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逃げすぎた魔法使い  作者: ぱんどーる


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あれから大きな町を目指して歩き、やっと大使館に着いた。もうクタクタだ。


言葉が通じないため宿が取れず、野宿を久々にしたら、女盗賊らしき5人組に襲われた。エミリアの結界で安全だったが、それはもうしつこかった。夜の襲撃はもちろんだが、朝になり準備を終え、結界を解いて歩き始めると、チャンスとばかりに囲われた。こいつらの許せない所はエミリアだけを狙う所だ。理由はわからない。エミリアの方が俺よりめっちゃ強いのにな。俺が時間魔法で5人を止めて、縄で縛り、木に吊した回数は4回。どうやって縄から逃れてるのかわからないが、移動してるといつの間にか狙われている。あいつらが何を言っているか理解できないが、初日に会った少女と違って、鬼のような表情だった。婆さんでもあんな顔はしなかったぞ。


エミリアから手を繋ぐなんて事、今までほぼなかったが、女盗賊に絡まれてからは、エミリアから俺の手を取り、お互いの指と指を絡ませる握り方をしてきて、ぎゅうっと力を入れてくるのが可愛いくて、可愛いくて、俺は顔が緩む。


「私を始末して、ぺぺだけを連れて行くつもりだ。でもぺぺは誰にも渡さない」


嬉しい言葉を真剣な顔でエミリアが言ってくれるから、ちゅっちゅっ、ちゅっちゅっと髪や頬にキスをするのが止まらない。


俺達がいちゃついてる時の、女盗賊は奇声をあげながら襲いかかってくるからうるさかったし、マジでイラッとした。


「エミリア、俺とエミリアに結界を張ってくれ」


何で? って顔をして俺を見上げながらも、結界を張ってくれたエミリア。

女盗賊が攻撃してきても、大丈夫な事を確認してからエミリアを抱きしめ、舌を絡めるキスをする。エミリアが目を見開き、俺を叩くが絶対にやめません。エミリアも諦めて受け入れなさい。


女盗賊達は更なる奇声をあげながら、結界を壊そうとする。壊れないんだから、お前らは諦めろよ。


エミリアのとろんとした顔が可愛い。これ以上すると俺が色々と我慢できなくなるからキスを終わりにすると、エミリアが俺にもたれてくる。 このとろん顔は女相手でも見せたくないので、抱きしめてエミリアの顔を隠す。


「・・・人前は恥ずかしい」


「言葉でわかってもらえないなら、行動でわかってもらうしかないだろ? 俺達はラブラブで離れられませんって。 襲ってきてもムダですってな」


「・・・ん」


頭を俺の胸にぐりぐりするエミリア。

くぅー、続きをしてぇ。


「 ぺぺ、また時間魔法使って。 今度はもっとぐるぐる巻きにしてから吊す」


そう言った、エミリアの巻き方は本当にすごかった。これはさすがにほどけないだろうな・・・。


「出来たか分からないけど、縄に強化魔法をかけておいた」


パンパンと手を叩き、ふぅーとおっさんが仕事が終わったような感じのエミリア。縄に強化魔法なんてすごいな。でもこれなら大丈夫だろう。


女盗賊に襲われる事はなくなったが、次の町は魔物が頻繁に出てきた。前の町では、夜に2回遭遇しただけだった。その時は俺達が行動する前に女盗賊達が討伐してくれてた。その点については礼を言うべきだったな。この町は魔物が多いからか、昼なのに町に人があまりいなかったし、やっぱり言葉が理解できなかった。


俺達がいる間に出る魔物をエミリアと討伐していたら、言葉は理解できないが、ぺこぺこしてるのでお礼を言っているのだろうとわかる。家に招待され、食事をごちそうになった。何より1番ありがたかったのは、地図をもらえた事だ。

主人が地図を広げ、現在地ともう1つ丸印を付けた後、別の紙に種族が違う人を書き、会話してるような感じの絵を書いて、もう1度地図の丸印を囲む。俺達の言葉が分かる人がここにいると理解できた。俺とエミリアもぺこぺことお礼をして感謝を伝えた。


「ぺぺ、結界張ってもいいかな?」


「エミリアの負担にならなければいいぞ。 俺の下手クソな絵で主人に伝えてみよう」


俺がペンを持ち、紙に家を何個か書いてそれらを囲み、魔物が入ってこられないよって感じを書いた。 それからエミリアが魔法でその囲みを作るよ。 今囲みの中にいる魔物は俺とエミリアで倒すよって書いた。主人もペンを持ち魔物を指して首をかしげるので、ジェスチャーでパンチや魔法で倒すってやってみる。主人が俺を指差すから、俺とエミリアでやるよとジェスチャーする。時間がかかったがやっと伝わったのか、主人が土下座するので慌てて起こす。言葉が伝わらないって本当に不便だ。


俺の絵を見て、主人の子供らしき男の子と女の子が大爆笑してるのを、奥さんがひっぱたいて、俺に申し訳なさそうにぺこりとした。笑顔で大丈夫と伝えたが、ギャッツに絵を習っておけば良かったな。


そんな感じでエミリアが結界を張り、結界内の魔物も2人で倒してると、地図をくれた主人の他にも手伝ってくれる人も出てきた。 いい町だ。

町を出る時は、みんなが見送ってくれた。俺の絵をバカにして笑っていた子供達2人も泣きながら、ぶんぶんと手を振ってくれていた。エミリアもぶんぶんと手を振り返していた。


それからは地図を頼りに歩き続け、やっと丸印の付いた所にやってきたってわけだ。


今度こそ言葉が通じますように。

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