表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
腐男子御曹司の彼  作者: 一条由吏
第2章 現場にて
11/40

1.腐女子のための新人歓迎会

 今日は待ちに待った新人歓迎会。


 場所はニューハーフショーパブ『ガラスヤ』。


 都内某所にあるこのショーパブは入口に飾られたイタリア人芸術家が作ったガラス製のオブジェが出迎えてくれる。


 その妖しい模様は、オドロオドロしく異世界に誘われるような雰囲気が醸し出されている。


 その店の名前の通り強化ガラスで作られた通路を降りていくと正面にショーのステージ、ステージ下の花舞台から右手の楽屋口に折れ曲がる花道まである本格的な舞台装置があり、左手にはまるで水族館の水槽のようなガラス張りのVIPルームまであった。


 VIPルーム内はうっすらしか見えないが豪奢なシャンデリアがぶら下がっており、まるで迎賓館を思わせる造りになっている。このガラス張りはマジックミラーになっているみたい。


 その花道の中央をさらに進んでいくと予約して貰った席に着く。ここなら、ショーをかぶりつきで見られるらしい。


「VIPルームじゃ無いんですね。」


「折角のショーだ。近くで見たいだろ。それにああいう席を利用するのは有名人ばかりだ。ほら元Jリーグ選手で嫁さんが居る癖にスキンヘッドで片ピアスのゲイファッションをしていた人間が居ただろ。ああいう人間を良く見かけたぞ。」


 へえぇいいなぁ。都心に住んでいても街中で有名人なんか見たこと無いもの。文芸部の後輩の父親で噺家さんくらい。


「ああ。あの選手。本当にゲイなんですか?」


 ガチムチ体形の彼に似合いすぎていて逆に変な気がする。ああいうのはゲイバーのカウンターの中でオネエ言葉を使うゲイであって欲しいのに言葉使いは普通の男なんだもの。


「違うだろ。あのタイプのゲイがニューハーフの店に来るはずが無い。あれは何かをカモフラージュするためのファッションじゃないかな。なあ中村君。」


「解っているなら、僕をこんなところへ連れ込むなよ。」


 滅茶苦茶、嫌そうな顔しているのが笑える。


「中村さんは出入りしなかったんですか?」


「昔、自分のセクシャリティが分からなかった学生時代にボーイとしてアルバイトをしたことはあるけど。それ以来だな。こんなところに来たのは。」


「おいおい、質問する相手が違うぞ。全くまた鼻血が出ても知らんぞ。」


「腐女子がLBGTを見て興奮するのは生理現象です。放っておいてください。」


「まあ、俺のコレクションが増えるだけだからいいけど。」


 キヒロ先生は意地悪な笑みを浮かべて、いそいそとスマートフォンを取り出す。そう鼻血を出した写真は削除されずに待ち受け画像にされている。これをパワハラと呼ばずに何と言う。


 そう言って削除するように強要しているのだけど全く持って削除する気配が無い。パワハラで通報しようにも証拠である写真を他人に見られたく無い。あきらかにこちらが受けるダメージが強いなんて社内のハラスメント通報制度が間違っている。


「コレクションって、私以外の写真もあるの?」


「あるぞ。正志をここに連れてきたときも鼻血を出した。余程、溜まっていたのか正志。」


「知らねえよ。なんで俺が参加させられているんだ。」


「お前、栗本さんを歓迎してないというつもりか? 酷いな。酷いよな皆。」


 周囲の人間たちはブーイングだらけだ。


「そんなこと言ってねえだろ。ちゃんと1次会は出席しただろうが。強制的に2次会に連れて来ることは無いだろうが……。」


「これ1次会だぞ。さっき飲み食いしたのは此処に来るための準備だ。1杯くらい飲んでないと悪酔いするぞ。」


 道理でさっきの店は簡単なツマミと焼酎だけだったわけね。


「アラー。ユキヒロ久しぶりねぇ。前来たの『ユウ』がアメリカに渡る直前だったから、1年くらい前よね。」


 目の前に2人のニューハーフが現われた。1人は25・6歳のスラリとした美女で露出度がギリギリ見えそうで見えないドレスに身を包んでいる。


 もう1人はコミックキャラなのかオバチャンのような格好をしたニューハーフで60歳は越えていそうな方だった。


 こんな人もいるのね。


 でもその人は会話に加わらずにひたすら自分用のお酒を作っては飲んでいた。事前に先生からショータイムのMC担当でこの時間テンションを上げるために飲んでいるらしいと聞いているので放っておく。


 しかも凄いイケメンで再結成した人気グループMotyの『中田雅美(なかたまさよし)』がテレビ番組で女装した姿にソックリなのが笑える。


 でも良くみるとスラリとした細い足とキュッと締まったお尻が格好良い。まあ褒め言葉にならないので黙っているけど年を取ってもニューハーフと言ったところかっ。


「『ユウ』さんという方は辞められたんですか?」


「ああ、この人だよ。」


 キヒロ先生が壁に貼られているポスターを指し示す。


 そこには色白美人が微笑んでいるポスターが貼ってあった。


「凄い美人ですね。先生の贔屓だったんですか?」


「ああ。性転換前の彼女に世話になったんだ。」


「例のピクリともしなかったってヤツですか?」


「違うよ。そんなこと覚えんなよ。まったく。『ユウ』はハリウッドで女優になるためにアメリカに渡ったんだよ。凄いだろ。俺の尊敬する人物の1人さ。」


 それから私は用意してあった質問を彼女にぶつけていく。その質問に苦笑しながらも全て答えてくれた。


「ユキヒロ。また、おコゲを雇ったんですか? ユキヒロの会社って、おコゲばかりじゃないですか。」


 過去にも同じように質問を連発する腐女子がいたらしい。

おコゲとはトランスセクシャルの贔屓筋の女性です。

私は腐女子とは似て非なる女性たちと認識しています(笑)

ニューハーフからするとどっちもおコゲですね。

腐女子も歌舞伎役者の贔屓筋のようにお金を掛けて

応援出来ればいいのですが好きな本を買うのに精一杯で無理!


ブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ