忠義の騎士
「「黒刃」」黒ローブが唱えると5つほどの黒い何かがジント目掛けて飛翔する。
「「迅速」」再びジントは加速しその攻撃を避ける。そしてすかさず黒ローブを狙い「「光弾」」を放つ!
しかしその攻撃は黒騎士が間に入り黒ローブの身代わりとなって爆発する。
ジントはそのまま黒騎士3人を切り倒しながら進みヤギウたちと合流した。
ヤギウたちも疲弊しながら黒騎士10人を倒している。
(残り16人ほどと黒ローブか。)
(ディーアたちが奥にいるならここを引くわけにはいかない。)
「師匠まだ大丈夫ですか?」ジントは振り返らずに聞く。
「これが大丈夫と言えるものならばな。じゃが誇りにかけて姫様だけは守らねばならぬ。」
「あの黒ローブの攻撃は僕が何とかするからその間にあいつらを倒していって!」ケンが力を溜めながら言う。
「ああ、わかった。あの黒ローブはオレがやる。師匠たちは周りの黒騎士どもを頼みます。」ジントは剣を構えなおす。
「ふふふ、はぐれちゃうと寂しいでしょうから皆一緒に殺してあげる。」
「「黒刃」」一塊になったオレたち5人に黒ローブの黒刃が襲い掛かる!
「「緑壁」」ケンが先頭に出て防御壁を展開し黒刃を防いだ。緑壁も黒刃5発を受けて崩壊する。
「よし、行くぞ!!」オレが前に出ようとしたその時。
ドス!ドス!・・・え? 師匠とケンの腹から剣が飛び出ている・・・?
振り返ると今まで一緒に戦っていた騎士2人が黒騎士化して背後から師匠とケンを突き刺していた。
「ぐはっ!」「ごふっ」2人がその場に崩れ落ちる。
「師匠!ケン!くそっ!」ジントは背後の黒騎士を目にもとまらぬ速さで切り捨てる。
「あはは、なんだい?仲間割れかい?」黒ローブが愉快そうに笑う。
(これは・・今まで黒騎士化していなかった兵士たちも時間と共に黒騎士化していくのか。)
それは絶望的な状況だった。
「ケン兄!!!」「ケンシー、爺!」控えの間の扉が開いて中からヒカリとディーアが飛び出してきた。
「ようやく出てきたね。おい、お前たち!その姫だけは生かして捕らえな!あとは殺してかまわないよ!」黒ローブが黒騎士に命令する。見ると入口から黒騎士がどんどん増えてきている。
ディーアが両手でケンとヤギウに赤い癒しの光を送る。「「赤癒」」
「お前らよくもケン兄を!」ヒカリの体が緑色の輝きを纏う。「「緑矢」」」
近づいてきていた黒騎士3人をヒカリの矢が射貫く!
「「光弾」」ジントも光弾を撃ちまくるが多勢に無勢。だんだんと包囲網が狭まってきていた。(このままではいずれやられる。どうする?)
「姫様・・・。」ヤギウが意識を取り戻す。
「爺。喋っちゃダメ。まだ全然傷は塞がってないんだから。」
「姫様。この力はケンシーを助けるために使ってくだされ。ワシに分けると効果が薄れて助かるものも助からなくなります。」
「爺、それじゃあなたが・・」
「このままでは全員討死です。よく見てくだされ。そこのジントもこやつの妹も奥で倒れている姫様のメイドも皆助かりませぬ。ここはワシが活路を開いてご覧に入れましょう。」
「爺は?爺はどうなるの?」
「姫様、ルーア様の故郷にお連れする約束を果たせなくなること誠に申し訳ございません。ですが、ムルタ様を討たれ、姫様までということになればあの世でもディナル様やゼクタ様に顔向けができませぬ。」
「爺、いや死なないで!」
「姫様。代わりにひとつお約束くだされ。必ずこの王国を賊どもの手から奪還し再興すると。そのための礎となれるならばこのヤギウ最後の奉公を致しましょうぞ!!」
「ジントよ。」師匠の呼びかけに光弾を撃ちまくっていたジントが振り返る。
「3分後に「「春風」」を撃つ。ワシはそのまま殿を務める故、お前は姫様たちを連れて地下通路より退却するのじゃ。」
「師匠、それは・・」
「お前の役目はなんじゃ?姫様をお守りすることであろう!このまま姫様を敵の手に渡すつもりか!」
「ディーアだけは絶対に守ります!」
「それで良いのじゃ。そして必ず姫様をお支えするのじゃぞ!」
「はい師匠。確かに承りました!!」
「ディーア、ヒカリ、ケンを連れて先に行ってくれ。奥に倒れてるらしいルリ姉も忘れずにな。オレは時間稼ぎをしたらすぐに追いつく。」
2人とも無言で行くかと思ったがディーアが口を開いた。
「・・・爺、いえ騎士団長。今日までの忠節誠に大儀でした。このディーア=オルメン心より感謝いたします。」
「姫様・・・さあ急ぎお行きくだされ!この爺の命無駄にせぬよう必ず逃げ延びてくだされ!」
ディーアたちが移動し、ヤギウが力を溜める。
「よし、ジント、お前も行け!あとは頼んだぞ!!」
「師匠、今日までのご指導ありがとうございました!!
ジントは深く礼をすると控えの間に入り扉を閉める。そして地下通路に入りディーアたちの後を追った。
ゴォォォォ!!先ほどの場所から大きな音が聞こえてきた。(師匠が技を使った。あとは・・)あとは振り返らない




