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チュートリアル無双  作者: ぐわじん


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18/41

18 ウエスマウンテンへ

「あの大変申し訳ないのですが、今日はそんなに遅くまで出来ないので……」

 言いにくい事だけど自分の意見は伝えておかないとね。


『そう。そうね、今から向かうと夜になってしまうし、旅の準備も必要だから出発は明日にしましょう。なのでこれから準備に入るわよ。シャルー、ちょっと来てー。

 カトウはシャルにウサギ肉、鶏肉、イノシシ肉を全部渡して。これは必要な出費よ』

 うむむ、イノシシ肉は納品用に取っておきたかったのに、一応シャルの家に預けている分があるし仕方ないか。

 シャルは素材を受け取ると、先生(マルグリット)から、どの料理を作るか指示を受けていた。

 

『ドワージンさん、貴方の持っている装備の中で魔法使いに向いた初心者用装備はある? あるいは今の手持ちで用意出来るかしら? え? 無いの? 肉弾戦用しかないの? 仕方ないわね。じゃあ私のお古を貸してあげるわ、あればだけどね』

 いやお気持ちはありがたいのですが、とてもサイズが合うと思えないし、ましてや女性ものの服を着るとか、こんなデブが来たら犯罪で捕まらないだろうか。


 貸してもらった服は男女兼用の装備でした。サイズが自動調整出来るというとんでもない高性能で、ちなみに大抵の武器や防具はサイズ自動調整という理解できない機能が、何の説明も無く、当たり前のように付いているらしい、ちょっと意味が分からない。


■エルフのミスリルローブ/ガントレット/ブーツ

 HPとMPとSPが若干増えて、知力と魔力のステータスと移動速度も若干高くなった

 (同一系統で揃えるとボーナスが付くセット装備)


■ラブリュス

 両刃斧。腕力と魔力のステータスが若干高くなり、光魔法スキルLV(プラス)


■漆黒のコンペイトウの指輪

 火魔法スキルLV(プラス)


■虚空のルナワンの腕輪

 風魔法スキルLV(プラス)



『初心者用装備があってよかったわ。あとこれガラスの瓶、回復ポーションの作成よろしく。私が居るから大丈夫だと思うけど念には念をね』

 まだシャルに預けていなかった素材を先生に渡したら、大量のガラスの瓶となって返って来た。薬草の方が足りないな、いつか役立つだろうからありがたくいただいておく。


  :

  :


 翌日、準備万端の状態で集合した。師匠、先生、私の三人PTだ。作った回復ポーションは師匠にだけ渡した、先生は不要だって。師匠の装備は前回と似ている黒い全身鎧だけど、ピカピカと光っている。


 先生の装備は上がワンピース? それなのにズボンも履いている。背が小さすぎて服の特徴が掴みづらい。でもキラキラしているから相当お値段の高い装備のようだ。服が光り続けるっておかしいとは思うんだけど、まあゲームだしな。



『じゃあ、まずカトウが三人に支援魔法を掛けて頂戴。ただこれは熟練度稼ぎのためのものだから、その後私が上位魔法で上書きするから。そしたらダッシュで向かうので、多分一、二時間程度で着くと思うわ』


「ダッシュだと、敵が凄く湧いて討伐が面倒になりませんか?」

 徒歩は基準で、小走りなると敵に遭遇する確率が若干増える、ダッシュになると敵に遭遇する確率が増えてSPが若干減り始めてHPMPSPが自動回復しなくなる、全速力になると敵に遭遇する確率がかなり増えてHPMPSPが徐々に減っていく。


『大丈夫よ。私が居るから皆逃げて行くわ』

 どんだけ強いんだよ先生。考えても仕方ないし、直ぐに分かると思うので言われた通りに支援魔法を唱える。そして先生が掛け直す。



 町を出てしばらく進むと、穴からゴブリンやらオーカーやらが出てくるが、直ぐに逃げ出して違う穴に入って消える。走った後の地面からも出るし、何故か走っている先にも湧いて出てくる。師匠と先生が居なかったら戦闘ばっかりになってしまうだろう。


 先生が走りながら色々な事を説明してくれる。敵の種類や攻撃パターン、ドロップ、注意すべき内容など、よくもまあこれだけの事を覚えているものだなと。特に凄いのが走りながら、息も切らさずに説明できる事かな。


 どんどん進むが道の横に大きな丸太が、いや大きな蛇が見えた。近づくが全然逃げない、そのまま横をすり抜けたが戦闘にはならなかった。先生が近づいても逃げないんだから相当強いんだろうな。

 それにしてもカラフルなヘビだった。頭が赤色、胴体が黄色、尻尾が青色、そんな感じに三等分で色分けされて、青色の部分が光っていた。


『あれはサンシキヘビよ。レベル差があっても逃げないタイプの敵も居るわ』

 ふーん、そういうものなのか。おっまたサンシキヘビが二匹見えた、二匹とも胴体の黄色の部分が光っていて、その一匹の横を走り抜ける。


『サンシキヘビはの青が光っている時は攻撃されないからそのまま通り過ぎて大丈夫よ。黄色になっている時は注意しながら早く遠ざかりなさい。ただ、赤い部分が光っている時は……』

 もう一匹のサンシキヘビの赤い部分が光り始めた。先生がサンシキヘビに丸飲みされて、ヘビの首あたりが膨らんでいる。


『攻撃されることがあるから要注意よ』

「おせーよ!」


『特に飲み込まれると行動が阻害されるから、飲み込まれないようにすることが重要よ』

「いやだからおせーよ! 飲み込まれてんじゃん!」


『飲み込まれると体が溶けてHPが減り始めるから……』

 どんどんと先生が奥に奥にと飲み込まれていく。うおうお、どうすりゃ良いんだ。取りあえずファイヤーボールでも、


『岩砕き!』

 師匠が膨らんでいるところ目掛けて斧を振るうと、ヘビが二分された。でも、そこ先生まで真っ二つになるような場所ですよ、躊躇ねーな。あっけに取られていたら、ヘビが襲い掛かってきて丸のみされた、うわうわ。


「うぉーー」

 飲まれると体の自由が利かない、足だけがバタバタ出来ているので、腰辺りまで食われているんだろう。だんだんと奥に進むと動かせる部分が減っていき、足首辺りまでしか動かなくなる。

 魔法を唱えようとしてもターゲット出来ないし、武器も振るえない。多少ダメージを与えているようだが効果が薄い。HPが一、二とゆっくりだが減り始める。そして足の甲まですっぽりと飲まれて、ついに、切断した部分から外に放り出された。飲み込んだ意味ねー!


『油断したら駄目よ』

 振り返ると、もう一匹のサンシキヘビの首辺りが膨らみ、そこから声が聞こえる。


「それはおめーだよ!」


『岩砕き!』

 師匠が再度首をちょん切り、私も斧で攻撃を行い、サンシキヘビを倒した。倒したけど経験値が二しか入らない。少なっ! LV差が高い人とPTを組むと経験値が入らないらしい、なんじゃそれ。LV上げ出来ないんじゃないのか?


『こんな雑魚敵、ドワージンさんが居たら余裕でしょ。慌てることも無いわ』

 師匠は胸を張ってニタニタ笑っている。大変なところを助けたんだから評価も上がったんじゃなかろうか。良かったね師匠。だけど先生の実力に疑問が湧いてくる、本当に強いんだろうか?



 大分ウエスマウンテンに近づいて来た。(ふもと)の方は緑があるが、中腹は岩肌になっており、頂上の方は雪が積もっているようだ。山に登るための道の横は林になっていて、道の真ん中には凄いだけのバッファローぽいモンスターがたむろしている。見えるだけで百位いそうだな。


『既に湧いている敵は穴には逃げないから。私が近づいて逃げ出して、その逃げた先に人が居ても迷惑だろうし、ちょっと倒しちゃいますか』

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