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王宮までは転移で移動した。
まさかの大使館にいた男性職員のギンが全員を転移させた。元から転移陣があったから魔力を込めるだけだったらしいが、転移陣を使える人は厳選されているらしい。ギンは選ばれた人なのか。すごいな。転移する人数も多かったから、移動後ふらふらしてたギンに魔力回復薬をアイテムbagから取り出し、飲ませる。
「大丈夫か? ギン」
「ふぅ、ありがとう。 助かった」
青ざめた顔だったが、徐々に赤みが出てきた。ん、良かった。大丈夫そうだ。
「皆さんは、アンヌが案内しますのでそちらでお待ち下さい。 ギンラール行くぞ」
ブライアン殿下がそう言って、護衛達となぜかギンもいなくなった。 残されたのは、俺とエミリアとアン、それに通訳の為に残ったドン。
「・・・アンヌ?」
アンは俺の呟きに答える事はなく、ニコっとしてから進み、部屋に案内された。 すぐに茶と菓子が用意される。
とにかく疑問は解決しておかないとな。
「ドン、通訳してくれ」
ドンが頷いたのを確認してから、
「ギンとアンの身分は?」
「ふふ、隠してて申し訳ありません。ギンはギンラール・マイロンでこの国の元第4王子殿下です。私はギンの元婚約者のアンヌ・ライラックと申します」
綺麗なカーテシーをするアン。
「ふふ、今まで通りにお話ししてください」
おいおい、隠すのが上手すぎるだろ。あの大使館に今日、3人の王族がいたのか。王子の婚約者なら、アンは伯爵家以上だよな。 ん? 元と言ったか? 今まで通りの対応でいいのか? 昨日はわいわい楽しく食堂に行ってしまったな。 もう今さらか・・・。
俺が色々と考えているとエミリアが、
「元って?」
なーんにも気にする事もない言葉使いで、デリケートな事をストレートに聞ける俺の嫁。すごいな。
「ギンが学園で浮気をした上に、婚約破棄だと皆がいる前で叫びましたの。 ふふ」
あちゃー。
ギン、イキって勘違いしちゃった系? 青春だねぇ。
「なんで別れたのに一緒にいるの?」
グイグイいきますねぇ、エミリアさん。
こちらはハラハラしますよ、エミリアさん。
「ギンが新たに婚約したかったご令嬢が、ギンだけではなく、沢山のお相手がおりまして、そのご令嬢と婚約することは叶いませんでした。 やらかしたギンに陛下は、どこにでも行けと言い、行けと言われても行く所がなかったギンは、我が家にしょんぼりとした顔で来ました。 こちらが被害者なのに、それ以上の被害者ヅラをしてましたの。あの時は本当に呆れましたわ。父や母と相談し、ただ飯をやるわけにもいかないので、あそこで働いてもらう事になりました」
「アンは優しいね」
「ふふ。 今では敬うこともせず、私がイライラした時のストレス発散相手ですわ。 昨日もお2人が来るまで発散してましたの」
それでもアンの所に行って、今も居座ってるって事はギンは未練タラタラな感じか? アンはもう切り替えてる感じだな。
ギン、道のりは厳しいぞ?
「その時のご令嬢は、側妃様の姪にあたる方で、学園に留学にきた可愛らしい方でしたが、10人もの男性を半年で虜にするのはおかしいと考えましたが、原因もわからず答えは出ませんでした」
それでエミリアに見てもらうのか。
「最初からそう言ってくれれば良かったのに」
「まったくですわ」
まさか王族は皆ポンコツ系?
「ふふ、大丈夫ですわ。陛下をはじめ、皆様しっかりした方達ですわ」
顔に出てしまったか・・・。
その後は、言葉が通じなくても菓子を食べながらエミリアとアンは楽しんでいる。
ドンにも聞きたい事を聞いておいた。
3人とも男爵家。 3人ともほんの少しだけ魔法が使えるそうだ。ドンは風魔法が使えるらしく、見せてもらったが、そよ風くらいな感じで俺の髪が乱れる事はなかった。それでもこの国も魔法を使える者は貴重で、そこまでひどい扱いはされなかったらしい。良かった。
5年前もぺぺロール家はあり、今は侯爵家になっているらしい。 当主は独身。 親友の息子を跡取りにするため養子にもらった。 それ以上は知らないらしい。とにかく、アルウィン・ぺぺロール様のおかげでオーン国は他国よりも発展したとドンは言っていた。
頑張ったんだな、アル。 でもいい人と巡り会えなかったのか? 魔導具作りに夢中になってたのか? うーむ、あり得るな。 他のみんなの事は情報がなく、わからないから心配だ。とにかく早く帰りたい。
あ、ミッシュは結婚したそうだ。 良かったな。




