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逃げすぎた魔法使い  作者: ぱんどーる


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謁見の間に通される。


陛下、王妃様、王太子、王太子妃、第2王子殿下、ブライアン殿下、ギンが揃ってる。


レジナルド殿下は牢屋、側妃様は呼んでない。

はー、早く終わらせたい。


「はっはっは。 こちらも早めに終わらせたい。 王族が全員揃う事は滅多にないし、こちらもそれを避けている。 もしも今、暗殺者が来たら全員揃ってやられ、王家の血が途絶えてしまうからな」


俺は最近、言葉だけでなく、感情が顔に出るみたいだな。 気をつけよう。両手で頬をパンパンと叩く。


「はは。ぺぺロール殿ではない。 夫人の方だな」


ブライアン殿下に言われ、エミリアを見る。

エミリアは、だるぅって感じの顔のまま、こちらを見上げる。はは、その顔を王族に向けてたのか? 面白い顔だが、今はさすがにダメだ。エミリアの頬も軽くパンパンと叩く。


「場所を考えてくれ。な?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・ん」


王族の皆はクスクスと笑っているが、 側近や護衛はピリピリとしている。そりゃそうだよな。うちの嫁がすみません。


「こほん。 では早速、我々が操られてないかを確認してもらいたい。その後、側妃の魔法を封じてもらいたい。 それが終われば、ここからこの大陸の端に置いてある転移陣に転移させよう。他国に置いた転移陣だが、壊されてなければそこから海を渡ればオーン国だ」


それはいい話だ。壊れてなければいいがな。


「エミリアいいか?」

「・・・・・ん。 今から始めても?」


「ああ、よろしく頼む」


エミリアが俺の手を引き、王族の方へ歩いて行く。


「あらあら、離れたくないと言っていたのは本当なのね。 ふふ、仲の良い夫婦で素敵ね」


エミリアが1人ずつ顔を見る。 陛下、王妃様を見て通り過ぎ、王太子の前で止まる。


「今、治します?」

「私は呪われてるのか!? 」


皆が王太子の顔を見る。


「変わった所はないように感じるな・・・。とりあえず、全員を見てくれ」

「・・・はい」


王太子妃の前でも止まる。


「え? 私も?」

「ん。 子供はいます?」

「ええ」

「後でその子も連れてきた方がいい」


王太子妃が王太子に目を向けると、頷き側近に指示を出した。

続いて、第2王子殿下の前でも止まる。


「は? 私もか? 嘘だろ?」

「結婚は?」

「まだしてないが、今年する予定だ」

「その人も後で見る」

「・・・ああ、よろしく頼む」


第2王子殿下も側近に指示をしている。

ブライアン殿下とギンを見ないエミリア。


「は?」

「え? エミリアさん?」

「2人は、あっちにいた時からわかってた」

「「・・・そうか」」


気にするほどではないってことか? それか2人に興味がないかだな。 はは、エミリアなら後者だな。


「・・・陛下と王妃様以外は全員ダメ」

「な、なんと! そうか・・・。ぺぺロール夫人、解いてもらえるだろうか?」

「ん。・・・はい」


言い直したエミリア。 王妃様やギンは笑っている。俺も笑いそうだ。


「能力の低下、顔を不細工にする魔法が王子全員にかけられている。 王太子妃は微量な毒が体にある。 毒が抜けても妊娠は、少しの間避けた方がいい」


「そうか。 確かに息子夫婦は2人目がなかなかできなかったな。 毒の影響だったか」


この部屋にいる男性全員が拳を振るわせ怒ってるのがわかる。 女性陣も怒りで扇子がポキッと折れ曲がりそうだ。


エミリアが王太子妃の前に行き、手をかざす。


「毒は抜いた。 ・・・抜きました。 これを常に持っていた方がいい。 毒を無効化できる・・・できます」


アイテムbagから石を取り出し、手渡す。


「ふふ、ありがとうございます」


ふんわりと笑い、綺麗なカーテシーをする王太子妃。

次に王子達を1つの場所に集め、順に手をかざしていく。


すると、全員の背が伸び、元から全員男前だったが、更に磨きがかかった感じになった。陛下と王妃様にとても似ていて、2人の子供で間違いないと納得できる。


陛下に王妃様と王太子妃が驚いた顔をしている。王子達も互いの顔を見て驚いている。側近や護衛も皆だ。


王妃様は涙を浮かべ、エミリアの手をとる。


「エミリアさん、ありがとう」

「ん。 能力は実際仕事をすればわかると思う・・・思います」


「はっはっは。 もういつも通りの言葉使いで構わぬ。儂が許す。誰にも不敬罪なんて事は言わせないから安心してくれ。ぺぺロール殿もだ」


「はは、ありがとうございます」

「ん。 時間をもらえれば、呪いを無効化する石を渡せる」


「それはありがたい。 では、その石を用意できしだい、側妃の所へいこう。 儂も一緒に行くが呪われたくはないからな」

「ん」


その後、王太子夫妻の子供は不細工になる魔法がかけられていて、第2王子殿下の婚約者は体内に毒がある事がわかり、そちらもエミリアが対応した。


王宮に滞在してくれと陛下に言われたが、断った。理由はブライアン殿下が食堂と同じメニューを料理人に作らせると約束したのに、それが叶わず、エミリアがヘソを曲げたからだ。陛下と王妃様もそれはブライアン殿下が悪いから仕方ないと言って笑っていた。本当に誰に対してもマイペースで、こちらはいつもドキドキハラハラですよ、エミリアさん。


ギンとアンに通訳のドンと大使館へ転移してから、昨日の食堂に行き、また皆とワイワイ食事を楽しんだ。エミリアは通訳がいるから今日は使う必要はないのに、アンに書いてもらった紙を店員に見せていた。そんなエミリアに店員も俺達も笑った。


俺もテーブルマナーを気にして食べるより、ここの食事の方が好きだ。エミリアもふにゃけた顔をして満足そうにしていた。


今日はお疲れさん、エミリア。

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