第1章 第9話 舐めた態度
〇八雲
「せんぱーい、ドライヤーかけていいですかー?」
「ああ」
なんか、瑠奈に舐められてる気がする。
いや、舐めてんのはずっとだけど、なんていうか……。俺の扱い方を覚えてきた感じだ。部屋に帰ってくるなり勝手に風呂に入ったのもそう。先輩の威厳が損なわれるレベルの事態になっている気がする。
「せんぱーい、マッサージ得意なんですよねー? ちょっとやってもらえますかー?」
ドライヤーをかけ終わった瑠奈が俺にそう頼んできた。まだ会って2日目だぞ。別に怒るつもりはないけどよくないんじゃないか? ちょっと注意だけしとくか。
「あのな、一応俺先輩なんだから。そういうのは……」
「えー。でもせんぱい、これを見ても同じこと言えますかぁ?」
そう言うと瑠奈はわずかにスカートを捲り、下着が見えるギリギリの部分まで脚を露出させた。ていうか風呂に入ったのにネクタイを巻いたノースリーブのブラウス、ミニスカート、ニーソックスという格好はどういうつもりなんだ。
「……もう後は夕飯食って寝るだけだぞ。なんでそんな気合い入れてるんだよ」
「わたしー、コンビニ行く時もちゃんとおしゃれしていくタイプなんですよー。ていうかふとももの感想はないんですかー?」
「……あぁいるよなそういう奴。でもうち制服着なくてもいいし、半年もすればジャージになるんだよな……」
「話逸らさないでくださいよー。ふともも、好きなんでしょぉ? いつも見てるの気づいてるんですよーへんたい」
「いや俺人の目あんま見れないから目線下がっちゃうだけだし……」
「別に馬鹿にしているわけじゃありませんよ。脚フェチって珍しくないですし、いたって健全です。そんなせんぱいのために、優しい後輩が奉仕してあげるって言ってるんです。マッサージなら合法的に触れますもんねー?」
くっそ鎌木……! 絶対こいつに余計なことしゃべっただろ……!
「あのな、俺は先輩にいつもやらされてたから……!」
「あ、また先輩の話! 全然反省してないじゃないですかー。信用失いますよー?」
「っ……!」
「ほらほらいいから早くやってくださいよー。わたし胸が大きくなったのと一緒に脚も太くなっちゃってー、細くしたいんですよねー。あ、せんぱいみたいな変態は少しふっくらしてた方が好みなんですかねー?」
「お前な……!」
「はい、お前もまた言った。いいからせんぱいは、奴隷のようにわたしの脚に執心してればいいんですよ。せんぱいもうれしいでしょ? こーんなかわいい後輩の脚を触れて。ほーんとへんぱい」
こ、いつ、マジで……!
「いいんだな?」
「なにがですかぁ?」
「自慢じゃないけど俺相当マッサージ上手いぞ。記憶飛ぶくらい気持ちいいんだってさ。今日この後何もできなくなるぞ」
「くふっ。せんぱい不器用そうだしそれは無理でしょ。そーんな期待してないんで、ぱぱっとやってごはん食べにいきましょ?」
「お前ほんとに……わからせてやるからな……!」
「はいはーい。がんばって気持ちよくさせてくださいねー、へんぱい」
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