9 20歳のクリスマス
12月24日、隣町の商店街は小さなイルミネーションでほんのり彩られていた。
青は手をポケットに突っ込み、待ち合わせ場所でそわそわと立っていた。
「……遅いな。やっぱり断ればよかったかな」
そんな独り言を言っていたところに――
「青くん!」
凪沙が駆けてきた。コートに身を包み、息を弾ませている。
「ご、ごめんね。遅くなっちゃって」
「い、いや、今来たとこ!」
青の声がちょっと裏返る。
そうして二人は歩き出した。行き先は商店街の中にある喫茶店。特別なお店じゃないけれど、クリスマス用に小さなケーキが用意されているらしい。
席につき、温かいココアを前にしても、二人ともなかなか会話が弾まない。
「……あのさ」
「……うん?」
「メリークリスマス」
「……あ、メリークリスマス」
それだけで、二人とも真っ赤になった。
間を埋めるようにケーキを食べ始めるが――
「わっ」
青がうっかりフォークを落とし、ケーキのクリームが指についた。
「ど、どうしよう!」
「ふふ……大丈夫、ほら」
凪沙がハンカチで青の指を拭く。その距離が近くて、青は心臓がドキドキする。
気まずさを誤魔化すように、青はポケットから小さな包みを取り出した。
「これ……プレゼント。たいしたもんじゃないけど」
凪沙が開けてみると、中には貝殻で作られた小さなキーホルダーが入っていた。
「わあ……かわいい。ありがとう!」
凪沙の目がきらっと輝く。
「……その、なんか、海っぽいのが似合うかなって思って」
「ふふ、青くんらしいね」
喫茶店を出ると、空から小さな雪がちらちら舞い始めていた。
二人は並んで歩くが、手が触れそうで触れない。お互いに意識しているのに、勇気が出ない。
「……手袋、編んできたんだけど……」
凪沙がおずおずと差し出す。白い毛糸で作った手袋。
「えっ、これ俺に? 本当に?」
「うん。ちょっと下手だけど……青くんの手、冷たそうだったから」
青は真っ赤になりながら、それを受け取った。
「……ありがとう。来年も……いや、ずっと使う」
ぎこちないけど、心からの言葉だった。
その夜、海辺を歩きながら、ふたりの笑い声が少しずつ増えていった。
まだ恋人とは呼べない関係。でも、クリスマスの灯りに照らされて、その距離は確かに縮まっていた。
入江凪沙とは、ナギが高校生になって再び青の前に現れた時の名前です。ナギは人間になって青のそばにいると決めたので、青の26歳の誕生日までナギだと知られてはいけないという人魚族の掟を守らなければならないです。だから、髪を長く伸ばして、入江凪沙と名乗っているのです。
アイデアを出して、AIが書きました。




