人質逆転フラグ破壊
「クソが,鎧には火魔法が無力だっていうのは常識なのになんで一発目から弱点をついてくるんだボケが! 俺らは国まで落とした盗賊団だっていうのになんでこんなことになってんだ」
敗走する子分たちを押し除けて,逃亡するモールドは不平を言いながら野を駆ける。
今まで負けなしな上,自分たちが圧倒的な優位な立場にいることが多かったため,言ってる場合ではないが言わずにはいられなかった。
「チクショウ! 鎧は無限に生み出せても,野郎どもを集めるのは苦労するんだぞ!」
進行方向に村を発見するころになると,突如,上空に黒い悪魔が出現し,モールドは止まる。
『流石に数が多過ぎたか。一体逃すとはな』
「なんでだ! クソ! どうやってあそこから追いつきやがった!」
自分のファミリーを半壊させた張本人が出てきたことで,恐慌に陥ると,身を隠したい一心で村に飛び込んでいく。
「鎧だ! 逃げろ!」
「ちょうどいいところにいんじゃねえか! メスガキがあ!」
突如として来襲してきた鎧に対して,村人たちが逃げ惑う中で少女が棒立ちになっており,これを好機と捉えたモールドは少女を鎧の手で掴み人質に取る。
「ガキの命が惜しけりゃ,鎧から降りろや,ボケがああ!」
モールドこれで一発逆転できると確信して,恐慌から一転,愉悦の表情を浮かべる。
ーーー
「それで人質に取ったつもりか」
アホが少女を捕まえて,勝ち誇ったような声をあげたので,デマキの通常攻撃で首を飛ばした。
盗賊の鎧は力を失い,少女を手放したので,風魔法で下まで下ろす。
親らしき村人が慌てながら少女の元に駆け寄ると,「騎士様,ありがとうございます」と言い,少女を回収していた。
『嫌だ! 殺さないでくれ!』
「黙れ」
マイク機能がまた生きていたようで,喧しかったので,ハッチを通常攻撃で取り除いて操縦席から盗賊を引きずり出す。
「アジトの場所を教えろ。俺はお前らの存在の痕跡をこの世から抹消して,この地を浄化しなければならない」
「ヒィィィィ! アヴァロン王国,ホーリー山の廃坑道だ! 命だけは勘弁してくれ!」




