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逃げすぎた魔法使い  作者: ぱんどーる


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小さくした柱を30本の他に、砂、砂利、石などをアイテムbagに詰め、転移、飛行、身体強化が使えるエミリア、アル、ギャッツ、ミッシュが行く事になった。


俺ももちろん行きたかった。エミリアと離れたくない。だが、ぺぺロールの名を持つ者が1人はこの屋敷に残った方がいいと言われ、しぶしぶ留守番になった。


エミリアもぺぺが行かないなら行かないと言って駄々をこねたことがめっちゃ嬉しかった。


ギン、アン、ロペスも行きたいと言っていたが、俺よりも簡単に却下されていた。


ギャッツの頭に録画機能があるカメラをセットしてある。


「なぜ俺の頭にセットされたかはわからんが、しっかりと撮ってくるから待ってろよ」


「ああ。 皆も気をつけてな」


「ああ」 

「はい」

「・・・・・・・・ん」


エミリアがこっちに歩いてこようとしたが、ギャッツに襟首を掴まれる。


「ぐぇ」

「ダメだ。 2、3日くらい我慢しろ、エミリア」


はは。 エミリアが俺と同じ気持ちで嬉しい。俺がエミリアの所まで走ってエミリアを抱きしめて、キスをする。だが、ほんのちょっとしか唇が触れなかった。なぜならギャッツによってエミリアと引き離されたからだ。キスくらいいいだろう?

ケチな奴め。


「まったく、お前達はいつまで新婚みたいな事をやってるんだ。 アル、とっとと行こうぜ」


皆にクスクスと笑われる。


「はは、だね。 父さん、母さんの事は任せて」


「ああ。 頼んだぞ。 エミリアも皆の話をちゃんと聞けよ?」


「・・・・・ん。 すぐ終わらせてくる」


4人が飛んで行く。 あっという間に見えなくなってしまった。 全員が無事に帰って来られますように。


見送った俺達のうち、ギンとアンが街に買い物に行くと出かけた。馬車はアルが予め設定してくれていたらしい。最悪何かあってもここに転移する石を渡してあるそうだ。そこまでやってくれてるなら心配はいらないかもな。オーンの王都を楽しんでくれ。


俺とロペスはマリナの様子を見に行く事にした。


「よう、義妹よ」

「頑張ってるか?」


ずっと頑張っていたと思われるマリナは、かなりげっそりしていた。


「マリナ、顔色が悪すぎだ。 休憩しよう」

「・・・まだまだやることがある」


そんな状態じゃ、頭に入らないだろうに。ロペスがずんずんと部屋の中を進み、マリナを荷物を担ぐようにひょいっと持ち上げた。


「わぁ!」

「もういい。俺と話をしよう、義妹よ。 ユリウス、茶と菓子を用意してくれ」

「ああ。行こう」


俺達はリビングに移動した。


「俺が通訳できるし、マティアスだって公爵家の者だったんだから、大陸内の言葉はある程度教育されているはずだ。 ムリをするなよ」


「・・・アタシは前世で完璧な大魔女だったんだ。今世は生まれは選べず平民だが、アイツをガッカリさせたくない」


「ヒュー、可愛いこと言うねぇ。 んじゃ、今から俺は故郷ラッペンの言葉で話す。 実践が1番早く身につくからな。 いいな?」


「・・・わかった」


『ーーー?ーーー。ーーーー』

『ーーーー。ーーーー』


茶と菓子の準備を終えて、2人に出すと言葉が聞き取れない。ロペスの国の言葉か? 話せてるじゃないか、マリナ。

なら、理解ができない俺は最新式の翻訳機を使ってみるか。


「この国から出て、新しく国を造る。 今、ユリウスの嫁と息子とギャッツ、それからこの国のキノコ頭の王族が現地に行って土台を造ってる」


「は? この国はぺぺロール家が見限るまで落ちぶれたのか? アタシが死ぬ前の陛下は話せば分かる奴だったのに」


この翻訳機はすごいな。 長い会話も訳せるし、どんどん会話が進むのに、これを使う側のペースに合わせてくれている感じだ。 マイロンにあったデカい箱とは大違いだな。どんな原理なんだ? ま、説明されてもちんぷんかんぷんだろうから、聞く気もないが。


「アイツ・・・マ、マティアスはロペスに似てるのか?」


「最後に顔を見たのは、5、6歳の時だったからまだまだガキだったが顔だけなら似てると思うぞ。 うちは皆、父方似で生まれてくるらしいからな。どうだ?この顔はお気に召すか?」


身を乗り出し、顔をマリナの目の前に近づけるロペス。


「ち、近いっ! 離れてくれ。別に顔はどうでもいい。 同じ時代に生きててくれたことがアタシは嬉しい」


「なんかお前、可愛いな。 男が近づいただけで顔を真っ赤にしちゃって。がはは、マティアスじゃなくて俺の嫁になれ」


「なるわけない。 アタシにはマティアスだけだ」


「よそに目を向けない一途さもいいな。 俺なら身分も気にせずだぞ?」


「・・・身分か」


「そうだ。 俺となら関係ないし、マティアスはお前の弟になるぞ?」


「・・・弟。 他に道はないのか? 平民と貴族じゃ、やはりムリなのか? でもアタシは最後まであがきたい。 うぐっ、アイツと今度こそ一緒に生きたいんだ・・・」


「な、泣くな。 悪かった。 冗談だ。 今、どうにかしようと皆が動いてるところだ。 俺だってもちろん協力する」


「・・・わかった。 ありがとう」



「マリアーヌ!!」


「「「 !? 」」」


びっくりした・・・。 翻訳機は2人の会話が少し遅れて聞こえてくる。ちょっと面白い展開の所だったのにと、会話に夢中になってたら、乱入者が現れた。


「これ、マティアス殿! 人様の家に勝手に入ってはダメだ」


ん? 聞いた事のある声がする方へ顔を向けると、陛下と王妃様が困ったように眉を下げながら、笑顔で手を振っている。その表情、器用すぎるだろ。


だが、突然すぎるだろー!! 護衛はどうした!?


ギン、観光は終わりにして早く帰って来い!


あーっ! ダメだ、マティアス! マリナから離れろ! がっつきすぎだ!


心の声が全て出ている事も知らずに、それが翻訳機で翻訳されてる事も聞こえず、1人でてんやわんやするペぺだった。

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