表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/140

【51】羽ばたけ仮初の王

やべえ……。GWけっこう忙しいな……(・_・;)

一日三話くらいできるかと思ったけど無理じゃな。


あ、そういえばいつのまにか総アクセス数10000超えてました。

ありがとうございますm(_ _)m。



「はあー……」


鎖につながれ、大敵の湿度に巻かれ、

私のJKとしての価値が失われつつある。


鉄格子の小さい窓から覗ける空は大きく、青く澄み渡っている。

白い羽や黒い羽が、たまにひらひらと落ちてくる。

鳥はいいな、自由で……なんて思い始めた頃には、

もう囚われてから一週間が経とうとしていた。


「……まっずいなあ」


あ、ご飯じゃなくてね。

いや、飯もまずいけど。


――人間化の薬の効果が、切れつつあるのだ。


ハリと艶のあった肌は今や黄土色に変色し、

特に笑ってもいないのに頬が窪み、

緑色になる両頬がカピカピに乾き、

ぼろぼろと緩やかに皮膚が死んでいく感覚がする。


……ああ、鏡がなくてよかった。

想像しただけでもおぞましい!


「……はあ」


……なーんか、面倒くさいことしてんな、私。


いや、違う。面倒くさい事をしてるんじゃなくて、

面倒くさい生き方をしてしまっているんだ、私は。


今まで背伸びをして、王様を気取ってみたけど。

やっぱり私にその才能はなかったかもしれない。


だって、私は負けた。

勇者に、惨敗してしまった。


臣下のみんなを救う立場でありながら、

守られていたのは、常に私だった。


私のせいで、私の目の前でゲイブは死んだ。

イルガスも死んだ。ブラッドだって、私の

知らないところで息絶えたらしい。


『南の賢者』がいなかったら、

今頃どうなっていただろか。


みんな、元気かな。

ちゃんと生活してるかな。

代役は立てたのだろうか。


私の代わりは、ちゃんといるのだろうか。


「はは。なーんて……」


私の代わりなんて、いくらでもいるだろう。

私は、みんなの王になりきれなかった。


悪逆の王として、正義を蹴散らすことができなかった。

ただレベルMAXっていうチートを持ってる、ただのJK。


いや、今はただの半魔か。


ゴブリンでも人間でもない、ハーフゴブリン。

なんの役にも立っていない、仮初の王だった。


ああ、自分が嫌になってくる。


もっと、ゴブリンになりきればよかったのかもしれない。

もっと、人間の矜持を捨てればよかったのかもしれない。


たとえ暴君になろうと、たとえ圧制者と罵られようと、


私は、ゴブリンの王に、「なりきる」べきだったのだ。


「ごめん―……ごめん、みんな」


気づけば――頬から涙が一つ――また一つと流れていった。


異世界で流した最初の涙は、

悲しみの涙であったことを、

私は一生悔やむだろう。


もう私には分からなかった。何が正しいのか、誰が

本当の王の器足り得るのか。そんなのどうでもいい、

ただ、私がみんなの王だって認められたい。


必要とされたい。


必要とされたい。


必要とされたい。


元ニートだった私に、更生するチャンスをくれた、

あのゴブリンたちに、報いたい。必要とされたい。


でも、それってどんな王様なの?


皆は私に、一体どんな王であることを要求するの?

……聞いた試しがなければ、言われた試しもない。


自分で解を探すしかない自問自答の悔悟。

ただ見つからない答えに、惑い、苦しむ。


空に向かって、私は救いを求めるように

手を伸ばした。


ああ、鳥よ。

空の走者よ。


こんな私を、もう一度空に―……。


試練で見た、ノイリーとともに見た、

あの空を。

あの夢を。


もう一度見る、チャンスを―……。


「――おい、侵入者だ!」


怒号が響いたのは――その直後。


新しい羽が牢獄に落っこちてきた、


その直後だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ