百億の賭け
よく行くコンビニに綺麗なお姉さんの店員がいる。
その店員からお釣りを渡される際、ガッツリと手を握られる。それはもうガッツリねっとりと。
「これって私のこと好きってことだよね!?」
「お前の勘違いに100億ジンバブエドル」
毎朝のドキドキを友達と共有したところ冷たく突き放された。
「勘違いじゃないもん! あの手つきは私のこと好きだね、ぜったい! 私のこと好き~って情熱のこもった手つきだった!!」
「仮にそうだったとして、おまえ、ろくに話してない相手にそういうことされて嬉しいのかよ」
「美人だったからあり!」
「くたばれ面食い腐れレズ」
酷い罵倒だ。確かに顔がよければ誰とでもワンナイトするが、それでくたばれだとか腐れだとかまで言われる筋合いは無い。
さてはこいつ、私がツラのいい女と仲良くなったのが羨ましいんだな。
そう思ってると、不意に友達は私の手を取って握ってきた。
「………」
黙ってにぎにぎ、と。
何が楽しいのかただ私の手を握っている。
チラチラとこちらを窺うように視線を向けてくるが、何を伝えたいのか分からない。
「なに? 寒いの?」
そう言った瞬間、友達は思いっきり私の手を叩いた。
「いった~! 何すんのよ!?」
「お前が悪い!」
どこが!? 納得出来ずに非難の目を向けるが、友達は全く気にせず、はぁ……とため息をついた。
「……私はなんでこんなやつのことを……」
友達が何か言ったが、そんなことより叩かれてジンジンと痛む手の方に私の意識は集中していた、という百合。




