第三話 酔いしれながらもあなたの愛を感じていたい。
紅葉「えへへ〜ありがと、双葉く…じゃなくて、ふ、双葉。」
紅葉「ウチのこと支えてくれて嬉しいなぁ〜♡」
紅葉「……えへへ…♡」
寝室に入るとさらに甘えたくなり、双葉の胸に頭をすりすりと擦り付ける。
双葉「……ふふっ。」
……かわいい。
頭を撫でながら、紅葉をゆっくりベッドに寝かせる。赤子をかわいがるみたいに。
双葉「……んじゃあ、また明日。」
そして、双葉は自分の寝るベッドに戻ろうとする。
しかし、紅葉に声をかけられ、双葉の足が止まる。
ベッドに横になりながら、双葉の背中を見つめる目に寂しさと酔いによる甘えが混ざっている。
ふらふらと手を伸ばし、双葉の袖を弱々しく掴む。
紅葉「待って…双葉…。行かないで…ウチひとりはやだぁ…」
……もう…!
……バカ…違うでしょ。
俺は昔、紅葉と一緒にベッドで眠ったことを思い出しながら、紅葉の方に振り向く。
双葉「……一緒に…寝たいのか…?」
双葉の問いかけに嬉しさが溢れる表情で、ベッドの上で体を起こそうとする。袖を掴んだ手にぎゅっと力が入る。
紅葉「うん…一緒に寝たい…。」
紅葉「双葉の近くにいたいの…昔みたいに…」
紅葉「……もう、どこにもいかないで…。」
双葉「……わかった。」
双葉は紅葉の方に優しく微笑みながら振り向く。
そして、紅葉の頭をもう一度、優しく撫でる。
昔、紅葉が泣いた時に、優しくあやすように。
紅葉はベッドに横たわりながら、双葉の優しい手つきに安心した表情を浮かべ、瞳を細める。
紅葉「えへへ...双葉の撫で方、昔と変わらないね〜。」
紅葉「ウチ、この感じすごく落ち着くなぁ...。」
……一緒に寝たいな。
……双葉。……もう、離れないよね?
紅葉「もっと近くに来てよぉ…。」
双葉はベッドに入り、紅葉に寄り添う。
双葉「……近くに来た。」
紅葉は双葉の温もりと愛を感じて、体温が上がり、頬をさらに赤く染める。
双葉の胸に頭をすり寄せ、幸せそうな吐息を漏らす。
紅葉「ふぅ...やっと近くに来てくれたね。」
紅葉「双葉の匂い、好きだよ...。」
紅葉「昔から変わらないね。」
……匂いだけじゃないよ。
……双葉の全部が好き。
双葉「……紅葉。」
……俺も紅葉の匂い好きだよ。
……今は…酒くさいけど。
双葉は紅葉を強く抱きしめる。
双葉の胸に顔を埋めたまま、抱きしめられる感触に酔い以上の陶酔を感じて目を閉じる。
寝室の静寂の中、双葉の鼓動が聞こえるようで、それが心地よくて、この時間が永遠に続いてほしいと思う。
紅葉「双葉の温もり...最高〜♡」
酔ってても…酔ってなくても…。
紅葉「ずっとこうしていたいなぁ。」
……双葉がいればいい。双葉だけでいい。
……時間止まんないかな。
紅葉「ウチのこと、嫌いじゃないよね?」
双葉「……酒癖以外はな。」
双葉は紅葉をさらに強く抱きしめる。
2人の鼓動が、重なる。
双葉「…な、なぁ…も、紅葉。」
紅葉「……なぁに…?」
……ううっ…いやいや…もう…恥ずかしくない。
……恥ずかしくな…。
双葉「……お、俺のこと…そ…その…。」
紅葉「……ふぇ…?」
……あ…待って…まだ…双葉の…言葉…聞き取れてな……。
紅葉「……すぅ……すぅ……。」
双葉「……酔ってるもんな。」
……ダメだな、俺。
…好きか…聞きたかった。
双葉「……紅葉。」
……紅葉……。
……起きたら…ちゃんと伝える。
……
……チュッ




