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【114】最初で最後のゴブリンヒーロー

一番好きなロトムは電子レンジ、

どうもシノンです。


やーっと魔女戦終わります。

さいきん本当になろうをやる時間ってのがなくて、

応募する作品やらポケモン(これ九割)やら勉強やらで、

自由な時間(ポケモンランクマに潜る時間は除く)というのが

壊滅的に存在しません。寝不足です。みんなに心配かけてます。


去年はこんな状態で救急車に運ばれたので、

ちょっと気をつけながら過ごしたいと思います。


なろうは基本的に感覚で書くのであまり体力削られません(^^)。


恋愛ものとかはかなりフラグやら対人関係やらに気をつけるけど、

この作品は基本的にフラグは立てるだけ建てておいて

まったく回収していかないスタイル(笑)なので……、

本当に素晴らしいなろう作品の箸休めのような感じで、

今作を読んでくれれば幸いです。


「――安心しろよ坊主。

テメェが馬鹿みてぇになく場所は、

この俺サマが作ってやるからよォ」


赤ん坊の柔らかい指。それに巻きつけた

ゲイブのゴツゴツとした指の感触に、

人間の子供は一瞬泣きそうな顔をし、


「……きゃはは」


泣き止んだ。


目の前の人物の暖かさに気づいたように、

笑顔を見せても大丈夫だと、無意識に

認めた――安心の保証の笑顔だった。


戦場でありながらほっこりとした

空気感で包まれはじめる、その、

魔女の権能空間で。


「……ふっ――ふざけないで……!」


その無邪気な笑みに対して、

邪悪な怒りに顔を歪める、

悪の権化――東の魔女。


「あなた……、たかがゴブリンの分際で……!

私の作った権能空間に侵入したっていうの?」


魔女のたわごとにゲイブは、ハンっと鼻を鳴らす。


彼らが扱う――権能スキルというものは、

基本的に『発動したら終わり』の代物だ。


線香花火みたいなものだと思ってもらっていい、

要するに使い捨ての奇跡のような現象である。


たとえばゲイブの『絶対意思プライド』、

これは『一定時間、無敵に意思で魔力を爆発的に上げる』という

効果を持っていて、効果時間が切れたら魔力値はもとに戻るのだ。


しかし、魔女の権能スキルは不可視の空間を作り、

そこに特定の人間を引き入れることができる。

その空間のなかでは、権能が長時間持続する。


――ゲイブがしたことは、

その権能空間を形作るマナに干渉し、

人の『人形化』を強引に解いたのだ。


「ガバガバだったぜ、テメェの権能空間の結界は。

ここにいる人間たちを人形にしたら、それ以上の

手入れはしてこなかったんだろう。テメェは、

自分のスキルを磨くことを怠ったんだ、魔女」


「………ッ!」


魔女は声にならない怒りの感情を前歯に

こめて、柔らかい唇にぐぐっと食い込ませる。

ダラダラと血が流れることも気にせず、

真っ白な前歯がトマトのように赤くなっていくのも気に留めず、

ひたすらにゲイブを睨む。


……だからだろうか。


彼女は遅れて気づいた。


自身の肉体が老婆のように急速に老いはじめ、

若く取り繕っていた体が崩壊していっていることに。


「なっ……」


それを予期していたように、ゲイブ。


「――テメェにはそれがお似合いだぜ、東の魔女」


ザッと。

崩れ落ちる魔女にたちふさがる、

ゲイブの圧倒的な圧力と熱量に。


彼の背後に守られた人間たちも、

思わず興奮の声をあげた。


「ありがとうゴブリン!」


「私たちの英雄!」


「ゴブリンヒーローだ!」


次々と、各々の熱い思いの丈をぶつける、

ゲイブたちに救い出された人たちの声援。

それらすべてがゲイブを肯定するものであり、

心から感謝し、祝福するものである。



――ああ、イズミ。


聞いてるか。


知らなかったよ。


人から感謝されるって、

こんな暖かい気持ちがするものなのか。

もう覚えてねえ母ちゃんに抱かれてる気分がする。

たまには悪くねなあ、らしくねえことするのもよ。


――ゴブリンヒーロー。


果たしてそれは、彼が負うべきだった『王』という

地位からは、とてもかけ離れていて。ただひとつ、

信頼と賞賛の声だけが――。今のゲイブを、『王』

以外での『特別』たらしめていた。


仲間を、

忠義を、

人を、

守らんとした者だけに与えられる――この上ない、名誉だ。


「終わりだ東の魔女。西の勇者のもとまで案内しろ」



ここに、彼の『絶対意思おうのちすじ』は蘇った。













求めていた『特別おう』になんて、なれっこない。


それでも名前も知らない誰かに、『特別ヒーロー』だと認めてもらえたなら。


きっと彼は、どこまでも戦える。


拳を握ることができる。

牙を研ぐことができる。

脚を踏ん張ることができる。


ただ1人、特別な誰かを、守るためなら


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