じたが、何も見えなかった。



目を閉じまま、光源を見ているよう感覚だ。



そんな中、ネモの声が聞こえた。



(……感謝しろよ)



「……何の話だ?」



(誰のおかげであの場から抜け出せだと思ってんだ)



「……まさか、あれは……」



(そう、俺がやった)



それを聞いて、単純で尚且つ静かな怒りが浮かんできた。



「……余計な事を……」



(何?)



「何でそんなことした?俺を助けるためか?悪いが、ありがた迷惑だ」




ネモは言葉に詰まったが、すぐ怒った声が返った。



(馬鹿野郎!お前、あのままいたら……)



「時田にガチで喧嘩売ってたからな。ボッコボコかもな。だけど、それがどうした」




ネモが黙ったままなので、僕は彼の姿を探しながら続けた。




「少なくとも、こんな逃げ道使うよか「何か」を変えられるだろ?」



(……分かったよ!!)



彼が不機嫌に言った。



(俺が悪かった。後は勝手にやれ。ただし……)



何も見えないはずの世界が急速に回転し始める。



同時に、ネモの声が脅すような雰囲気を帯びた。



(この先、お前の身に何が起ころうと、俺は見てるだけだ。それで良いんだな?)



「良いも糞も、それがお前の仕事なんじゃないのか?」




彼は答えなかった。



そして、回転していた世界がぐっと上昇していった。



……いや、僕が落ちているだけかもしれない。



それは何の前触れもなく、闇に変わった。



僕は見ることを諦めた。







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