公爵様からの手紙
ぱたんーーー
家に飛び込みドアに背をつけずるずうと座り込んでしまった。
「外怖い…」
明はしばらく動けなかったが足に力が入ることを確認し立ち上がりふらふらとキッチンのテーブルまで歩いて行った。
お鍋を置き椅子に腰かける。
「この世界あんなモノがたくさんいるの?RPGなんかじゃ剣とか魔法とかゲットするフラグだったりするけど私にそんな才能無いし…剣道でもやっておけばよかったな…ん?」
ぼやきながら机に突っ伏そうとしたとき、机に一枚の紙が置いてある。
『この家にたどりついた方へ
ここはヴォテック公爵家が管理する家です。
自由に使っていただいてかまいません。食料はほんの少しですがあります。
魔の月が訪れ8の月の1の日に浄化の魔法を行いました。今まで10週かけ森は浄化されていき魔のモノは姿を消します。
この家には魔のモノが入ってこれない様守りの魔法も掛かっています。
階段脇の部屋に本がたくさんあります。階段下に洋服が何着かあります。
あなたの安全が守られますように』
「・・・お茶を入れよう。」
お鍋をもちコンロにかけお茶を探すもさすがにそれは無かった。
「考えなきゅいけないことがいっぱいあるけど…しばらくはこの家にお世話になった方がいいってことだけはわかった。そのつもりだったけど…外怖いし」
お湯がわき、コップに移し乾パンと共に口の中に入れて食べる。味気ないけど食べれないモノではない。
「これ食べたら布団を干そう。キッチンの外側に干せそうなところがあったし。使わせてもらっているんだから家もしっかり整えて…ひとり暮らししたことないからできることから少しずつ」
少ない食事を終え明は昨日寝た部屋に入った。
ベッドの他に机と何も入っていない本棚があるだけの簡素な部屋。窓は二つある。
ベッドにかかっている布団とシーツを持ち家の外に出て左手の屋根がせり出ている場所にいく。そこには薪がたくさん積んであり屋根から二つ金属が吊るされていた。薪に上に布団を置き見渡すと太い木の棒がありそれを金属にかける。
「洗剤が無いから洗えないけど干せればね~。後は布団だけど干せそうだね。」
家に戻り布団を持って干し終える。
「起きた時が川の方に太陽があったけどちょっと高くなってるから川の方が東で家の裏が西か。これならしばらく干せそうだな。あとは…水ぶきはできないけど掃除はしたいよね。箒あるかな~」
ここには薪以外何も見当たらない。
「作業部屋にも無かったしな~まあまだ家の中の探索終わってないからゆっくり探そう」