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部屋に戻ってエミリアを起こし、顔を拭き、着替えさせ、髪を結う。俺を信頼して任せるエミリアが可愛い。 あー、幸せだ。
「レオンとレティシアがくっついた」
「ふふ、早かったね」
「それから、外に出たら更地で驚いた」
「そうなんだ。 お腹空いた」
はは、外の事はどうでも良さそうだ。
「ギャッツは外にいるから、俺が作るか。 アイテムbagにまだ色々と入ってるからいいが、無くなったらどうするかだな」
「ご飯大事」
「はは、だな」
2人でキッチンに向かう。
すると、婆さんが先にいた。
「おはよう、婆さん。 外、見たか?」
「ヒッヒ、おはようさん。 何かあったんだろうな。 でもこの家とサミュの家は、エミリアが結界を張ったから、壊せなかったんだろう」
さすが、拒絶の結界のステイサンか。
ん? エミリアが婆さんを後ろから抱きしめた。
「師匠、色々ありがとう。 ヨボヨボだね」
ヨボヨボなんて、直接言うな、失礼すぎると思っていたら、
婆さんの魔法で皿が飛んできた!
エミリアは軽くかわす。
割れたら片付けが大変だから、俺が何とかキャッチする。
ふぅ、あっぶねぇ。
ったく、皿はダメだ。箒か本にしてくれよ・・・。
「エミリア、皿を並べろ」
「・・・はーい」
婆さんに言われると、ちゃんとやるんだな。
「ユリウス、食べ終わったら、アタシの家が残ってるか見てくる。 もう飯ができるから、皆を呼んでこい」
「わかった」
ぺぺがキッチンからいなくなった。
「ねぇ師匠、何で300年後? 何でアルとレティは成長したの?」
「ヒッヒ、お前に説明してもムダだ。 その頭じゃ理解はできないよ。 それより、ユリウスとの間にまた子を作れ。 アタシの治癒とぺぺロールの時間魔法が引き継がれるはずだ。 ユリウスは魔力が少なすぎて使いもんにならん」
「えー。 師匠が作りなよ」
「・・・」
今度はりんごが魔法で飛んでくるが、エミリアは食べ物だったため、キャッチして、りんごをかじる。
「チビ達や、ユリウスは素直で口答えもしないし、モノを飛ばせば、避けずにちゃんと当たってたのに、お前は本当に可愛いくないな」
返事をせず、りんごを食べるエミリア。
「だが、ユリウスはいい奴だ。 男を見る目はあったな」
「ん」
「アタシはヨボヨボの上にギリギリで生きてる。 お前を取り返してホッとして、ぽっくり行くかもしれん。これからはもっと頭を使え、言葉を増やせ、簡単に連れ去られるな。 そしてユリウスに捨てられないようにしな」
「ん・・・努力する。 師匠の事だから、命日も決められるでしょ? それまでは一緒にいよ」
「ふん、本当に可愛いくない娘だよ」
ドタバタと足音が聞こえてきた。
「婆さん! なんか玄関に変な奴がいる。 来てくれ」
「・・・やれやれ。 いつまでヨボヨボに頼るんだろうな。 バカな奴等ばかりで困るよ。 よっこらせ」
師匠は玄関に向かって行った。
ヨボヨボって言ったのをかなり根に持ってるな・・・。
これからは言葉に少し気をつけようと思うエミリアだった。
「おはようございます。 大魔女様ですね。 オーン国第3王子、ヘイミッシュと申します。 300年ぶりに家に反応があったので急いできました。 いやー、どんなに入ろうとしても入れなくて困ってたんですよ。 元ザイル国の大魔女様の家も入れなくてそのままです。 見えないけど、進めない場所がありましたから。 あとあちらの家は入る事ができたので、今は入館料をとってます」
これをめっちゃ早口で言われた。
俺、これで聞いたの3回目。やっと聞き取れた。
「・・・とりあえず、中に入りな。 そしてもう1度、ゆっくり話してくれ。エミリア! こいつを中に入れるようにしてくれ」
王子が淡く光る。
「ヒッヒ。まったく、ここまで来るのも面倒なようだね。 さぁ、中で話そう」
「はい!」




