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逃げすぎた魔法使い  作者: ぱんどーる


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ーエミリアsideー


あっという間に小さくなる、ぺぺ、アル、レティ。

ギャッツが追いかけて来てくれているが離されていく。


でもギャッツのハンドサインが見えた。

拳を握り、手の甲が私に向いてその後、人差し指と中指を伸ばす。師匠、ギャッツ、ギャッツの奥さんと連携をとる時によく使ったハンドサインだ。


『何もするな、待て』


ギャッツは何度も繰り返していた。きっとそれを伝える為に飛んで来てくれたのだろう。ありがとうギャッツ。 何もしないよ。きっと助けに来てくれるんだよね。 余程のことがない限り、結界だけにしておく。


抱えられているから、伝わらないかもしれないが、両手は拳を握って親指を伸ばし、了解のサインのままにした。


移動スピードは速いが、転移を使わないということは使えないのか・・・。そう思わせているだけか・・・。

わからない事だらけだな。

竜人の国へ向かうのか、それがどこなのか、全く分からないから、寝よう。 落とすことはしないだろう。




「「お帰りなさいませ」」


「ああ、戻った」


「・・・そちらの方が番ですか?」


「ああ。 全速力で来たから気を失ってしまったようだ。

部屋で寝かせてやってくれ。 前から用意してあった部屋ではなく、目立たない部屋に連れて行け。 他の者には言うな。サイモンとレオン、お前らだけで見つからぬように世話をしてくれ」


「「・・・承知致しました」」


「私も力を使い過ぎたので休む」


「「ハ」」



100年以上、エミリアを追いかけている間に、番に対しての対応が変わってきた。


同じ種族同士なら今まで通りだ。


種族が異なると厄介になる。相手が番と認識してくれないからだ。まさに俺達だ。

90年位前に、番相手が人間だった奴がいて、求婚したが、断られ、それでも番を主張し、自分の国へ連れ去った。その相手が婚約者のいる王女だった。王女の国と王女の婚約者の国が激怒し、戦争になった。結果は王女側の勝利だ。 その周辺の国々も、番と言う言葉で、今まで勝手に連れ去られた事を問い詰めてきた。


我が国にも、調査が入った。 その時はエミリアが手元に居なくて良かったと思った。種族が異なる場合の為に、番を認識しなくなる薬を1人1つずつ配られた。何もかも戦争に負けたせいだ! 加勢しようと訴えたが願いは届かなかった。人間の影響を受け、同じ種族に番がいるかもしれないのに、出会う前から薬を飲む奴も出てきている。そんな活動は広めないでほしい。


おかげで、コソコソとエミリアを探さなければならず、だいぶ時間がかかってしまった・・・。私は、あと50年位は生きられるだろう。 きっとエミリアも同じ位で寿命だ。残りの人生をエミリアと寄り添って生きていきたい。


とりあえずは体を休め、その後は、たまった仕事を片付けなければならない。 3年以上、屋敷には帰らなかった。 裏切り者がいないか、調査することも含め、やる事は膨大だ。


私が起きたら、エミリアが逃げ出さないように、アイツらにももう1度言い聞かせよう。

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