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【80】南北会議①

この一週間いろいろあって、

なんか「なろう」で小説書くのが

すんごく久しぶりな気がします。

ここで小説を書けば、必ず呼んでくれる方たちがいる。

そのことにすんごく安心感を感じます。ここまで読んで

くださっている読者さまたちへ、再三の感謝を申し上げますm(_ _)m


今回はあとがき物語もありますよ〜。


明日か明後日に、今日までの3話を

纏めて編集したものをアップします。


会議室に行く傍ら、私は考えていた。


「(……さてと。やっとこさ

南に到着したわけだけども)」


奮闘続きで、ここにくる目的を

忘れかけていた。

さて復習しよう。



①私たちを殺した現『西の勇者』、

ユキミヤ・リョウヘイのゆくえと、その目的。



――忘れない。

彼が「日本に帰る方法を知っている」と

言ったことを。


彼がどこで情報を仕入れたのか知らないが、

知識の巨人たる『南の賢者』がそれを

知らないはずもない。


……聞いておくに、

越したことはない。


「(まあ、帰る気はないんだけどね)」


そもそも、帰れる方法が「正攻法」か

どうかも怪しいのだ。


たとえば、人を殺して黒魔術的な

何かで帰れるのだとしたら、

私はそんなのごめんである。


「(この世界で、私にはやるべきことがある。

王として、二代目のゴブリンロードとして)」


なにも成し遂げずに帰るには、

ここで築いたものが多すぎた。



②『不快』ゴーディと、『南の賢者』の関係性。



北の重鎮たる私たちには、南に「『泥人形』の

襲撃に対して共闘したと」いう恩があるわけだ。


――彼女たちのあいだにどんな事柄が

あったのか、聞き出す権利はある。


ゴーディの存在は後々、私たちの陣営に

大きく関わってくるかもしれないのだ。


そして『――俺の泥人形が、泣いている!』

という彼のセリフは聞き捨てならない。


まるで、彼が裏から『泥人形』を操っていたような言い草。

いいや、そうとしか受け取れない。


『歪んだ守護者』に『泥人形』。


これだけの戦力を単騎で保有されては、

いつ私たちの陣営に害が及ぶかわからない。



――この2つを交えて、今回の会議を進める。



「――お待ちしておりました。イズミ皇女殿下」


会議室へつながる扉の前に、

ノイリーが門番のように立っていた。

ていねいに頭を下げ、

表情はかなり冷たい。

お仕事モードだ。


「もう、全員あつまってる?」


ノイリーはショウコさんの精霊だ。

精霊っていうのは、感情を表に

出すことをあまり良いと

思われないらしい。


それはけっこうだけど。

こうしていると、

なんだか『友だち』ということを

忘れられていそうで、

なーんか、

いやだな。


「はい。殿下と私がそろえば、

会議が開始されます。どうか、

いずみんにとって実りある

会議でありますよう―……」


……どうやら、杞憂だったみたいだ。


ギィ、と扉が年季が経った音をたてて

開いていく。


そこには、私の家臣を含めて――『不快』、

『魔法剣士』そして『南の賢者』キサラギ。


ここに至るまでの重要人物が、

すべてそこに揃っていた。


「――ではこれより、第一回、南北会議を始めます」


ノイリーのその一言で、波乱の会議が幕を開けた。




あとがき物語【03】、『その頃のあいつ③』


――命の恩龍(?)であり、キズル村に現れた黒竜の

卵の出自を確かめるため、『人間化』の薬調達のため。


『東』の平原へ向かうマッティア。その歩みを

止める冒険者が、彼のもとに立ちふさがった!


「――あれ? あそこにいるのって、ゴブリンじゃね?」


「ホントだ。それになんか黒竜連れてる。狩っちゃお!」


ガサガサ!と、草むらをかき分けて近づいてくる人間たち。

やれやれ……。人間は苦手なんだよな、勘弁してくれよ。

それも冒険者と来たモンだ。ぶっちゃけ、身がすくむ。


「ガー。が~」


「……はんっ。安心しろよ。ガキの

お前に心配されるほど弱くはねえさ」


ただ、俺のレベルで出せる権能は

たかが知れてる。同胞曰く、

『ゲイブさまの劣化版』と

よく冗談交じりに言われる。


ただ、こんな状況で出し惜しみは

してらんねえ。どんなショボ権能

だって、勝利さえすれば勝ちなんだ。


「気張れよ、俺―……!」



「ねえ、グルド」


「あん?」


「この辺って確か、最近『北の魔王』が

新しく玉座についた土地だったよねえ?」


女の冒険者が、となりの屈強そうな

男に向かって問いかける。


「……狩りの最中はきいつけろって、

何回も言ってんだろうが嬢ちゃんよ」


「だってー。気になったんだもん。

あー。あと、嬢ちゃんじゃなくて、

マルマ。ちゃんと名前で呼んで〜」


「……ったく。相手がゴブリンだからって、

油断しすぎだろうが。ったくよお……」


ふたりの冒険者、マルマとグルドは

即席の冒険者パーティである。

ふたりともキズル村の出身で、

グルドは傭兵、マルマはメイドという

身分を持ち――まあ悪い言い方を

すれば、貧しい村を見限った、

という言い方もできるのだが。


「なんで嬢ちゃんみたいな戦いの

素人と組まされちまったんだ……」


「ぶ〜。そんな言い方しなくたって、

いいジャン。私だってそこそこ

役に立つんだもんっ」


「そうかいそうかい。

じゃあ、そこの茂みに

隠れてるゴブリンを

倒して証明してくれ」


「まっかせてよグルドのオジサン!」


「おらぁ、まだ25だ」


なぜメイドのマルマが

冒険者をしているのか。


その話は後々になるが、

冒険に出られるほど、腕が確か

なのも確かである。


迷いや憂いなく茂みまで歩みより、

標的が思われる草むらに顔をつっこみ―……。


「――よお」


後悔、した。


そこにいたのは、ゴブリンなんかではなく。


「俺さまに歯向かおうってのは

――ドコのどいつだコラアァ!」


虎だった。

牙をむき出しにし、

滴る唾液を隠そうともせず、

ただ殺意に血走った眼光が、

マルマを絆すように釘付けにしていた。



マッティア・フォン・サイガル――権能名スキル――『虎の威を借る狐』



その能力は、一定時間――自分のレベルを偽り、

それに応じたモンスターに变化できる能力だ。


ちなみに、効果は10秒。レベル上限は40。


すなわち、虎が限界である。


ドラゴン? 無理(無慈悲)。


「ひっ……ひぃわわわー!」


「あん? どうした嬢ちゃん……ってオイ、

なんだありゃ。ゴブリンじゃなかったのか」


「どうしてそんな落ち着いてられるの!?

ねえ!? 逃げようよ食べられちゃうよ!」


「……ったくよお。まあまてまて。

さっきまでそこに居たのは、

確実にゴブリンだったんだ。

ってぇことは、つまりだ」


元傭兵のグルドはマッティアに近づき、

その牙を恐れるはずもなく――。


「ふん!」


思いきり殴って、へし折った。


牙から力が抜けたように虎の

体躯はしぼんで行き、まるで

割れた風船のようになさけない

姿の元凶――マッティアが、

姿を表した。


「虚仮威しってことだろ?」


「……ガー。が〜」


これにはさすがのガーも、

嘆息するしかなかったとさ。


《続く》

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