サクラ、チル1
春という季節の続きです
主人公は、友人に恋していることを告げて…
「無茶な恋だ」
と私は友人に言い放たれた。
時は初夏、彼を見つめる日々が約3ヶ月過ぎていた。私が知っていることと言えば、彼が近所の中学校に通い、朝夕、私の家の前を通ることぐらいであるこの私の募る気持ちは、恋というものなのかなさえ、私は、わからない。
夏の日射しを浴びている友人の浅黒い肌は、健康そのものだ。それに対して、私は不健康である
「君のやっている事は、のれんに腕押し、猫に小判ぬかに釘、全て無駄なことだよ」
と、辛辣にいったそれに、と友人は言葉を続ける。「その病に犯された体で、何ができる?」
グサリと刺さる真実。私は、コメントのしようがなかった。
それでも、
それだからこそ、
脆い私が抱くこの思いを私は…………
彼に伝えたい。
あの時に救ってくれた彼に、せめて、お礼が言いたい。
「……お礼だけなら、言えると思うけど」
と友人は言う。
「ただし、それ以上は望むなよ。絶対に。所詮、報われぬ恋なのだから」
友人は、その後、朝が昇る前迄、私と喋りあった私が、彼の話をすると、なかば呆れながら耳を傾けてくれた。
旅立つ友人は、最後に、こう言い残した
「恋で自分の身を滅ぼすなよ」
と。
私は、その意味を知らず、冬を迎えた