第1章 第12話 プチ喧嘩
「おはよう」
「……おはようございます」
朝が来て目を覚ますと、せんぱいは勉強机に座って何か書き物をしていた。……昨夜のことは見なかったということにしてくれているのだろう。……むかつく。
「飯は?」
「食べます。せんぱいも半分どうぞ」
「ありがとう」
歯を磨き、せんぱいと一緒に朝には重たい食事をとる。……普通のテーブルくらいほしいなぁ。勉強机に並んでとかなんかださい。
「今日は何があるんでしたっけ?」
「部活動と委員会の勧誘が体育館で。この学校どっちかはやんなきゃいけないからちゃんと聞いとけよ」
「わかってますよ。せんぱいも生徒会辞めたならどっか入るんですよね」
「まぁそうだな……適当に考える。瑠奈は?」
「わたしはぁー、サッカー部とかバスケ部のマネージャーやりたいです」
「……うち全寮制だろ」
「それが何か?」
「朝早くから夜遅くまで練習ができる」
「だからそれが何ですか?」
「うちの部活動はどこもガチってことだよ。かっこいい彼氏ほしいとかならやめといた方がいい」
……ばれてる。
「でもかっこいい男子ってだいたいそういう部活入るじゃないですか! せっかくこの立場になれたんだから男連れ込みたいです!」
「ナチュラルに俺を退学にしたな。ていうかいいことないぞ、顔のいい異性と同棲したって。言うだろ? 美人は三日で飽きるとか。あと絶対性格悪いし」
「そうですけどー……ん? 今わたしのこと性格悪いって言いました?」
「顔のいいって言っただろ」
「わたしかわいいでしょっ!?」
「まぁ……そうだなー……」
「カチン。あーあ! どうせ性格悪いんならせめてかっこいい人と同室になりたかったなぁっ!」
「ブサイクで悪かったな」
「……別にブサイクだとは言ってないじゃないですか。せんぱいの悪いところは表情! 暗いんですよなんか全部!」
「……ごめん」
「そういうとこが暗いって言ってるんです! そんなんじゃモテませんよ? せんぱいだって彼女ほしいでしょ?」
「俺が彼女いない前提で話してないか?」
「いるんですか?」
「いないけど」
「なんですかそれ。あーあ、せんぱいの彼女になる人かわいそー。暗くて脚フェチの変態とか! キモすぎです」
「……変態はお前だろ」
「っ……!」
「あっ、いや……なんでもない……」
あぁ……! あぁぁぁぁっ!
「もー限界です! せんぱいなんて知りません! わたし部活入ってかっこいい男子と付き合って! せんぱい退学させた後で二人暮ししてやるんだからっ!」
「そっか。がんばれ」
「カチンカチンカチン! ほんとにもう知らないですから! 人前では話しかけないでくださいね! せんぱいみたいなクソ変態陰キャと一緒にいたらわたしの価値が下がりますからっ!」
「そうだな」
「あーもう馬鹿にして! もういいです! わたし黒スト履いてやりますから! これでわたしのふともも見られなくなりましたねざまーみろばーか!」
「いやストッキングはストッキングで……」
「ばーかばーかばーかっ! わたしが部屋出ていってから変なことしないでくださいね! キモいんで!」
「だからそれはおま……」
「きらいきらいきらい! ばーかっ! じゃあねせんぱい今夜は男作ってその部屋で寝てやるんだからっ!」
「がんばれよー」
「っ……! ばーかっ!」
……せんぱいなら止めるもんでしょ。ほんと、ばか……。
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