忘れられない墓
リアナは満ち足りた気持ちだった。
それは、騒々しい、あるいは完全な幸福感ではなかった。
それは、幾日も曇り空が続いた後、窓から差し込む午後の日差しのような、静かな温かさだった。
彼女には友達がいた。
アデルとアレクシアは、ほぼ毎日休みの日には彼女を待っていてくれた。
彼女たちは一緒に花に水をやり、些細なことを話し、水しぶきが跳ねると笑い合った。
彼女には、自分のことを気にかけてくれる人がいた。
宿屋の主人は、もうただ不平を言うだけではなかった。頼まれもしないのにアドバイスをくれたり、何も言わずに滞在時間を延長させてくれたり、時には何も言わずにテーブルにパンを一切れ余分に置いてくれたりした。
久しぶりに、リアナは自分が完全に孤独ではないと感じた。
その朝、訓練の後、彼女が木刀を手に取ると、宿屋の主人が近づいてきた。
「リアナ。」
彼女は顔を上げた。
「はい?」
宿屋の主人は森の方を見つめた。
「今日は重労働はない。
お願いがあるんだ。」リアナは瞬きをした。
「お願い?」
彼は頷いた。
「ちょっと一緒にどこかへ行ってくれないか。遠くはない。」
リアナはそれ以上何も聞かなかった。
「わかった。」
二人は村から北へ続く小道を黙って歩いた。
森を抜けると、背の高い木々に囲まれた、静かで小さな空き地が出た。
中央には、誰かが丁寧に植えたと思われる、柔らかな苔と野花に覆われた、簡素な石の墓が二つあった。
宿屋の主人は二人の前に立ち止まった。
「妻だ」彼は左側の墓を指さしながら言った。
「そして娘のエララだ。」
リアナは立ち止まった。
宿屋の主人は娘の墓の前で跪いた。
「いつも一人でここに来ていた。
いつも一人だった。
でも今日は…君に来てほしかったんだ。」
リアナは彼の傍らに跪いた。
彼女は何も言わなかった。
ただそこに立っていた。
宿屋の主人は石に手を触れた。「エララは君と同じくらいの年齢だった…あの時、あのことが起きたんだ。彼女は強くなりたかった。みんなを守りたかった。
君のように。」
リアナは涙がこみ上げてくるのを感じた。
「私も…私も愛する人たちを守りたい。
でも、傷つけてしまうのが怖いんです。」
宿屋の主人は彼女を見た。
「私も怖かった。
だから全てを失ったんだ。」
彼は言葉を止めた。
「でも君は…まだここにいる。
何度も立ち上がる。
何度も努力する。
それは私には決してできないことだ。」
リアナはうつむいた。
「今度…お花を持って行ってもいいですか?」
宿屋の主人は頷いた。
「ああ。
エララはデイジーが好きだったんだ。」
二人はしばらく沈黙した。
重苦しい沈黙ではなかった。
それは、二人が共有する沈黙だった。
まるで、もう何もかも言葉にする必要がない父と娘のように。
村に戻る途中、宿屋の主人が初めて口を開いた。
「来てくれてありがとう。」
リアナはかすかに微笑んだ。
「連れてきてくれてありがとう。」
宿屋の主人はうめき声を上げたが、今度はかすかに温かみが感じられた。
「まだお礼は結構だ。」 「ただ、立ち上がり続けるんだ。」
リアナはうなずいた。
そして初めて、彼女は自分の心の中に抱えているものが罪悪感だけではないことに気づいた。
希望も抱えていた。
そして、彼女を娘として見てくれる人がいた。
ここまでリアナの物語を読んでくださり、ありがとうございます。
もしあなたが、この物語に込められた重荷、消えることのない痛み、そして孤独ではないという小さな光を感じ取っていただけたなら、いいね、お気に入り登録、コメントは、物語の成長と発展に大いに役立ちます。
秘密はもはや彼女だけの秘密ではない…そして、それはすべてを変える。




