ゴブリンキングの迷惑 その18
剣の女神のことを忘れていたわし。
ケパレーの草原に行かなくては・・・・
怒ってるよねきっと。
メアリーとポーその護衛の赤エルフと一緒に、ケパレーの草原へ
ケパレーはわしらの住むゴブリン城からは南にある。
フォロボスは北ね。
ガタゴトとゴブリンライダーの牽く荷台に乗っているが、不安だ~
ポーは、アーカイブに剣の女神を収められたらいいなぁ~っとついてきたわけですが。
で、剣の女神って強いの?って聞いたら分からないから見に行くんですよ~ってさ。
ん?ちょっとまてわしが実験台にされてないか?
と言うことをやっていたらついた。
草原にはそよ風が吹いてすがすがしい空気・・・・ではなくて、青い鎧と兜を被った女性が金髪を逆立てながら怒気をこちらに向けていたまるで突風のように・・・
わわわ~っと、メアリーとポーが赤エルフの後ろに・・
いいけど、赤エルフ顔かなり引きつってるぞ。
よっこいしょっとわしは荷台を降りた。
『すいません遅くなっちゃいました。』先ずは謝っておかないと。
少し落ち着いたのか逆立っていた髪の毛はもとにもどった。
そして、鈴の音のような軽やかな声で。
『お前がゴブリンキングか?』
『わしがゴブリンキングだ。』
ジーっと見て。『その姿は、偽りだな。』なんだか見られてるだけで身体中切り刻まれている感じがするんですけど?これって殺気?いや、剣気ってやつか?
バラバラに切り刻まれたわしのパーツを検分しながら頷いているかのようで・・・
女神とは名ばかりで怖いですこの人。
『忌々しい闇の月の王に言われなければこんなところに来ることも無かったろうに・・・さぁ、さっさと済ますことにしよう。
私を納得させることが出来たら剣の力を解放してやろう。』
『えっと?どうしたら納得するの?』
『もちろん剣だ。』と、今までどこに隠れていたもしくはどこにいたのかと思う剣達が現れる。まるで津波か花吹雪のようだ。
『まった!』わしは元の姿に戻りたい。
メアリーに、ごーよくぷりーずと懇願。
頷くメアリー
『へっぽこ剣の女神なんかさっさとやっつけて!!』
ぐぉ~ごうよく~!!
『ほぅ。私を散々待たせた挙句。愚弄するか。』
あ~、ごうよくしぼみそう~
『ごめんなさい。ごめんなさい。元の姿に戻すのに強欲が必要なんです。』メアリーが涙目で叫んでる、本気で凄いなこの女神。
ギリギリで元の姿に戻ったわし・・・よかった。
『えっと・・・』
『わかっている。彼女達には攻撃しない。ただしお前がそれを利用しようとしたらその限りではない。』
逃げてこの人本気だから。
ということで、わし以外はかなり離れたとこに行ってもらった。
向かい合った感じでは、人の女ぐらいの大きさなのに気配は土地神様ぐらいかなでも本気じゃないみたいだし?
『さぁ、私を納得させてみろゴブリンキング!』と右腕を突き出しわしを誘った。
わしは前に出てぶっかき丸を振り上げる。
剣の女神は舞うように左手のゆるく振る指先がわしに向く瞬間、一斉に剣の波が襲ってきた。
ぶっかき丸で先頭の剣を叩こうとしたら。
何本かの剣が盾になるように並びぶっかき丸の打撃を受ける。
数本の剣が砕けまたは折れ地に落ちる。
わしのぶっかき丸は切れ味は最低だが破壊力は最高だ。
盾を形成していた剣達が圧されている状況。
このまま行けば。剣の女神を間合いに入れられるかと思ったが、盾の後ろで無数の剣が打撃を加え始めたさらに数本の剣が砕ける・・・・やがて、累積された打撃がぶっかき丸の破壊力を超えたとき花が開くように、そして打撃の勢いを乗せた剣の群れが砲弾のようにわしに撃ちこまれた。
ドラゴンスケイルをすでに使っているわしにすらやすやすと突き刺さってくる剣達。
ドラゴンブレスを吐くことでなんとか追撃を阻むわし。
ルーン文字ぶっかき丸×6を刺さった剣を抜きながらを展開したわし。
ぶっかき丸で攻撃したら剣が砕けたことは・・・全部剣壊しちゃえばいいじゃん。
こっちのダメージもあるけどさ~時間もかかるけどさ~
やったれ~!!
数刻後。
地面に両手をついて肩で息しているわし
にやりと笑って
『剣は全部壊した。後はあんたの腰に刺さった一本だけだ。』
女神は顔色一つ変えていない。
両手の手のひらを上に向け手を左右に広げながら。
『私の剣は戦士の魂。決して折れることは無い。何度でも立ち上がる。』
ほのかな光をまとった無数の剣が復活した。
ずるいよ~それ
再び剣の波がわしを襲った。
わしは黒い瘴気の吹き上げた。
魔神モードだ。
瘴気の渦で目隠しで女神に向かって突撃~
身体強化魔法をかけて魔力の盾を展開して、でもあっさり消えるので展開しまくって・・・くっそ。
攻撃やまない。
隙すらない。
だが、瘴気の渦を抜けたわしの姿を女神が見た瞬間。
攻撃がやんだ。
その瞬間を逃さない足を止めるな。
『その顔は・・・闇の・・・』
『そうだ』
『そうだわしは人見たいなものの顔を覚えられなかったからな』
ん?なんか変だったぞ。
今なんかわしの口から二つの声がでたような?
だけど明らかに、剣の女神は動揺している。
今がチャンス。
女神を守ろうとする剣達をルーン文字ぶっかき丸×6で抑えて。
わしは間合いに女神を捕らえ渾身の一撃をはなった。
あれだけ剣に守らせているのだからこの女神自体は脆いのではと一縷の願いであったんだが・・・
後方に吹き飛ばされた女神を剣達がまるで自分が鳥の羽であるかのようにやんわりと受け止める。
起き上がる女神・・・
ダメージは・・・・無い。
離れた位置から一気にわしに間合いをつめる姿は背に剣で出来た羽を羽ばたかせているように見えた。
美しくも冷え冷えとも
わしは《黒炎》と、この間サンダージャイアントを喰って覚えた範囲攻撃魔法《黒雷》を放った。空から地に降り注ぐ黒い無数の雷撃それをぬって打ち込まれる《黒炎》。
魔法の範囲から逃れる動きをした剣達。
だが、その魔法に飛び込んできた女神。
放たれた魔法を回避しながらわしに接敵し左の腰にあった剣を抜くと同時に切りつけてきた。
ぶっかき丸で防御するわし・・・ん?
剣の女神の持つ剣は何の飾りも無い細身の剣なのにぶっかき丸の破壊力を軽々と受けてさばいてる。
無数剣達はいつの間にかわしらを取り囲んで柄を上にして空中で制止している。
女神は笑っていた。
ふられる剣のひとふりひとふりがわしを追い詰めた。
最後には地面にひざをつくわしに剣を突きつける。
突然。
『よし、いいだろう。剣を出せ・・・力を解放してやろう。』
『へ?』
『理由はどうあれ一撃喰らうとは思わなかった。』
『?でも今までの攻撃は?』
『ん?憂さ晴らしだ。』
くっ!こいつ!やっぱ怖い!!なんで、この世界の神様は怖い奴ばかりなんだ~!!わしは癒しが欲しい~~~!!!
ということで、ぶっかき丸を差し出した。
手をかざす、剣の女神。
厳かな声と共に光るぶっかき丸。
やがて光は収まり。
ぶっかき丸には見た目変化は無い。
『さて、この剣はどんなちからの解放を望んだと思う?』
ん?もちろん。
『破壊力』
『正解だ!』女神はとてもいい笑顔で笑った。
わしですら美しいと思った。




