共石討伐
「いいな、あんたがいるなら行けそうだ」
ヒースはマットの腕を見抜いた様だ。ハイロであれば剣を合わせないとわからないのに、一目で見抜く者がいる。ヒースと話す機会があれば聞いてみたいものだ。
「俺はマットだ。こっちはハイロにカレン。こいつらは自分の身を守れる程度だが、鳥楽屋の主人を守るぐらいはやる」
「あんた、話を聞いてただろ。報酬はそっちだからな。銀米屋は無関係だ」
サイファが口を挟んだ。
「わかってる。俺達は間留に向かうんだ。行く先での手伝いで路銀が別にかかる訳でもない」
「道中は俺が飯を作ってやるよ。俺の飯はうめぇぞ」
ヒースが腰につけたいくつかの小袋を手に取った。おそらく香辛料を持ち歩いているのだろう。
「そうか、それは楽しみだ」
ハイロも同じ気持ちだ。マットはここに来るまでの間でカレンに料理をさせるのを諦めていた。
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共石は廃村を拠点にしていた。村の周囲には見張りがおり、気づかれずに接近するのは難しい。マットはハイロを連れて村を見渡せる高台に登った。距離はあるが村を見渡す事が出来た。
「ハイロ、どう思う」
「人質がいます。せめて何処にいるかを知りたいですね。わかればマットさんに駆けてもらいます」
「ひでぇ作戦だが解ればやってやる」
「では、マットさんとヒースさんはそれぞれ北と南から村に攻め寄せて下さい。カレンは東からゆっくりで良いです。僕は西側から人質のいる場所に向かいます」
「予測がついたのだな。人質がいたらサインを出せ、駆けつけてやる。あと、カレンにゆっくり行けとか無理をするなとか言うなよ。ムキになるからな」
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北と南から二人が攻め始めたのだろう。村の中が騒がしくなっている。ハイロのいる西側は森が近く、気がつかれずに近づく事が出来る。
ハイロはシカの話を思い出していた。
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「人質がいるとしたら、どう攻めますか? 人質はあなた方の大切な人としてです」
その問いに、ランカは人質に剣を向けられるよりも早く斬れば良いと答え、リュカは周囲に火を放ち様子を見ると答えた。その時ハイロはどうしても攻めないといけませんか?と言ったのだった。
「人質はどう取り返しますか?」
「交渉します」
「交渉出来るかはどう見極めますか?」
「それはわかりません。ただ人質は交渉する為のものなので、相手も交渉を望んでいると思います。相手にとっては例えばお金の方が価値があるので、交渉する事自体は難しくないのだと思います」
「面白いですね。ですが、あなたが思う以上のお金を要求してくるかも知れませんよ」
「それでも、相手にとっては人質以上の価値があるはずです」
「そうですね。大切なのは相手の選択肢を減らす事です。少しでもお金が入れば良いと思わせる事が出来れば、交渉は終わりですから」
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あの時、ハイロは交渉すると言ったが、今はライカの策をとっている。自身にはライカ程の武はなくても、マットさんとヒースさんがいる。
人質のいる家のあたりは付いている。他の家と違って扉が閉められており外側に1人が立っている。また、窓に何か格子の様なものも見えた。




