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チュートリアル無双  作者: ぐわじん


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14/41

14 アドバイス

「鉱山って、もっと狭い通路だと思ったんですけど、意外と広いんですね」


『ん? 狭いと圧迫感とかあって怖いじゃろ? 広めに作らないと怖くて作業出来んわい』

 確かにその通りだ狭かったら怖い、ゲームだったら落盤事故とか無さそうだし、広いに越したことは無いので気にしないようにしよう。途中途中ランタンのようなものが壁にあり結構明るいのも、その燃料をどうやって維持しているのか、そんなのも全然気にならない。


 ところどころ採集ポイントがあるので、ちょこちょこ採集しながら進む、銅鉱石、錫石、珪石、などが手に入った。おや、通路の先に何か複数の影が舞っている、何かが飛んでいるのか?


『気をつけろ! アブーラコウモリだ、矢や火、風属性が弱点じゃ』

 数が多いが、まずは一匹でも倒そうと思いファイヤーアローを放つ、当たった瞬間大きく燃え上がり直ぐにポリゴンになって消えた。ファイヤーボールでも同様に良く燃えるし、ウインドカッターでも真っ二つになる、ナニコレ弱すぎ。

 弱いが数が多く直ぐに周りを取り囲まれてしまった。払っても払っても物凄い数がまとわりつき、HPが少しずつ削られていく。このままじゃヤバい、何とかしないと。


『旋風撃!』

 ドワージンはどこから物凄い大きい斧を取り出しぐるんと振り回すと、竜巻のようなエフェクトが表示されて周囲数mにいたアブーラコウモリを一気に殲滅していた。

 しかし直ぐに第二陣ともいえるコウモリに囲まれる、助かったと思ったのに前以上の数になすすべもなくどんどんHPが削られてもう駄目だと諦める。再度ドワージンがスキルを発動して第二陣も一気に殲滅させた、滅茶苦茶つーえなドワージン。

 

『諦めるな、生きている限り最後の瞬間まで努力をするんじゃ。たとえ死んでも味方のためにも一匹でも多く倒すんじゃ。PTメンバーが生き残っていれば何とかなる場合もある』


「せっせんせい」

 思わず感動して先生と呼んでしまった。きっとドキドキした後だったので、吊り橋効果というやつじゃなかろうか。でも戦士も悪くないな、セカンドキャラ育てるときは戦闘スキルバリバリの戦士だな。

 ちなみにアブーラコウモリからは、コウモリの羽、爪、などが手に入った。殆どドワージン師匠が倒してくれたのに経験値やG、素材が大量に貰えたのは超ラッキー。途中に脇道もあるがメインの通路を更に奥へと進んでいく。


 またコウモリらしきものが見えるけど、数が少ない一匹のようだ。さっきの余りだろうか、ファイヤアローを唱えるが当たっても死なない、続いてファイヤーボールとウインドカッターを当てるがそれでも突っ込んでくる。

 直近まで近づきその大きさに目を見張る、二m位ありそうな大きさだ。見た目でも分かるコイツはただのコウモリではない、オオコウモリだ。


 オオコウモリが体にへばりつくと、HPゲージが減りオオコウモリのHPが回復していく、そして毒を示すアイコンが表示されている。何とか引き離そうとしていると、何かがぶつかりオオコウモリが地面に落ちた。

 私にへばりついているのに斧を思いっきり振るうとか、コイツ正気かと思いドワージンを見る。そんなことは気にしないとばかりに追撃を加えてポリゴンになって消えた。感謝はすれど、ちょっとわだかまりが出来る。


『ん? 味方や他の人には攻撃が当たってもダメージは入らんぞ、対人戦闘をしようと故意に攻撃せん限りな』

 なるほど、これは失礼致しました。そうだよね味方や他の人にダメージが入ったら、ゲームの難易度が上がっちゃうよね。そういえば旋風撃を出した時も無事でした。オオコウモリからは、魔石の欠片、コウモリの羽などが手に入った。


『魔石の欠片はMP回復ポーションや魔道具の素材に使われるのう、ある程度の魔力や強さがあるモンスターなどを倒すと出すことがある』

 へーへー。今まで弱い敵しか倒してこなかったからか、有難くいただくとしよう。



『ここが採集ポイントじゃ。一度採りつくしても数時間すればまたとれるようになるから採りたいだけ持って行っていいぞい』

 少し広い場所に出た、壁のあちこちが光っている。無限に採れる理屈は分からないけどゲームなんだしそれでいいだろう。採集を始めると先ほどの物に加えて、鉄鉱石、金属ヒ素が手に入るようになった。


「あれ? あれ? なんだ」

 異変に気が付いて思わず声が漏れてしまった。SPの消費が急に二倍になったおかしいぞ。


『それは重量オーバーじゃな、荷物の量が制限の八十%を超えるとSPとMPの消費が二倍になってHP含めて自然回復せん、そして全ての動作が若干ゆっくりとなる。

 百%超えるとSPとMPの消費が三倍で、動作が更にゆっくりとなり満腹度も減りも大きくなる。

 百三十%を超えるとHPMPSP満腹度が徐々に減っていく。まあ要らない荷物を捨てるんじゃな』

 別に百三十%超えるまでは問題なさそうなので、引き続きガンガン採集しまくる。しかし全ての採集ポイントで採り終わってしまった、これから数時間待つのは退屈なのでドワージン師匠に色々と聞いてみよう。


「いくつか質問してもよろしいでしょうか? ここに来るまでの途中の脇道にそれると何があるのでしょうか?」

 

『うむ、詳細には覚えておらん。ただ行き止まりだったり、採集ポイントがあったりするの。チョロチョロするより、ここで一気に採集した方が効率が良いから大体ここ一択じゃな』

 なるほど、理にかなっている気がする。でも待っている間暇だから行ってみるのも良いかも知れない。折角なので他にも聞いてみる。


「この採掘場所に進まずに当初の道を進んでいったら、どこに着くのですか?」


『ふむ、あのまま東に向かって進むとイスト村じゃ。ちなみに町から北に向かうとノストという少し大きめの町が、南に向かうとサスの港、西向かうとウエスマウンテンじゃ』


「え? ボケないのかよ」

 ここまで誰もギャグっぽい事をしていないし、四つの方向に関する話になって、三か所ボケなかったから最後の四か所目で絶対ボケると思った。いつツッコミを入れよう、入れようと思っていたら、つい口が滑ってしまった、大変失礼なことに申し訳ございません。


『ボケるとは何の話じゃ? 冗談? なんで冗談を挟みながら会話する必要性があるんじゃ? 良く分からん』


「すみません。こちらの世界では冗談をいう人が多かったものですから、マルグリットさんも、もの凄く冗談が好きで……」


『おい! いまなんと言ったんじゃ! お前はマルグリットさんのなんじゃ? 好きってどういうことじゃ! マルグリットさんがお前の事を好きなのか? お前が好きなのか!』

 取り乱し方が怖いよ、どうしようNPCに殺されちゃったら、最寄りの復活拠点で復活するね。


 しかし、マルグリットさんが冗談が好きって知らないのかよ、好きだったら相手の性格とか、行動パターンとか、言動とか、好きな物とか、服装とか、生年月日とか、家の場所とか、髪の毛とか、ねー、そうだよねー。

 あっ髪の毛はアホ毛があるって事を理解しているって事だよ、まさか拾ったり集めたりとかそういうんじゃないよ、そんな風に考える人が居たら、ちょっとヤバいひくわー。


『ん? 何で知らなかったかと? 恥ずかしくて一緒におれんのじゃ、顔を見るたびに隠れておったからの。え? それって不味いのか、嫌っていると思われている可能性があるじゃと、何という事じゃ。

 しかも、あの人形はちょっと気持ち悪いかも知れないだと……。しかし、冗談やお笑いがスキじゃったのか良いことを聞いたわい。お主には色々と借りが出来たの、困ったことが有ったら何でも相談に来ると良い、出来る範囲で支援してやろう。こうしちゃおれん早速帰ってお笑いの勉強をせねば』

 何故かクエストが達成して経験値が千百も入った、意味が分からん。でも変な人形作りよりも良い方向に繋がったと信じたい。


「あっでも、私はここでもう少し採集をして帰ろうかと思ったのですが」


『そうか、じゃここでお別れじゃな。先に帰るわい』

 そう言って部屋の片隅に移動し、地面に魔方陣が表示され光に包まれる。両手を上げて天に召されるかのようなポーズをしている。


 五分以上経過したが、そのポーズのまま立っている、どしたんだ?


『ん? 知らんのか、これは強制帰還じゃ。コマンドで/return と打つと十分間この姿のまま何も出来ずに固定されるが、最寄りの復活拠点に帰れるんじゃ。これがあればお主も無事に帰れるじゃろ』

 おお、凄く良い事を聞いたわ。帰るの面倒だったしね。NPCがコマンド打つっておかしいなと思ったが細かい事は全然気にならない性格なので、全然平気です。

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