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ゴブリンキングの外憂  その7

噴出すように穴から飛び出す触手の群れ。

穴一杯に触手が噴出してくる状態を見せられ。

《アビス》で開けた穴を閉じる。


だが、間に合わなかった。

触手を穴の中に振るように、もしくはスリングで球を打ち出すように白饅頭が穴から飛び出す。

ブチブチと閉じる穴に引きちぎられる触手を無視して、白饅頭は何事も無くわしの目の前に現れた。


わしらは魔王グラトニーを舐めていた。


『ダメージもないのか?』わしは冷や汗をかいて生唾を飲み込む。

こりゃヤバイ。


《念話》でダメだったことをメアリーに告げて《念話》を切る。


ホーリィと話したかったが勝つと約束したし未練になるからやめた、他の奴等にも同じだ。


わしは獰猛な笑みを魔王グラトニーに向けて。

『しかたない最後の手段だ!!』




向こうは向こうでなんか起きていたようだ。


残していった割と戦闘力の低いコボルトやゴブリンたちが空飛ぶ商店街に乗って全員来ちゃったみたいで・・・

『ここでみんなが死んじゃったら、どっちにしてもノラに戻るしかないから全員で来た。』と。


なんでも、あそこに残してた一角コボルトが空飛ぶ商店街を動かしているタワーに行って操縦手のみんなに部下共々土下座したことから事が始まった。

国と国の間で決めたことの中に兵士武器の運搬は禁止されているとなっているはず、前回も無視してるかもしれないって言われ始めてるのに・・・またここで同じことをやるわけにはいかない!って、当たり前なことを言われちゃったらしい。

だけど、お願いだから我等だけでもあそこにおろしてくれないかと・・・で、外を見るとタワーの周りに大勢のそこで働いていたゴブリンとコボルト達が集まってたんだって。


でも、それも出来ないって、断ったんだよね。

ガードマン(守備隊)を兵と認めちゃう行為になるからなんだって。

下にいる人達も兵士の輸送になるからダメって話で・・・


なんだけど、ダニーの商業ギルドの人が、うちのダニーもあそこにいっちゃてんですよ何とかなりませんか?と言い出したことから話が変わっていったんだ。


『何で総責任者が戦場に?!!』ってなって。


さらには、何故か乗ってた山エルフさんが

『お人好しの友人の為に、私からもお願いしたい。』と言われて。


『もう!!分かりましたよ!!回遊の途中であの戦場の近くで機器の故障が発生緊急着陸の後、機器の普及し離陸する、その際に乗り込んでいたお客さんが危険地帯に下りると言うアクシデントが発生!!』とかこんな感じでいいですか?としぶしぶ承諾したところに・・・


『ふむ、ついでにゴブリン城に向かってからそれをやってくれるといいんだがね。』とクスリと笑いながら山エルフが言った。



その後、操縦手は空を仰いで彼等の神に祈りをささげるような格好をしたそうだ。



ぞろぞろと、降りてくるゴブリン&コボルト達


『牙ある物は噛みつけ!爪ある物はひっかけ!!物を持つものはそれで叩け!!』


『ワンワンウォ~ン!!』


『メアリーよぅ。お前の設計図がないと仕事が滞っちまっていけね~や。』と棟梁コボルトが・・・

『棟梁まで?』

うんうんと頷く棟梁コボルトそして、『おい!野郎共!!分かってるな!!うちの施主兼設計士を命がけで護れ!!』


『お~!!!!!!!!!!』

むき出しの太い右腕を点に突き上げる物たちホブゴブリンやオーガなんかも混じってる混成チームだ。



メアリー後ろを向いて『馬鹿』と、ちょっと涙ぐむ。




あれ?ちょ!まて!城に誰もいないの?それってダメでしょ?っと思考が元に戻ったメアリー

『留守番はクロイツさんがしてくれるって。』とそっけない返事。



『やれやれ。みんな行っちゃいますもんね。まぁ、静かになっていいことですよ。』

小さな山の上にちょっと不恰好にティーテーブル置き、それに合わせた調度の椅子に座りながらお茶を楽しむそぶりのクロイツ、軽く首を振りながら『う~ん』を繰り返している。


『それにしても無粋ですね~。』と山の全貌を見る、オークだ。

オークの死体の山に上でお茶を楽しんでいるのだ。


『そこに、お隠れになっている人族の皆さん。』と、何かいるようにも見えない森の木々に向かって語りかけるクロイツ。

『ゴブリンキング様のいない時に攻め込むなんて無粋なことはやめて堂々と攻めてきた方がいいですよ~その方がワタクシ、本気出せますしね~♪』仮面を笑った口で一杯にしながらクロイツが語る・・・・


森が動いたような気がした。


引き上げたのだ。






わしは、魔炎龍王モードに切り替え巨大な龍になると。

『さて、喰うか。』

魔王グラトニーを両手で押さえながら巨大な顎で食いつき咀嚼する。

つるりんっと何事も無かったかのように白饅頭のままのグラトニー。

わしは確かに食いちぎってるのに何事もないような状態になる。

向こうは触手を出してこちらを喰いにかかっている。

もちろん、ドラゴンオーラで防いでいる。


『ドラゴンフォース混ぜて食いついたら~いけるのかな?』とか思ってやって見るが変化がない。

とにかく向こうも喰ってるしこちらも喰っている。

どっちかが喰われたらおしまい。


わしが勝てば、こいつとオークエンペラーの力の一部を得ることが出来るかもしれない。

こいつが勝てば、世界が食われる。


う~む、負けるわけにはいかないが・・・・負けてもこの世界自体がなくなるからなぁ~・・・どうなの?



わし、頭悪いから難しい事わかんないよ。


そうこう言ってるうちに、ドラゴンオーラが弱まっているのかわし自身が食われている。

急速再生で再構築して対抗しているが・・・


まずいな・・・


向こうは余力があるが、こっちにはないぞ。

赤い液体も、ポーションもさっきので使っちゃったし、何しろこの姿を維持するのも生命力ががりがり削られちゃうのだ。


長く続けば必ずジリ貧。


まいったな。


そうこうしているうちにドラゴンオーラが切れた。


そうして、わしの最後の一口を魔王グラトニーが喰い終った。

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