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銀河のドラゴンスレイヤー  作者: 藍沢洗
【鼓動編】 第3章 アルクメネ会戦
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23 ホールCの戦い

 ◇ ◇ ◇


 統一時間4月13日12時45分。

 ミソラたちが迎撃を命じられたホールCは、その直径を最大にまで広げた。

 同時に、宇宙にあいた黒い穴の中から複数の宇宙怪獣が飛び出した。


「宇宙怪獣の出現を確認、数は現在6…7…今後もさらに増える模様」


「カテゴリーは?」


「すべて1、内訳はトカゲ型のみ…」


 アインの報告と共に、モニターに宇宙怪獣の情報が映し出された。

 現在、8騎のシグルドたちは、ホールから8千キロほど離れた宙域を漂っていた。ホールから距離を取り、情報収集をすることにしたのだ。


「カテゴリー2が出現、数は6。現在の合計出現数はカテゴリー1が12、カテゴリー2が6」


 8千キロの距離は、シグルドの探知能力を超えていた。

 しかし、今回の戦いでは母艦であるシリウスとの通信、および索敵能力向上のため、アイン騎にのみ通信強化ユニットが取り付けられていた。


「ホールの動き、沈静」


「ひとまず…出る分は出たって判断していいのかしら」


 アイン騎を通して送られてくる情報を見ながら、ミソラは思案した。攻撃をかけるなら、いつが最良か…


「このまま放っておけば、宇宙怪獣の拡散につながる…でも、さらに敵が増えた場合、対応しきれるかは分からない…」


 しばらくの思考の後、彼女は味方機に向けて通信を送った。


「全騎、フォーメーションを組み、ホールへと突撃!」


 ミソラの指示と同時に、高速輸送ブースターから離れたシグルドたちは、ホールへと機体を向けると、推進器を噴かせた。


「中央のカテゴリー2はアタシがやる! 右翼をツヴァイ、左翼はドライに任せるわ!」


「了解」


「わかった」


「アインは後方で情報収集と援護射撃! あと、新兵は必ず先任者の指示に従うこと!」


 一通り指示を出し終えた頃には、すでに宇宙怪獣との距離は攻撃が届くほどまで縮まっていた。


 レーザーライフル!


 ミソラが思考すると同時に、ウェポンボックスが開き、武装が飛び出す。

 そのタイミングは、シグルドの右手がウェポンボックスの前に伸ばされるのとほぼ同時だった。


 無駄のない動きで、ライフルを取り出し、構える。

 ミソラが照準を合わせようと意識すると、1秒も経たないうちにターゲットアイコンが1頭のトカゲ型を捉えてた。


「まずは…1つ目!」


 ミソラの右人差し指が、トリガーを引いた。


 1秒後、銃口から放たれたレーザーがトカゲ型の中心部をつらぬき、宇宙怪獣を宇宙の藻屑へと変える。


「カリン!」


 1頭目を撃ち落としたのを確認しながら、ミソラは僚騎へと通信を送った。


「は、はい!」


 一拍遅れて、僚騎パイロットのカリンから通信が返ってくる。


「アタシはこれから右側のワイバーン型を墜としに行こうと考えてる。だから、アナタには左のトカゲ型を倒して欲しいんだけど、頼んでもいいかしら?」


「は、はい…!」


 緊張しうわずった声が、ミソラへと届く。

 ミソラは、一瞬仕事を任せるべきか不安になるが…


「フォロー」


 モニターに映った文字を見たミソラは、先ほどよりも優しく僚騎へと通信を送った。


「大丈夫よ。カリン…あなたにはエインヘリアルシステムへの高い適性があるから。システムを信じて、訓練通りにすればトカゲ型なんて楽勝…ウチの同期で一番成績が悪かったやつだって、トカゲ型は倒せたんだから」


「え…あのシノサカ中尉も、ですか?」


 カリンの驚いたような反応に、ミソラは思わず吹き出しそうになる。

 2期生からも、クロウのパイロットとしての能力の低さは目立っていたのである。


「そうよ。アイツだってできること、アンタにできないわけがないでしょ?」


「…はい! やってみます!」


「よろしい、頼んだわよ!」


 僚騎がレーザーライフルを構えたのを確認すると、ミソラは機体をさらに前方へと進めた。動きが速いワイバーン型は、ライフルで撃ち抜くよりも近接戦闘をしかけた方が容易に判断したのだ。


「なんで俺の話をしたんだよ…」


 機体を進めていると、モニターに再び文字が浮かび上がった。


「自信をつけさせるなら、アンタの話をするのが一番だと思ったのよ」


 先ほどのカリンの反応を思い出し、にやにやと笑いながらミソラは答えた。


「それよりも、あと数秒でワイバーン型との戦闘に入るんだけど、準備はできてんの?」


「…当たり前だ」


 回答と同時に、ウェポンボックスを開き、シグルドはライフルとブレードを取り替えた。そして、そのまま減速せずにワイバーン型へと突撃する。


 ワイバーン型はその翼をシグルドにたたきつけようとするが…シグルドは身をかがめてすれ違いざまの攻撃を避けると、横なぎの一閃で敵を両断した。

 それは敵の動きを完全に読み切った動きであった。


 仲間がやられたことに気がついたトカゲ型が、ミソラ騎へと触手を伸ばそうとするが…遠方からの攻撃がトカゲ型を沈黙させる。


「隊長! やりました!」


 カリン騎が放ったレーザーライフルの光線が、トカゲ型を撃ち抜いたのだ。


「その調子よ、カリン!」


「…はい!」


 戦場の様子を確認する。

 ミソラは現在、宇宙怪獣の群れの中央部にいたが、両翼の戦場でもシグルドが戦闘を有利に進めていた。


「よし、残りも片付けるわよ!」


「了解!」


 結局、その後の戦いでもシグルドたちは戦いを有利に進めた。

 ミソラが懸念した高カテゴリーの宇宙怪獣の出現もなく、15分後にはホールCから現れた宇宙怪獣たちは全て撃退された。



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