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ケッペキショーの珍道中  作者: 朱華
初めましてスラム街
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58 入学準備



「受かったぜー!いえーい!さらに一位だよ!褒めて褒めて!」


またもや、診療所の会議室で報告会が開かれております。


「おう!まあ予想はしてた。良かったじゃねえか!」


「そんなら入学祝いでもやるか!何が良い?」


「俺は猫…の、ぬいぐるみでもやろうかな。」


「では、儂は鞄でもやろうかの。持っておらんじゃろ?」


「わーい!良いんですか?ありがとうございますっ!猫のぬいぐるみ可愛いですよね!鞄持ってないしこれから必要になるだろうからありがたいです!あと…そうですね。傘が欲しいです。今までは雨降ってもずぶ濡れで歩いてたんですよね。ドンは久しぶりにオムライス食べさせてね!あとケーキ!」


一月に一回のご褒美の時にたまに食べて感想と意見を言って、ドンのとこの料理人が研究して、また意見を求めてって感じでオムライスたまに食べてたのよね。中々に完成度が上がってきて、今じゃ日本のデパートとかで食べた物より美味しいくらいだ。


「なんだ、そんなもんで良いのか?よし、たらふく食わせてやろう。」


「じゃあ俺は傘な。何色が良いんだ?」


「え?黒しか無いんじゃないんですか?」


平民街で差していた人達は皆黒だった気がする。…でも確かに今まで女性が傘差してるのを見る機会は無かったかも…


「色々あるぞ。傘の生地は大概撥水加工した絹の布だからな。」


「そうなんですね!高そう…悪いな〜。感謝しまーす!…それじゃあ赤系統の色でお願いします。可愛いけど子どもっぽ過ぎないのが良いな!」


「難しいな!テキトーに選ぶぞ!」


「はーい!それで良いです!」


「では鞄の色も選ぶかの?形状なんかもあるよのぅ…」


「色ですかー……でも、鞄は丈夫な方が良いので革製のが良いかな。そうなると色も何も無いしね。形状は背中に背負う奴が良いです。」


この時代、革は革のまま、色をつけたりもしないから大体茶色だ。


「うむ…革製の背嚢とな。分かった。良い物を見繕ってやろう。」


「ひげ爺、皆さんありがとうございます!」


「おう!気にすんな!んじゃ、さっそく現実的な話に戻るぞ。金はいくら貸して欲しい?」


「うへぇ……えーとね、とりあえずはいらないかな。学費免除とか色々受けられる事になったからさ。ただ、医療学校に入ったら貸して欲しいな。寮も無くなるから部屋もどっかで借りないとだしさ。」


「それならまたその時になってからで良いな。次は診療所の事だが、午前は学園で来られないだろう?午後だけの契約に書き換えるが良いか?」


「その場合給料はどうなるの?今までの半分?」


「まあ、それで良いだろ。きっちり時間で計算する必要は無ぇ。」


「分かった!それで良いよ!診療所お休みの日はやっぱ雇ってくれないよね?」


「仕事がねぇからな。」


「分かった。じゃあ休みの日は今まで通り学校開けるね。」


昼休みは中々時間が取れないだろうから、どうしても難しくなるけどね。


「あぁ。その事だが、他の奴らからも依頼が来てる。結婚式の時のように診療所を囲むようにしてなら、違うギャングのガキ合同で授業が開けないかと。」


「どうなるのか興味深いのでな。」


「縄張りの住人を勝手に売る奴がたくさんいる。狙われやすい子どもの数だけでも把握しておきたい。」


「俺んとこは今、若い奴らがあまりいねぇ。有望そうな奴をそこで見つけられたら手間が省ける。」


「なるほど〜!それぞれの思惑が一致したんですね。あ、でも、ドンはどうなんです?私、割と強引に許可貰った気がするんですけど。」


「まあな。最初はそんなに興味無かったんだけどな。俺はその中から嬢ちゃんのような子どもが出てこないか期待してる。おもしれぇ上に役に立つからな。」


「ふひひ!やったあ!じゃあ生徒集めお願いしますね!南側もそろそろ生徒増やそうかと思ってた事ですしね!今は昼に来られる子が少なくて女子校状態になってるんですよ。」


もっと賑やかになったら嬉しいな!


「おう!下っ端共のガキにも声掛けてやるよ。」


「俺も…それに孤児にも触れを出そう。」


「では儂は子のいる大人にも知らせよう。」


「俺は嬢ちゃんに一任したからな!面倒事は御免だ!」


…んな堂々と言わんでも


「ま、いいですよ!代わりに診療所で患者さんに宣伝する許可ください!」


「構わん!好きにやれ!お前らもいいな?」


「おう!」


「構わない」


「良いぞ」


「じゃあ決まり!よーし!がんばるぞ!」


おーっ!って、拳を天高く掲げてふと思い出した。


もう一個相談あるの忘れてた…気が重いよ……



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