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赤兎馬はフリージアンホースが真っ赤になったイメージ白は白猫なイメージ

李進の食客としてオリジナル武将的なのが出てきます。

苦手な人はスミマセン。


暇つぶしにでも読んでってくれたら幸いです。






呂布、劉備連合の本体が昌邑城を取り囲む10日程前の事である。

溜まりまくった政務という地獄を耐え切った呂布達は抗父を出発する前段階の評定で壊れかけの精神を癒す暇も無く部隊編成を行っていた。

その際に良も訓練の成果と抗父での試験的な部将としての成果を考慮され戦場であっても百人近い兵を操る事が可能と判断された為に集まった義勇兵百人を任された。


良は此れより人を率いる立場に正式に任命され伯長と言う職に就く事になる。


部隊の中でも特に若年の良ではあったがその武力等も知られていたし呂布の養子の割に人当たりも脳筋に過ぎる事なく親しみを込めて白虎の若様と呼ばれる事になる。


良の2倍ほどの歳月を生きた属長に至っては白に噛まれ血を滴らせる良を見てニヤニヤと流石白虎様と呼び、其れを許す辺りなんとも馴れ馴れしい部下と上司である。

張遼のレーザーが射出し精神的にボッコボコにされたのは言うまでも無いが。


そんな彼らを引き連れ抗父から金里に物資を移動させ更に昌邑から抗父へ続く街道を見張れる場所に陣を張り、張邈と共に後方の陣を守っていた。


その地での守備期間、約一月。


「・・・長い」


竹簡を開きながら呟く良の一言。血の滲む布を巻きつけた良の顔はおデコに三本づつ交差する瘡蓋で動かし難い眉間に皺が深く刻まれ苦虫を噛んだように顔を歪めている。

何故か?簡単である。呂布達本体と離れてから逐一情報が送られてくるのだが今迄の攻城戦に比べ余りにも長く感じ焦れているのだ。決して勝手に輜重部隊に紛れてやってきた挙げ句送り返されそうになった途端暴れまくりおデコに爪痕残した白虎の所為では無い。


落ち着かない良に対し年長者で気の良い張邈が感情を抑えきれず笑いながら教える。その笑いは自分の友の戦の才を良と言う少年の何気無い一連の言動で強く感じれた為だ。


「アッハッハッ!!面白い、面白いよ!

井の坊や。一月程度で攻城戦が長いなんて私としては痛快と言わざるをえないよ。


ウンウン。呂布や陳宮の雷の如き戦に慣れているんだね。


攻城戦って言うのは悠に数ヶ月を費やすものさ。其れこそ風に乗った兵士の匂いが鼻をひん曲がらせる程にね」


「ウヘェ・・・。でも今迄みたいに落とせて無いつーことは義親の勘と父陳宮さんの予想が当たったって事かな?」


「そうだね、そうだろうね

でも私は不安など感じようが無いよ。そろそろ陳宮が何か行動を起こしているんじゃ無いかな?

元より今迄の城に比べて昌邑は大きいから正攻法では落としにくいだろうからね」


そう陳宮を信頼し誇らしげにする張邈。

実は陳宮から策の下準備を任されているので正直なところこの停滞状況が既に動いているのを知っているのだが機密とのお達しがあり良に言えず少しソワソワしてたりする。


さて最前線で昌邑城包囲している陳宮の作戦。

其れは時を少し戻し、視点を曹操軍配下李進と言う豪族が治めている兗州済陰郡乗氏の元へと向けるべきだろう。

この李進と呼ばれるジジイは日に焼けた肌と相反する真っ白な髭を蓄えた、老いを感じさせないムキムキ逆三角形矍鑠ファンキージジイである。


・・・何時もなら。


「顔盛。兵、百を率いて東門の厳慈の元に援軍に行けぃ!何としても敵を食い止めよ!!」


何時も笑顔を浮かべている顔を何処ぞの爪痕おデコ小僧よりも歪め、不機嫌そうに眼下の敵を見ながら指示を出す。

其れに対し李進に仕える齢二十の若い食客で百余名の兵を指揮する顔盛は、精強な返事と共に頷きを返し援軍要請に答える為に部隊を率いて直行する。この三日間の間何度もあった事で手馴れたもので北門に敵が五百の兵で攻めかかって来ている敵を上手い事さばくだろう。


その背をチラリと見送ると敵の襲ってくれと言わんばかりの陣を再度視界に写す。

あの敵の陣中に千、この壁に三百。

三日間何とか防ぎきっているが敵味方の兵数は五百対二千と数的不利に加え碌に準備も出来ておらず最悪の籠城戦を強いられ配下の奮闘虚しく押されている。


「全く、碌な事が無いわい!!

ホレ、早う矢を持って来い!!何時敵がこの北門に攻撃を開始するかわからんぞ!!」


そう言って持って来させた矢を三本鷲掴み全ての矢を弦に掛け弓を横に構える。小さくも強弓と呼ばれる李進の弓がギリギリと音を立てる。

一息整え…。


「シッ」


放つ。


一息の元、三つの曲線を描いて飛んでいく三本の矢は気を抜いていたのか夜間に埋められた堀辺りに居た物見らしき敵兵の頭に吸い込まれていき一つの亡骸と2人の怪我人を作り出す。


「まずいのぉ・・・」


白い顎髭を撫でながら戦の波の変化を鋭敏に感じ取る。

眉間の皺を深くした李進に気付き顔盛の六歳下の弟でこの戦が初陣の顔衰が首を傾げ李進に問いかける。


「じぃ様。どーしてそんなに唸ってんだい?

じぃ様は前に呂布の野郎を撃退してたじゃねーか?」


「ハァ。顔衰、よくよく敵を見よ。

敵兵は精強にして強烈、武具は万全にして善戦、将兵は知勇合わせた勇者ぞ?


儂が呂布を退けた時は敵に糧無く、智無く、後も無し。

有るのは焦りと疲労だけ。

其れで尚、攻城を敢行せざるをえ無い敵など一度軍を率いた事のあるものならば誰でも勝てるわい。

まぁ、主は初陣じゃから解らぬのは仕方ないがの」


子供扱いされた様に感じ顔衰はムッとしながらも人生経験豊富な李進にそう言われた為、自分を落ち着ける。


「じゃぁ何か?

じぃ様や兄上が戦った時の呂布軍は十全な状態じゃ無かったて事かい?

兄貴の話だととんでもねー化物のように感じたんだが?」


「その通りじゃ。

儂は一度、兗州を滅茶苦茶にしくさった反董卓連合がどうなるか虎牢関に行った時に奴の本気を見ておる。

あんな者。否、あんな化物共を高々数千の人間で止められるものか」


顔衰は驚嘆した。

もう三日ほど戦っているが敵の動きは、戦経験が無い自分からすればどう見てもこれ以上無い勇猛さを見せている。既に何度かは壁に取り付かれてしまっていて槍で突き落としたりしてなんとか追い返した。この様な勢いのある敵が未だ本気と言える状況では無いという。


フツフツと顔衰の心に不安が湧き上がってくる。

その時である。計った様にワッと声の圧が束になって顔衰を襲う。

咆哮と称すべき歓声を上げる敵を見やれば銅鑼の音と共に陣より出でて敵の波が勢いよく蠢き形を変え段々と近づいてくる。


呂布が中央で赤兎馬に跨りその後ろに異民族達が追従している。その後ろからは今まで使われていなかった攻城兵器が見える。


初陣で偶々呂布を見かけることの無かった顔衰には有り得ないデカさの馬、人、武器、異民族が揃い恐怖が心を支配する。


「顔衰っ!!」


「はっ!!?ハッ!!」


李進の一括にビックゥゥゥと肩を跳ね上げ意識をとりもどす。気が付けば鎧が自分の汗でビショビショになっている。


「良いかっ!?此処から気を抜くな!!」


李進の注意と同時。計った様に紅い馬に跨った赤黒い鎧の大男が紅い柄の奉天画戟を掲げると、大男の左右の兵が退く。ユックリと出て来たのは大きな車輪を付けた大きな雲梯四台である。其々、取り付けられている梯子は厚い板となっていて人が押す場所は屋根と壁に覆われている。


そして、何故か人の入るべき場所に二頭の牛が入れられる。

李進が横で声を張り上げているが味方の動きは遅い。

顔衰が何をするのかと恐怖と興味に囚われ見ていると牛の入った小部屋に松明を投げ込む敵兵。くぐもった牛の雄叫びと共に有り得ない速度で雲梯が突っ込んでくる。更にその後ろから大男の軍が咆哮を上げ追従し追い立て迫る。


衝突音。其れと共に足元が揺さぶられる感覚を感じ瞬間的に下に視線を向そうになるのを圧倒的な死の予感が首の動きを止める。


「ハッハッハ。ハーッハッハッハッハァッ!!」


凶笑と共に突如、余りに大きな刃が顔衰の視界を埋める。

金属同士が衝突し削り合った不協和音が耳を埋め尽くすと同時に顔衰は太い腕に捕まれ投げ飛ばされる。


腰を打ちつけ呻き声を上げながら敵を見ようと前を向けば李進の背が迫ってくる。


「ヘェブァッ!!!?」


んで勿論、潰される。

顔衰は先頭に立って乗り込んだ呂布の一撃から李進に助けられたが助ける為に顔衰を後ろに放り投げ一撃目を何とか逸らした李進自身が突き放たれた奉天画戟で吹き飛ばされ顔衰は気絶した。


何をされたかと言えば、三日三晩東門を攻め敵が慣れて来たところで、あまり高く無く修復されていない乗氏城の北の城壁を狙い火牛計の応用で馬が乗れる様に改造した雲梯を高速で城に付け馬ごと壁に登ってきたのだ。


「成廉、俺の代わりに兵に指示を出せっ!!

民を傷付ける事、乱暴狼藉は一切行うなっ!!!」


「ははっ!」


「ハッハッハァ!

李進のジジイよ、三日ぶりだなぁ!!


袁術からちょろまかし・・・ん"ん"っ。

取り敢えず兵糧を持ってきてやった故に協力してくれ!!!」


呂布と書いて脳筋と読めてしまう彼の交渉術と書いた脅しである。

一応、言っておくと呂布も流石に脅し付きである事は理解している。


・・・ある程度は。


「全く、お前という者ほど将軍として仰ぐに相応しい者もおらん。しかし貴様を主と呼ぶには足りぬものが多過ぎるわい。


・・・厳慈、顔盛にも伝えに行け!!皆、武器を棄てぃっ!!

降伏するぞ。

曹孟徳への義理は通した。これ以上、抗い無駄に死するのも愚かしいわい。」


そう言う李進の顔は顰め倒されていた。


呂布劉備連合の分隊、呂布率いる二千が乗氏を落とした後に張遼率いる五百が鉅野、劉備率いる二千が成武を落とし昌邑を孤立させた。

単純ではあるが陳宮の策により昌邑への援軍は絶望的状況となり城内の曹操軍の士気は壊滅的なまでに下がる事となるのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーー⚪︎鉅野ーーーーーーーー⚪︎樊ーーー

⚪︎乗氏ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー金里ーーー□ーーーーーー

ーーー◉昌邑ーーー⚪︎亢父□□◉任城△△

ーーーーーー⚪︎東緡ーーー□□□⚪︎高平ー

ーーーーーーーーー⚪︎方与□□□□□ーー

⚪︎成武ーーーーーーーーーー□□□□ーー

ーーー⚪︎単父ーーーーーーー⚪︎湖陸□□ー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー□ー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー□

ーーーーーーーーーーー⚪︎豊ーーー⚪︎小沛

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


*李進 ??・・・(りしん ??)

生没不明。済陰郡乗氏の人で194年の兗州の戦いの時腹ペコ呂布軍を攻撃して山陽に追い出した。特に書かれては無いけどもしかしたら李典の親族かもしれない。

演義には出ていない。


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