集うノンネームド皇族
皇都の近くまでスピアと共に転移すると,すぐに軍施設に到着した。
「あの! 始めまして,ヴィラン辺境伯閣下! 量産鎧開発部門主任のクリスティ・バトリーと申します!」
スピアから降りると,ツナギを着た茶髪の女が出迎えてきた。
肩書から量産鎧開発とのことだが,俺にこうして接触を掛けてきていることに関して身に覚えがない。
「量産鎧開発部門の人間が俺に何のようだ?」
「いえ,実はつい先日新型量産鎧を開発しまして,辺境伯閣下におかれましては今回のモンスター討伐ではそちらの鎧で御出撃して頂き存じまして」
「構わんが性能が今のスピアより劣っているようであれば、すぐに乗り換えさせてもらうぞ」
新型量産鎧の搭乗依頼ということで、俺としても量産型鎧の開発については推進したいと思っているので断る理由がない。
だが今回は鎧があんまりにもポンコツすぎると、倒しきれない可能性もある上、こいつらもポンコツでもOKだと勘違いして胡座をかき始める可能性があるので、使いものにならなければ切り捨てることをきっちりと言っておく。
「ご協力感謝致します! 全身全霊を持って整備をさせていただきたいと思います!」
クリスティはそう返事をすると走り去っていた。
ーーー
「今回の標的ーー識別名サンイーター,奴は直近では太陽を拝むことができないほどの規格外の大きさを誇る大トカゲだ! 生半可な実力のものでは奴を興奮させてイタズラに被害を広める可能性が高い! よって今回は少数精鋭による討伐を決行する! 接敵と同時に各自極大魔法を発動させて,奴を消し炭に変え,瘴気の大渓谷に誉を刻め!」
いつもの鎧の格納庫とは違い,上等な個室に案内されると,軍の最高司令官がそう今回の作戦について説明した。
周りのメンツが極大魔法が使える者ーー皇族ばかりであることからの特別措置と言ったところだろう。
こいつらの極大魔法がどれだけ通用するかで大きく難易度が変わりそうだが,見た感じネームドキャラはいないので期待はしない方が良さそうだ。
極大魔法を打って魔力切れになったら,デマキの転移で皇都に強制送還することにするか。




