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逃げすぎた魔法使い  作者: ぱんどーる


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「なんか、気味悪いな・・・」

「・・・私が行こうか?」

「いや、俺がいく」


このキメラ、なんか色々合体したような魔物だ。

何回か遭遇したが、他の魔物と一緒に出てきて、いつも逃げられていた。


顔が怖くて体もデカいのに、飛べなさそうなちょこんと付いている可愛い羽。あれを回収すれば任務完了だ。なんだかんだで今日までたくさんの魔物を倒し、こいつに会うまでにひと月以上かかった。


今日はエミリアが具合が悪そうだから、あまりムリはさせたくない。


「エミリアは、下がって自分に結界張ってろ。 体調が良くなさそうだ」


「・・・ん。 ごめん。 ダメそうなら言って」

「ああ」



キメラの動きが早い。 体も固い。 斬りつけても深くない。

あまり時間をかけると他の魔物も来てしまう。


しばらく格闘していると、キメラの隙ができた。高くジャンプをして脳天へ体重をかけて剣を突き刺す。


「ンガゴー!」


なんか叫び声も気持ち悪いが討伐できた。


「ふう・・・」


核と羽をもぎ取りアイテムbagにしまう。


「エミリア、羽の他に必要なものは?」


エミリアを見ると、言葉も出なそうな感じだ。ヤバいな。

爪と牙、価値があるかわからないが尻尾をアイテムbagにしまい、エミリアのそばに行く。


「大丈夫か?」

「・・・結構ツラい」

「帰ろう、歩けるか?」

「・・・もうちょっとだけ座っていたい」

「わかった」


エミリアの背中をさすっていると、ガサゴソと音がしてそっちに目をやると、見たこともない魔物が出てきた。

俺が倒したキメラを丸呑みしてから、こちらに目を向けてきた。


「っ!」


あれはヤバそうだ。頭が3つある。

エミリアを見ると、魔物がいるのはわかっているが具合が悪く何もできそうにない状態だ。


剣をローブから取り出し構える。

くっ、動きが早い! ダメージ軽減ローブなのに突進されると、めっちゃ痛く、飛ばされた。


「・・・いってぇ」


魔物がエミリアに向かって突進していく


「エミリア!」


結界があるから大丈夫そうだったが、どこまであの突進に耐えられるか分からない。

魔物に向かってもう1度斬りかかる。

くっ、キメラより固く腕が痺れる。エミリアに身体強化をかけてもらわないと、俺の力だけじゃダメージを与えられそうにないがエミリアは今の状態じゃムリだ。どうする?


あ! そういえば・・・


ギャッツにもらった青い石を思い出し、祈りを込める。

力が溢れるのを感じる。これなら行ける!っと思った所で、全く同じ魔物がもう1体出てきた。後から出てきた方がひとまわり大きく、腹が減ってるのかヨダレを3つの頭の口から出している。


これはマズい・・・

戦うより逃げた方が良さそうだ。 絶対に1人じゃムリだ。

エミリアを回収し、荷物のように担ぎ走り出す。


2体とも追いかけてくるが俺も必死に逃げる。これは脚力に特化している強化っぽいな。エミリアにかけてもらう身体強化とは違うと感じる。


「・・・ぼんやりと光が見えたか? それを辿って行って」


エミリアが帰る方向を魔法で教えてくれたようだ。


「了解。 ツラいだろうが家までガマンしてくれ」

「・・・ん」


それからは後ろは振り返らず、光を信じて走り続けた。


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