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俺とミッシュ、産婆さんが色々と買ってから帰って来ても、ギャッツとロペスはまだ帰ってなかった。どんだけ買ってくるつもりだ?
ミッシュと産婆さんは、また魔法人形に教えに行った。
ギンとアンは何やら色々とポーズを決めて、はしゃいでいる。 遊んでるのか?
「2人は、写真機でお互いを撮ってる。 絵と違ってそのままを写してくれる物だ」
そう言って、1枚見せてくれた。 本当にそのままが写っていて驚いた。
「へぇ、凄いな。 とうとうギャッツ画伯の出番はなくなったのか。ここら辺にある物は全部、ギンとアンにお披露目でもしたのか?」
「ああ。 2人のペースに乗せられてしまったよ。はは」
そこには、時間を設定したら教えてくれる時計。水晶より高度な通信バッジ。髪の毛を乾かす物。夏場に活躍しそうな冷房機、冬場に薪を暖炉に入れなくても暖かい暖房機など様々な物で溢れかえっていた。
「これらはこの国で普及しているのか?」
「ああ。 金がある高位貴族はほぼ持ってるかもな。 私は町で暮らす平民に機能が落ちても安価な物を提供しようとしたが、そういう物は低位貴族が市民から巻き上げてしまってる状態だ」
「・・・そうか。 ひどいな。 俺が爵位をもらった時の陛下は、納税にうるさかったが、まだ考えはまともだったのにな。 マティアスがこの国の今を知ったら嘆くだろうな」
「・・・そうかもな」
「あ、そういえばマリナを見ないな」
「くく。 陛下がここに来ると知って、必死に勉強中だ」
そうか。 健気だな。頑張れマリナ。応援してるぞ。
そんな話をしてると、淡く光ってギャッツとロペスが帰ってきた。
「ふぅ。ただいま」
「おかえり。 ありがとう」
ギャッツは疲れてそうだが、ロペスは元気いっぱいだ。
「ユリウス、聞いてくれよ! このライト凄いんだぜ。見てくれ」
「ちょ、ちょっと待て! ロペス! 家をこの場に出すなよ? ここが壊れるからな!? わかったな?」
ギャッツが慌ててロペスを説得している。
「あー、 そうだな。 んじゃ、ここに置いてある物でやるから、ユリウス見てろ。 がはは」
大興奮のロペスはなんと、手に酒ビンではなく、ライトを持っている。酒ビンを手放せるくらい驚いたんだな?
ギンとアンに乗せられて、お披露目された様々な物に向かって、ロペスがライトの光ををあてる。
すると、物がドンドンと小さくなっていった。
「すごいな!!」
ギンとアンもこちらにやって来た。
ごちゃごちゃしてたのに全てが手のひらサイズになった。
「どうだ? すごいだろ? 家はもっと時間がかかったが、手のひらサイズにしてこのbagの中に入ってる。またライトの光をあてれば元の大きさになるんだぜ。どうだ驚いたか? がーっはっはー」
自分が作ったかのように自慢するロペス。
アルは苦笑している。
「本当にすごいな! 荷物も纏められて助かるな」
ギンが使わせてくれとロペスに言ってるが、ロペスは手を高く上げ、渡さないでいる。 ギンはふてくされている。
はは。子供かよ、2人とも。
そこへ、「ぐー、ぐー」と鳴きながらあのクソ竜がやって来た。 姿を見ないから、くたばってると思ってたのに生きてたのか。ちっ。
俺の頭に1度、両足をぴょんと乗せてからアルの前に着地した。毎度バカにしやがってクソ竜め。 いつか丸焼きにして食ってやるからな。
俺の心を読んだのか、ビビッてアルの後ろに隠れたクソ竜。そんなアドからアルは額についていた物を外した。
「お疲れさん、アド」
「ぐー」
「小屋にごちそうを用意してあるからな」
「ぐぐー」
ぷりぷりとケツを振りながら、短い足で歩いて行くクソ竜。
「それは何だ?」
「新しく作る国の周辺をアドに撮影してもらった」
アルがテキパキと用意したスクリーンに映像が流れる。
この家から飛びたったアドは、スピードをぐんぐん上げて飛行し、目的地に着くとアドが「ぐー、ぐー」と鳴いてから、ゆっくりと円をかくように1周した。その後は海に潜るアド。そこでもぐるりと1周していた。
「うん、ここで問題なさそうだな」
皆はポカンとしている。 もちろん俺もだ。
「ん? 皆は反対かい?」
アルがここが1番だと思うんだけどな。他も探してみるか・・・とブツブツ言っている。
「いや、違うぞアル。 ただ驚いてるだけだ。反対してないからな」
皆も目を丸くして、うんうん頷いている。
「良かった」
ホッとしているアル。
全くこの息子は当たり前のように何でもやるからびっくりだ。
「後は、母さんが調子が良い時に、2人で柱をぶち込んで、更地を設置したら、いつでも住めるな」
「じゃ、俺はエミリアに話してくる。産婆さんもまだいるだろうから、動いて大丈夫か話を聞いてみるか」
さっきまで俺らと一緒にめちゃくちゃ驚いていたぺぺは、もうアルウィン殿の凄さを理解して、納得し、平然と部屋から出て行った。
俺とアンとロペス船長は、まだ呆然として、口をあんぐりとあけたまま、動けなかった。
ここの家族は、やること全てが想像の遙か上だ。
うちの国に来いよとは言ったが、これだけ凄いことを次々に見せられたら、この国のような扱いは絶対にしないと誓えても、もしかしたら欲が出てしまうかもしれない。それほどの技術ばかりだ。
自分達だけの国を造るってのは、ぺぺ達にとっても、普通の人間である俺ら側にとっても正解だな。このままこの国にいても、移住しても、どちらにせよ争いの種になりそうだ。
そう考えると提案したロペスに感謝だな。
あとで何か褒美を与えてやろう。
ま、聞くまでもなく、どうせ酒を要求するだろうな。
アンを誘って街で酒を探してみるか。
アンにも何かプレゼントをしよう。
んで、手を繋いで歩こう。指と指を絡める握り方でな。
思考がずれ、アンといちゃつく事を想像し、顔がニヤけるギンだった。




