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ケッペキショーの珍道中  作者: 朱華
初めましてスラム街
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45 未来への逃避(投資)



「ただいま〜!私のごはんちゃんと残しといてくれた?」


「おう!おかえり!チビから守っといたぜ!」


「よっしゃ!いただきまーす!」


今日のメニューはパン一個とスープのみ。豆はついてない。あとスープの具も少し減らしてる。


ハンス兄とハンナ姉の年長二人組がいなくなって稼ぎが落ちたから食事もちょっと節約気味なのよね。さらに言うなら今度から診療所に供給する水の契約が切れるからその分の給料も減るし、そのための予防策かな。


おチビ三人組のジン・ナサラ・タユタは、ジンももうすぐ九歳になるから解散だけど、新しくジンより年下のエルーが入ったから新トリオ結成かな?…とにかくお腹が減るらしい。いや、私も減るけどね。あとゼムも減るとは思うけど、大きくなったら我慢できるじゃん。


という事で吉報を報告しておこう。


「今日ね、診療所の医者がようやく見つかってね。私は引き継ぎを終えたらお役ごめんになったんだけど、助手としてまた雇って貰える事になったから、給料とか契約とかはまだだけどとりあえずなんとかなりそうね。」


「はぁ〜〜〜!良かった!水と治癒士の金が一気に無くなったらどうしようかと思ってたんだ。貯金を切り崩さなくて済む。」


「そうだね。今までの給料が一日二マン五センエルで、これから水も治癒士も無くなったら一マンエルに減っちゃうもんね。これからも毎日これは辛いよ。」


「だな。せめてチビには腹いっぱい…は無理でもひもじくない程度には食わせてやりたい。」


ハンス兄達がいた時で子ども七人、切り詰めれば一マンエルとスラムの人への水売りや他の兄弟が稼いだお金で充分生きていける。


生きてはいけるけど…ね。


今は六人で水の収入が無くなるとしても仲裁代で一マンエル、プラスアルファの助手賃があるから多少の余裕を持って生活できると思うけど、助手賃無いとやっぱ厳しいのよねー。


「んー、やっぱ貯金厳しく無い?今ある奴はそのままにして置くとしても、これから先はさ。」


「でもあれだろ?なんってったか…ハンス兄が言ってた未来への逃避?って奴なんだろ?」


「それを言うなら投資だね。」


未来へ逃げてどうする。


「まあそうなんだけどさ、それで今チビにひもじい思いさせるのもな、って。とりあえず次の仕事決まったから良いっちゃ良いんだけどさ。」


食事減らすのは緊急措置だったからね。明日からはいつも通りの量に戻せるよ。


「でもよ、ハンス兄がいずれ使う時が来るって言ってたぞ。それにその場合使ってもちゃんと後で返って来るって。」


「なにそれ?聞いて無いんだけど。…でもま、確かに誰かが病気になったり怪我したりするかもだしね。もしくは家の修繕が必要になったりね。」


「そういう事じゃねぇの?」


なーんか頼りない二人だな。これで大丈夫か!?子どもの家!


あと返って来るって何だ!?



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