4話 怠惰な令嬢は、ゲームがしたい
メリクリです(*^^*)
……本編には関係ないですけど。
活動報告にSS載せてます!
《ゲーム……》
楽々異世界生活も、16年目。
寝たきり生活に、潤いが欲しくなってきた。
「げぇ…む? マリアお姉様、げぇむって何ですか?」
私の呟きに、アリシュタは首を傾げた。
《ゲームは、ゲームだ。寝ながらにして遊べ、時にはオートモードでボタンすら押さずに遊べるものだ》
私は基本的に何もせずに寝ていたいが、時々ゲームしたくなる時がやって来るのだ。
それが1年なのか、5年なのか10年なのかは、私のその時の気分次第だが、それは定期的にやって来る。
「遊び……オセロや、チェスでも用意いたしましょうか?」
侍女が私の髪をときながら、聞いてきた。
《ゲーム機で、遊びたいのだ。オセロもチェスも、面倒臭い》
前世でもたまにやりたくなっては、レベル上げは兄に任せてから遊んでいた。
私は面倒なものは人に任せて、楽しいところだけやりたいのだ。
「そうなんですか……お兄様に相談してみますね」
アリシュタが少し困ったように言った。
私の言うゲームに、ピンと来ていないようだ。
まぁ、前世のハイテク機器であるし、この世界の文明に慣れ親しんでいれば無理だろうな。
《うむ……それじゃあ、私はもう一眠りする》
兄達に任せたら、何とかなるだろう。
私はやって来た眠気に従い、眼を閉じた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「⎯⎯ゲーム? マリアが欲しいって? ……困ったな。信頼されているのは、嬉しいけど……」
アリシュタから伝えられたマリアのおねだりは、予想は出来たが叶えるのは難しいものであった。
マリアは前世でもたまにゲームをしていたので、またやりたくなったのかもしれない。
僕にレベル上げを任せる面倒臭がりなマリアだが、ゲーム事態は嫌いではなかった。
と言っても、流石に異世界の物を手に入れるのはな……。
そもそも、前の世界はマリアが滅ぼしてしまっただろうから、召喚の類いも難しそうだ。
僕やマリアの能力は、そう言った事に向いていない。
そう言った事に長けているのは、寧ろ⎯⎯
「でも、マリアお姉様が食べ物や睡眠以外で興味を持つことは他にないですし……何とか、ならないんですか?」
アリシュタがすがるような眼で、僕を見詰めた。
マリアの願いなら全て叶えて上げたいのは、僕も同じだ。
けれど、その為にアレと接触する事になるのでは、デメリットが大きい。
マリアの性格からか、性質からか、今はまだ他の6人にその居場所を察知されていない。
「方法がない訳ではないんだけどね……」
方法がない訳ではないけど、その方法は出来ればとりたくない。
「前に言ってた例の6人の誰か……ですか? お兄様の指示通りに、傲慢と色欲、嫉妬は既にその所在をつかんでいますが……」
アリシュタは僕が言葉を濁すのを見て、理由を悟ったらしい。
やはり、単純そうに見えても賢い子だ。
「まぁ、その3人に比べればまともではあるんだけど……アレは守銭奴だからね……此方の情報を、他の5人にも売られかねない」
傲慢は、馬鹿高いブライドを持つ女王。
此方の世界では、既に神聖スメラギ王国なるものを建国しているのを確認している。
色欲は、電波の入った異常な博愛主義者。
此方の世界では、既に自らを聖女とした宗教を発足しているを確認している。
嫉妬は、他人の持ち物を異常に欲しがる悪霊。
此方の世界では、既に国1つを丸々乗っ取った事を確認している。
この3人は召喚されてこの世界へとやって来たから、居場所が特定しやすかった。
何せ、召喚された国を滅茶苦茶にしつくしているのだから、分からない方がおかしい。
「守銭奴?……マリアお姉様の為ですし、いくらでも用意できますが……」
マリアの側には、権力や富を持った王子や僕、アリシュタがいる。
破格の値段を要求されても、金を用意する事は出来るだろう。
「……この話は暫く保留だ」
だが、簡単に頷く事は出来ない。
マリアをあいつらに近付かせたくない。
マリアの望みよりも、自分の願いを優先させる僕はやはり兄失格なのだろう。




